THE INSECT HUNTER
2015
0724-26
八丈島

THE INSECT HUNTER 2015


で〜じけ え〜たばのしまで 虫め とろわ。

(八丈方言訳: 美しいあしたばの島で虫採りをしよう)
  








夏バテにも効く健康野菜として最近注目されている植物・・・

「アシタバ」

別名、八丈草とも呼ばれている・・・

その名の通り、八丈島名産の植物である。



東京都に属する火山島、八丈島。

そこでは、その島の環境に適応した、独特の生態系が見られると言う。

今回、その魅力的な島を訪れる機会を得た。


さて・・・、そこではどんな

魅力的な昆虫たちとの出会いが待っているのだろうか・・・?


八丈島を知り尽くした男、 Ken爺さんにご案内いただき、

毎度おなじみの るどるふ氏と びおすけは八丈島へと飛んだ・・・。








0724




     
遠征当日の朝である。

空港の八丈島行きのゲート・・・。

万が一にも遅刻してはならぬと思い、早めに来たが

だいぶ早く来すぎてしまった びおすけ・・・。


しばらくすると、るどるふ氏が颯爽と現れた。


二人で世間話などしていると、ついに今回の強力な

ナビゲーター、八丈島の経験豊富な Ken爺さんが

到着し、ここに3人の顔ぶれが揃った。

Ken爺さんとは昨年の虫屋さん忘年会以来である。

今回、るどちんとびおすけが初めて行く島でKen爺

さんの存在はとてもデカい!よろしくお願いします!




    
間もなく出発時刻だ。

搭乗を促すアナウンスが流れてきた。

夏休みのせいか、乗客は子連れのファミリーが多い。

島に里帰りする家族連れもいるのだろう。

他には釣り客とおぼしき人や、島でのレジャーを楽し

みに行くとおぼしき若者グループなどである。


満員御礼状態で、ANA1891便は定刻を少し遅れて

羽田空港から飛び立った。




   
遠いようで近い島・・・八丈。

約45分のフライトで到着した。


空港を出たとたん、むわぁぁ〜と蒸し暑い空気が

身を包む。

しかし、梅雨明けの関東地方はほぼ連日、猛暑日

を迎えていたので体が慣れていたせいか、それほど

不快には感じなかった。


心配していた台風12号の影響も無く、快晴の予報

となっている・・・が、山にはやや雲がかかっている

ようだ。



 
     
風が少し強いのが気になるが、そこは島であること

だし、いわゆる海風なのだろうと、あまり気に留める

ことはなかった。


カミキリに限らず、クワガタなど多くの特産種を産す

八丈島。昔から気になっていたものの、関東に住む

身としては意外と近くに感じて何時でも行けるや!と

考えていたのが災いし、結局、今日まで来る日を

迎える事は無かった。


しかし、ついに来る事ができた・・・。

遅きに失した感もあるが、とても感慨深いものがある。




  
まずはレンタカーの手続きを行い、Ken爺さんの

荷物を受け取るため一旦空港に戻る。


八丈空港を見渡す るどるふ先生・・・。

クールな「フリ」をしているが、実は久々の採集旅行

で、かなり気持ちは高ぶっているはず!


かく言う びおすけもすでに臨戦態勢は整っている。


飛行機の中で、るどちんに 「うすばしろ 第28号」の

八丈島のカミキリムシの調査記録を見せてもらい、

すでに八丈島産の主なカミキリは全て採った気に

なっているという、舞い上がりぶりである。




  
今回の我々の足は軽1BOXであった。

久々のコラムシフトで一応オートマなのだが、ギア

が 「ガコッ!ガガッ!ガガガッコ!!」とギクシャク

として入れにくく、かなり慣れが必要な感じだ。

室内灯が無く、代わりに変なライトが付いている。

どうみてもやっつけ作業の露出配線で、しかも

断線しているらしく、明かりがつかないのだ!(笑

レンタカー屋さんに「夜間採集用」ですか?」と聞く

と、「いいえ、違います・・・」と言われた・・・。




   
今回は、そんな軽1BOXも大事な相棒・・・。


るどちんの運転で、いよいよ採集の旅に出発だ!

ナビゲーターはもちろん、島を知り尽くしている

Ken爺さん。


お二人ともよろしくお願いします!!




 
そして、びおすけは後部座席で 「ふっふふ〜ん♪」 

と鼻歌を歌いながら、車窓からの眺めを楽しむ。

お気楽な一般旅行者気分である!


遥かに見えるは、八丈小島。

今は無人島だそうだ。


予定としてはまず、民宿に向かって採集道具を

整えてから採集に出掛けることになった。




民宿に到着した。由緒正しい古くから営む民宿だ。


各自与えられた部屋に入り、採集準備を終えて

出かけようとしたが、部屋の中にドアの鍵が見当

たらない。


民宿の御主人に鍵を借りに行くと・・・・

「民宿ていうのは、普通は鍵はかけないのよ・・・」


事件は滅多に発生しないという、八丈島らしい

のんびりとした一面を垣間見る事ができた・・・。


部屋のドアには結局、鍵はかけなかった・・・。



 
 
さて、前置きがだいぶ長かったが、ようやく採集の

様子をお伝えできそうだ・・・。


まず、最初にKen爺さんの案内で行ったのはクワ

の木がある場所。 トラフカミキリが採れるそうだ。

島のトラフは内地とは趣が若干異なるというが・・・。


なんと!るどちんが早速1頭見つけたようだ。




クワの葉に虫影が見えたので、これはっ!と思い

掬ってみたが・・・キボシカミキリであった。

なんだ・・・キボシか・・・。

が、この島のキボシはただのキボシではない!


八丈島にはアマミキボシやオキナワキボシなどが

移入繁殖して複雑な様相を呈しているらしいのだ。




   
アマミキボシカミキリ
Psacothea hilaris maculata Breuning,1954


色彩や斑紋からしてオキナワキボシには見えない

ので、おそらくアマミキボシであろう。




   
近くのオオバヤシャブシを叩いたら落ちた・・・。


アトモンチビカミキリ
Sybra (Sybra) oshimana Breuning,1958


伊豆諸島に限らず各地の島で採れるシブラ〜な

ヤツである。


ちっさいので落ちた瞬間には何者であるかさっぱり

わからず、後でルーペで見てがっかりする?類の

普通種カミキリだ。


 

車道沿いの樹木の花が妙に「ざわざわ」している。

Ken爺さんから 「けっして掬ってはいけないヨ」と

言われたのだが、つい好奇心からちょっと掬って

しまった・・・・・と!!


「ぶわわわわわわわわぁぁ〜〜ん!!!」


耳鳴りかと思うほどの羽音と共に、カナブン系の

虫の大群が葉蔭から狂ったように飛び出した!!

まるで木が爆発したかのようだ!!




   
リュウキュウツヤハナムグリ 奄美亜種
Protaetia (Pyropotosia) pryeri oschimana
(Nonfried, 1895) 


これも国内移入種だ。

とにかくその数の多さといったら尋常ではない!

掬った網の中を見たらカナブン玉が出来ていた。

綺麗な虫なんだけど・・・、こうも多いと採る気が

薄れるというものだ。

通常は緑光沢の個体が多いが、たまに赤い個体

も見られる。


さて、次のポイントへと移動・・・・。
 



   
Ken爺さんの導くままに山の方へ移動する。

海が綺麗に見えるが、何の変哲もない場所・・・。


びお 「・・・・? ここは何か採れるんですか?」

Ken 「センノキです! 例の黒い奴ね!」

るど 「いいですね!」

Ken 「すごく敏感なヤツなので気をつけて・・・」




   
そっと車を降りて何気に歩きはじめると・・・・


前方で大きなカミキリが飛び立ったのが見えた!

あわてて追いかけると、上手い具合に近くのアカメ

ガシワに止まってくれた。


網をかぶせて手元に引き寄せて見ると・・・・!


入っていた!! 黒くて触角の長いヤツが!!




   
クロセンノキカミキリ ♂
Acalolepta luxuriosa kuro Makihara,1977


うん、確かに黒いっ!

こういうのを「シブいカミキリ」と言うのであろう。

八丈島以外にも分布するカミキリだが、八丈に

来たからには押さえておきたいカミキリである。


それにしても人間の気配に10m以上離れていて

も気づくとは・・・恐るべし「敏感カミキリ」だ。


同じ場所を探索していた るどちんもタラノキに

飛んできたとおぼしき個体を採集できたようだ。


無事、クロセンノキが採れたので次のポイントへ

移動することにした。

      


 
それにしても暑い! 時刻は真っ昼間である。

暑いのなんのって・・・脳味噌が溶けそうな暑さ。

観葉植物の栽培が盛んなこの島では、シェフレラ

(いわゆるカポック)の畑があり、ウコギ科である

この樹木にもクロセンノキがいるという。

3人でしばし探索したが、暑過ぎるせいかクロセン

ノキどころか虫がいない・・・。

虫のいなさと暑さで疲れがどっと出て、びおすけ

は日陰に座り込んでぐったりしていた。




   
そこへ、一人脇道に入って行ったKen爺さんが

戻ってきてひと言・・・

「カノコサビとブーメ採れたよ!行った方がいいよ!」


こう言われては、るどちんと びおすけも行かない
 
わけにはいかない。

暑さでヒーヒー言いながら道を登って行くと、ブーメ

は採れなかったが、Ken爺さんの言う通りカラスウリ

を叩いて、カノコサビを採ることができた!




    
オキノエラブカノコサビカミキリ
Apomecyna naevia iriei Hayashi,1984


実は、これまた移入種なわけだ。

八丈島にはホントにいろいろな場所から虫が入り

こんで来ているが、沖永良部からも来てるとは!

他の地域のカノコサビとは、前胸背板が細く白い

のが目立つ違いのようだ。


カラスウリの近くにタラノキがあり、近づくといきなり

カミキリが飛び立った!

素早く網でキャッチ!! 中をのぞくと・・・・




  
クロセンノキカミキリ ♀
Acalolepta luxuriosa kuro Makihara,1977



これで先ほど採った♂と合わせて、1ペア揃える

ことができた!




カノコサビも採れたし、クロセンノキも採った。


ちょっと辛かったが、Ken爺さんの言う事を素直に

聞いておいて良かった・・・。






   
ルイスナカボソタマムシ八丈島亜種
Coraebus rusticanus fujiyamai Y.Kurosawa,1983

オオバヤシャブシを掬っていたら入っていた。

オオバヤシャブシは島のあちこちに見られるので、

本種も個体数が多いかと思い、事あるごとに掬って

いたが、結局この時の1頭のみであった。


いろいろと採れた事を報告すると、Ken爺さんも顔

がほころんだ。 しかし、他に追加もできそうになく、

飲料水が少なくなってきたので、一旦町に戻る事に

した。ストアで飲料水を買い、Ken爺さんお薦め

の蕎麦屋で昼食をとった。




   
さて、何を注文するか。

八丈島に来たからには、やはり 「あしたば蕎麦」

を注文するでしょう?さらにスタミナをつけるため、

トンカツをトッピングした「冷やしとんかつあしたば

蕎麦」を頼んだ!蕎麦はあしたばを練りこんだ緑色

で、それ自体は美味しかったが、冷やしたトンカツ

はかたくてちょっと食べにくかった・・・。


さて、腹ごしらえができたので次のポイントへ向かう。




   
次の場所は、Ken爺さんお薦めの薪置き場だ。

カミキリ屋ならみ〜んな大好き薪置き場!!

所有者の方から採集しても良いという許可を得て

ぐるっと一回りしてみたが、日中の一番暑い盛り

ではさすがに虫は隠れてしまって出てこない。

この時は何も見つける事ができなかったが、夜

はかなり期待が持てそうだ。


              薪を見回る るどさん →



  
       
薪置き場の竹垣?に極小キボシ♀がとまっていた。



これまた、アマミキボシっぽい感じだ・・・。




   
さらに、Ken爺さんがすぐそばのオオバヤシャブシ

の枝にとまっていたキボシ♀を採った。


それを譲っていただいたが、これもアマミキボシの

ようだ。




   
薪置き場の水溜めの中、笹舟に乗った?

フタオビミドリトラカミキリ。


島ではどこでも見られる個体数が多い種類だ。

暑いのでプールで泳ごうとしているかのようだ。




    
セスジスズメの幼虫。

なかなかインパクトの強いイモ虫だ。




     
付近を探索していた るどちんがブーメを複数採った

ので、お裾分けをいただいた。


ハチジョウウスアヤカミキリ
Bumetopia oshimana heiana Hayashi, 1963


アジサイに絡んだタケを叩いて採れたらしい。

千葉県産の本種は採集したことはあるが、本場の

ハチジョウウスアヤを見たのは初めてだ。




    
自動車の通行量がほとんどない道路を彷徨う?

Ken爺さん →

「キイロアラゲのカラスザンショウがここらにあった
 はずなんだけどな〜」



それよりも、そろそろ「夜の部」の準備をする時間

ですよ〜Ken爺さん!




    
Ken爺さんが準備してくださったライトFIT。

受け皿が思ったより深めなのが印象的。

暗くなる前にこれらを仕掛けて回るのだ。


今日は風が少し強いのが気になる。

影響がなければよいのだが・・・・。




    
ライトFITを仕掛ける Ken爺さん→


びおすけも少しお手伝いしながら勉強させていただ

いたが、似たような環境が多い中、ここぞという場所

に仕掛けるが、その選択基準については、びおすけ

には皆目見当がつかなかった!

技術を身につけるには経験を積むしかないだろう。




   
今回我々が特にターゲットとしているカミキリ・・・

それは皆さんご存じのトゲウスバカミキリだ。


カミキリ屋さんの間では「スピニ」と呼ばれている

ノコギリカミキリ亜科ウスバカミキリ属の大型の

カミキリムシだ。その名の通り、「薄羽」が特徴だ。

ここ八丈ではハチジョウトゲウスバカミキリが産し、

そのホストはモチノキ類だという。
                         こんな木→




    
ライトFITを一通り仕掛け終わった。

一旦宿に戻り、夕食後、シャワーで昼間の汗を流し

さっぱりしてから再びここにやって来る予定だ。


ライトFITに何が来ているのか、楽しみだ。




   
この日の夕食は、八丈名物の郷土料理「島寿司」。

ネタはみんな醤油タレのヅケになっており、ワサビ

ではなく練りガラシでいただくのだ。

これがかなり、美味い!!ボリュームもそこそこあり

とても満足な夕食であった。


シャワーで汗を流して少し休んだら、再び昼間見た

薪置き場に戻って夜間採集の開始だ。




    
というわけで、昼間と同じ薪置き場に戻ってきた。

思ったよりも虫影が薄い・・・。


虫を探す るどちん→


るどちんはなかなか調子が良く、ハチジョウビロウド

やイズニセビロウド、ハチジョウトビイロなどを採って

いた。



   
一方、びおすけの方はさっぱりで、カミキリでは

ニホンチャイロヒメ、リュウキュウヒメ、ナガゴマフ

くらいしか見つけられなかった。

他にはキマワリ、オオツヤハダコメツキ、オオナガ

コメツキ、クロフシクチカクシゾウムシ etc...・・・の

甲虫が見られた。また、ゴキブリがとても多い。


ニホンチャイロヒメカミキリ            →
Ceresium simile flavopubescens Kusama et
Takakuwa,1984



リュウキュウヒメカミキリ           →
Ceresium fuscum fuscum Matsumura et Matsushita,1932




    
          ナガゴマフカミキリ→


八丈島の本種は他所とはちょっと違う雰囲気だ。




   
ナガゴマフカミキリ
Mesosa (Aphelocunemia) longipennis Bates,1873


本土のナガゴマフ同様、個体数は多くよく見られる

が、本土産に見られる上翅の黒帯が消失する傾向

にあるため、上翅中央の白紋が目立ち、一瞬別種

のゴマフカミキリに見えてしまう。


これは個体差ではなく、八丈産全体の特徴らしい。




   
Ken爺さんがチビクワガタを採って、びおすけに

譲ってくださった。チビクワガタを見るのは初めて

なので嬉しかった!

薪置き場の古い材には他にもチビクワガタが見ら

れたが、わずか3頭しか採れなかった。

♂か♀か判別できないが、2頭生かして持ち帰る事

にした。もちろん、飼育するためである。


他に面白そうな追加はなさそうなので、いよいよ

夕方にライトFITを仕掛けた場所に向かう事にした。
  




   
チビクワガタ
Figulus binodulus Waterhouse,1873


成虫が幼虫の世話をするなど、社会性昆虫に

近い生態を持つ事が知られている。

成虫は他のクワガタのように樹液に集まることは

少なく、他の昆虫の幼虫などを捕食する肉食性

が強い種類である。




  
ライトFITを仕掛けた場所は、ものすごい強風が

吹いていた!まるで台風のただ中にいるみたいだ!

案の定、衝突板のプラ板が吹き飛んだりしていた。

これじゃ、虫も吹き飛んじゃうよ・・・。

これは・・・かなり厳しそうだ・・・。


仕掛けたFITを順番に確認していった。

しかし狙いのカミキリの姿はなかった。

なんとかクロコバネカミキリが1頭入っていたのを

びおすけが頂戴した。




   
ふっ飛ばされそうな帽子を押さえながら、これは・・・

今晩はダメだね・・・と話し合っていた・・その時・・!


るど 「・・・・いました」


     ・・・・・・・・・・・・!!!



びお 「ええ!うっそぉーー!!」

Ken  「ああ、よかったな〜!」


るどちん、持ち前の強運を発揮して、木にへばり

ついていたスピニをゲットした!


かなり小型の個体であったが、こんな嵐の中でも

目的のスピニが活動しており、それが採れたという

事実は衝撃的だった。

ただ、その後は追加個体を見ることはなく、あまり

の強風に成す術もなく、この場から撤退するしか

なかった・・・。


う〜〜ん!残念だ・・・。

びおすけも、こんな情景を拝みたいものだ・・・→




   
Photo by るどるふ
しかし諦めの悪い我々は町に戻って来ても、街灯

巡りを行い、夜中までスピニを探したが、見つける

事ができなかった。


街灯にはカミキリはいなかったが、最近増えている

というハチジョウコクワガタの♀をるどちんが、そして

♂をKen爺さんが見つけて びおすけに譲ってくれた。

♀は生かして持ち帰る事にした。

もちろん、飼育するためである。



ハチジョウコクワガタ
Dorcus rectus miekoae (Yoshida,1991)


大顎の細さや内歯の発達の悪さから見ると確かに

ハチジョウコクワに見えるが、ハチジョウコクワは

もっと赤い色をしているのではなかったっけ?


移入種の多い島なので、どうも素直に見られない。

まさか本土産との交雑種ということはないだろうか。

亜種同士で交雑と言うのも何か変だが・・・。


そう言えば、町のスーパーで本土のカブトムシを

虫かごに入れて500円で売っていたなぁ〜・・・。



  
  

ハチジョウネブトクワガタ

Aegus subnitidus fujitai Ichikawa et Imanishi,1976

灯火近くの路上を歩いていた。

これも びおすけが秘かに狙っていた虫なのだ。

見つけた時は嬉しかった!しかし、個体数はかなり

多いそうで、今回の日程中にKen爺さんがポイント

に連れて行ってくださるという事なのでとても楽しみ

である。

さて、さすがに夜中を過ぎて睡魔には勝てず、この

日はこれまでとして宿に戻る事にした。

虫は少ないながら、初日から充実した一日であった。


民宿に戻り、今日採れた獲物の展足を簡単に済ま

せ、ふとんに寝転がるといつの間にか寝てしまった。
  




   




 
   
0725



   
おはようございます・・・。


さて、二日目の朝である。

この日の運転手は びおすけ。慣れないポンコツ

軽1BOXに手こずりながら走りだす。


今日は昨日のように暑い昼間はあまりがんばらず、

「夜にがんばる」計画だ。


あ・・・もちろん採集の話である・・・w




  
  
ハチジョウハネナシチビという小さな特産カミキリが

いるのだが、それを狙って移動する。

Ken爺さんには心当たりの場所があるらしい。


途中、伐採跡地があったので寄ってみる。


林縁に蔓が絡んだブッシュがあったので、それを

叩いてみる。



   
コゲチャサビカミキリ
Mimectatina meridiana ohirai Breuning et Villiers,1973


落ちた時、一瞬 イズドイカミキリかと思ったが、

そう甘くはなかった・・・。

しかし、南の島に来た感・・・は味わえた。




    
続いてこれまた普通種の・・・

アトモンサビカミキリ
Pterolophia granulata (Motschulsky,1866)


本土と同様個体数も多いようだ。

本土産と比べて特にここが異なる・・・という

部分も無いようである。

とりあえず、八丈島での採集種類数を伸ばす

ために採集する。




   
標高をどんどん上げて行く。

道は舗装されてはいるものの、生い茂る植物が

道の両側から伸びているので、道幅は割と狭い。

ポイントに到着した。

下は晴れているが、山の上の方は霧が濃く、かつ

風が強く吹いている・・・というよりも突風と言うのが

正しいかもしれない。

叩き網を広げると凧のように風を受けてバタついて

煩わしい事、この上ない。




   
こんなに風が強いと、せっかく叩き網に落ちた虫も

飛んで行ってしまいそうだ・・・。


霧で湿度が高いためであろうか、このあたりはタマ

アジサイが多い。

枯れ枝もちらほら見えるので、歩きながら何となく

叩いてみる。




  
「ポトッ!」

やたらと触角が長いカミキリが落ちてきた。




  
ハスオビヒゲナガカミキリ
Cleptometopus bimaculatus (Bates,1873)


アジサイもホストとしているのか?

西丹沢では決まった場所のキイチゴでしか採った

ことがなかったので、ホストの選択幅が狭い種類

かとばかり思っていたが、意外と食性が広いのか

もしれない。


そして、この場所では個体数も多い種類であった。




  
イズシラホシカミキリ
Glenea relicta izuinsulana Fujita,1980



びおすけが狙っていたカミキリのひとつである。

時期が少し遅いかと思ったが、なんとか採れた。

もっとも、個体数はけして少なくないようである。


本土産とは頭部・前胸背板の白紋が一見して

異なる。


びおすけは、こういう微妙な差がある虫がとても

好みなのである。間違い探しのクイズのように、

どこが異なるのか?を探すのが好きなのだ。




   
枯れ枝を叩いたら落ちてきたキマワリ・・・



シキネキマワリ
Plesiophthalmus oyamai Nakane,1956



一見、脚が赤いのでオキナワキマワリに見えるが、

上翅の後方への膨らみや明確な条溝が異なる。


キマワリ類はド普通種だが、島ごとに亜種に別れ

それぞれ特徴があり、たいへん面白い甲虫だ。




  
Ken爺さんと るどちんはさっさと先へ歩いて行って

しまった。びおすけも のこのこ と後を追うと、向こう

からるどちんが戻ってきた。ハチジョウビロウドなど

を採ったようだ。


Ken爺さんが道に座り込んで何かやっている。

びお 「どうしました?」

Ken 「ハネナシチビが採れたっぽい・・・」

びお 「おお!やりましたね!」




  
見せてもらうと、よく見かけるシブラ〜な奴らとは

違って見える。

Ken爺さん、ハネナシチビは既採集であったが、

狙った場所で、狙った獲物が採れたので大変、

ご満悦である。


     ハネナシチビがいたという枯葉付き枯れ枝→




 
「よし、いるぞ!」と言う事で、明日回収するつもりで

トラップを仕掛けて行くことにした。



採れるかなぁ〜・・・?




獲物が少ない びおすけを見かねて、Ken爺さんが

採れたてのハチジョウビロウドを恵んで下さった・・・。




   
るどちん、何やらお食事中・・・。


るどちんとKen爺さんは、パンをよく間食していた。

もうすぐお昼ご飯だっていうのに食べているので、

「今食べたらお腹いっぱいになっちゃうでしょ!」

と言うと、二人とも

「いや、これはスイーツだから・・・」 とおっしゃる。


菓子パンってスイーツだったのか・・・知らなかった。
 



   
昨日仕掛けたライトFITを回収するために、昨晩

るどちんがスピニを採った場所まで戻る。


たまにゴマダラカミキリを見かける。

特に亜種とかではなく、本土に普通にいるものと

同じであるらしい。


こちらではオオバヤシャブシを食害するらしい。

個体数もかなり多そうだ。




  
さて、期待のライトFITであったが、あえなく撃沈。

なんとかフタオビミドリトラとフタオビホソナガクチキ

が入っていたが、その貧果にはKen爺さんも首を

かしげるばかりである。


原因が不明なので、改善のしようもない。

今夜はライトFITはやめて、街灯巡りに賭ける事に

した。


スピニがよく街灯に飛んでくるエリアがあるらしい。




 
お昼である。 ご飯である。

昨日の蕎麦屋に行ったら、まだ早いのに閉まって

いた。ちょうどお祭りをやっていたので店主はそっち

へ行ってしまったのか?

仕方ないので空港のレストランで「あしたばラーメン」

を食べた。やはり麺にあしたばを練りこんである。

味の方は・・・・まあ、普通の醤油ラーメンであった。




   
さて、昨日暑い中徘徊したがあまり成果が上がら

なかった反省から、今日は夕方前に民宿に戻り、

少し休んでから、夜の本番に備える作戦をとった。


島では昼間に外を歩く人の姿をほとんど見かけな

かったが、やはりクソ暑い中を無駄に動かず、夜

気温が下がってから活動しているのではないか?




  
るどちんとKen爺さんが言うには夕焼けが半端

なく綺麗だったらしい・・・。

びおすけの部屋だけ窓の向きが違うので気付か

なかったが、南の島のロマンティックな雰囲気が

醸しだされていたことであろう・・・。


さて、シャワーと夕食の後、少し遅めに出かける

事にした。けして怠けてるわけではなく、スピニの

活動が活発になる時間帯に合わせただけであるw




    
Photo by るどるふ
そして、ハイッ、またやって来ました薪置き場。


昨日よりも薪の量が増えている。話によると

ここの薪は八丈小島から持ち込まれたもの

らしいとの事。

早速見回っているとふと足元の薪にカミキリが

とまっていた。




   
やった!初の自己採集のハチジョウビロウドだ!


ビロウド系がやっと採れたよ・・・。ふぅ〜・・・。




     
ハチジョウビロウドカミキリ
Acalolepta hachijoensis (Gressitt,1956)



そう!この黒さ!これが採りたかったのだ!

すでにKen爺さんからいただいた個体があるので

初見というわけではないが、やはり自分で採った

個体は感動が違う。

それにしてもセンノキといい、コバネといい、なぜ

八丈のカミキリは黒くなるのであろうか?


それにしても、今回は るどちんらはビロウド系を

よく採っているのに びおすけはあまり縁が無い・・・。




   
そんな びおすけを見かねたか、るどちんが採った

イズニセビロウドを譲ってくれた・・・。


これもびおすけ、一度自分で見つけたが逃がして

しまっていたのだ・・・。




    
イズニセビロウドカミキリ
Acalolepta sejuncta izuinsulana Hayashi,1968


本土のニセビロウドと比べて、全体の肌理(きめ)

が細かいと言うか・・・。

とてもキレイ目なカミキリである。


るどちんは相変わらず調子が良く、ハチジョウ

トビイロとか、トラニウスまで採っていた。


虫影も一段落してきたので、街灯巡りをするため

移動した。

かなりの距離、道路を歩いた。 が、しかし・・・。

海岸に近い道路は風が強く吹き、スピニどころか

他の虫もほとんどいない状態であった。



   
 
びおすけが唯一拾えたのはコレであった。

路上を動く姿は最初間違いなくゴキブリかと思った。


クロコバネカミキリ
Psephactus remiger insukaris Hayashi,1961


何度か掲示板などで暴露しているが、びおすけ、

実は本土のコバネカミキリを持っていない。

見つけても触ると「ぐにゃっ」とするあの感触がダメ

で採れないのだ!!

しかし、わざわざ八丈まで来たからには採らない

と次、いつ採れるかわからない!

ここはもう、かまわず鷲掴みして毒ビンに投入した。




  
さて、街灯巡りは徒労に終わった・・・。

唯一、望みがある場所は昨夜るどちんがスピニを

採った場所だけである・・・。


いざ、行ってみると昨夜にも増して強風が吹いて

いる。風音がうるさくて話声も聞こえないほどだ。


モチノキを1本々丁寧に見ていくKen爺さん・・・。


るどちんは昨夜スピニを採った木を見ている・・・。



びおすけはその先に進んでモチノキを懐中電灯

の明かりで照らしてみた・・・・。




 






















        
「・・・・・・・・・・・・・・!!」























    
「ばぁ〜!で〜じけ かみきりめ!」



(八丈方言訳: あー!美しいカミキリ!!)








     
ハチジョウトゲウスバカミキリ
Spinimegopis kawazoei hachijoana (Fujita, 1980)



この強風の中、よくぞ居てくれたものだ。


他にはあまり見ない、赤味のある黄色い色彩・・・。

虫自体の印象は地味だが、その姿は派手と言って

いいくらいのインパクトがある格別な虫である!

あらためて、八丈島に来て良かった・・と思った。


採れた事をKen爺さんに報告すると、やっと肩の荷

が降りた・・・とホッとされていた。そこまでご心配を

おかけしていたかと思うと大変申し訳なかった。


るどちんは、自分がもう数歩先へ行っていたら採れ

たのに!!と笑いながらよかったねと言ってくれた。





    

これで明日は心おきなく八丈から去れる・・・。

この晩は疲れが出た るどちんを寝かせておいて、
 
Ken爺さんと少し飲んでから布団に入った・・・。 

  




  




  
   
0726




    
おはようございます・・・。


さて、早くも最終日である。

今日の夕方には八丈島を離れるのだ。

島に滞在中続いた快晴の天気は今日もまた、

続きそうな気配だ。





  
るどちんの運転で、昨日仕掛けた葉っぱトラップを

見に行く。

今日は午前中、そのトラップを見て、ネブトポイント

へ向かい、午後は飛行機の時間までなんとなく

過ごす計画である・・・。




   
るどちんはイズチビトラが欲しいようで、アシタバ

の花を探していた。

アシタバはセリ科シシウド属の植物だ。

セリ、シシウド、と言ったらカミキリ屋さんはすぐに

訪花性カミキリを思い浮かべるであろう。


このアシタバにはリュウキュウツヤハナムグリと

フタオビミドリトラカミキリしか来ていなかった。




  
るどちんは登り坂をぐんぐんスピードを上げて

走らせて行く。外の景色がどんどん流れて行く。


そう言えば、虫屋さんには「飛ばし屋」が多い気

がするのだが・・・気のせいだろうか?




  
トラップを仕掛けたあたりに着くと、昨日とはうって

変って晴れていた。風はややあるものの、青い空

が見えている。




   
歩いて行くと るどちんがクロカタビロオサムシを

見つけた。 最近になって急にこの島で見かける

ようになったらしい。昨年は大発生していたらしい

ので、今年はハズレ年なのであろう。


これはびおすけが有難く採集させていただいた・・・。




   
クロカタビロオサムシ
Calosoma maximowiczi (Morawitz,1863)


島のビジターセンターにもあまり見かけない虫だ

と言って、最近よく持ち込まれるらしい。

どういうルートで島に入ってきたのだろうか?


場所はどこであれ、一度その大発生とやらを

見てみたいものだ。




   
さて、肝心のトラップであるが・・・見事撃沈!


そうそう甘くは無いと言ったところか。

ハネナシチビがいそうな枯葉自体がなかなか

見つからないので、狙うにはやはりトラップが

有効であることは間違いないと思う。




   
枯葉や枯枝を叩いてハスオビヒゲナガカミキリを

何頭か採った。


Ken爺さんがいよいよネブトクワガタのポイントへ

案内してくださるというので、びおすけ進んで運転

をさせていただいた。


なんでも側溝に落ちているのを拾うのだそうだ。




   
ポイントへ到着した。

何の変哲もない普通の側溝だが・・・。


棒で落葉をかき分けてみる。




   
「あ、いた・・・」




  
ハチジョウネブトクワガタ
Aegus subnitidus fujitai Ichikawa et Imanishi,1976

とにかく個体数が多い。

まともに探したら3桁は軽く数えられるであろう。

生息密度が高いせいか、小型の個体ばかりだ。

やはりネブトの魅力は大歯型の大型個体にある。

びおすけは飼育もしてみたかったのだが、暑くて

乾燥が強すぎたせいか、側溝で見つかった多数

のネブトの中でまともに生きていたのは数頭しか

いなかった。それも♂ばかりで、♀でまともに飼育

できそうな個体がいなかったのが残念だ。




   
「ふん!・・・ネブトなんて・・・」


と言っていた るどちんもヒマを持て余して、渋々

「側溝浚い」を始め出した。

早速、ネブトならぬクロカタビロを見つけたようだ。


「ふん!クロカタビロなんて・・・」と言っていたが

ごにょごにょ言いながら毒ビンに放り込んでいたw




   
飽きもせず枯葉をひっくり返していると、いきなり

色鮮やかな黄色が目立つ虫が走りだした!


オオヨツボシゴミムシ

Dischissus mirandus bates,1873

かねてよりいつの日にかは出会ってみたいと思って

いた、美麗&レアなゴミムシ。

まさか、初めての出会いが八丈島になろうとは

思わなかった!


るどちんも見つけたが

「ふん!・・・オオヨツボシなんて・・・」と言って逃がし

てしまった。 なんて勿体ない事をする男だろう・・・。




    
なにやら一生懸命側溝浚いをする るどちん→


びお 「おいおい、なんだかんだ言ってネブト
    欲しいんじゃないのかい?」

るど 「何言ってるんです。びおさんのために
    採ってあげてるんじゃないですか!」


あ、それは・・・どうも有難うございます・・・。




   
るど 「さあ採り放題ですよ!ふん!ネブトなんて!」


るどちんが拾ったネブトたち→

残念ながらほとんどが☆個体であった。やはり、

もっと早朝であれば生きていたかもしれない。


・・・・その後、るどちんは、びおすけが小型個体を

たくさん拾うのを尻目に、大歯型の♂と大きな♀を

を1ペア、しっかりと毒ビンに収めていた・・・。

なんてひどい仕打ちをする男なんだろう!!




   
るどちんが、どうしてもアシタバに来るイズチビトラ

を採るというので、開花しているアシタバ畑を探す

ことになった・・・。


山の中腹から見た八丈の町→






   
しかし、有りそうで無い、開花中のアシタバ・・・。

るどちん、とりあえず今回は諦めようよ・・・という

ことで、町へ戻り温泉で汗を流すことにした。


あ、もちろん途中で蕎麦屋に寄って昼飯を食べた。

今日は 「冷やしあしたばうどん」 を食べた。

これで、蕎麦、ラーメン、うどん、とあしたば入りの

麺を食べたわけだが、結局うどんが一番美味い!

という結論に達した。あしたばの味や粘りといった

ものが、うどんに一番合っているようだ。




   
オオコフキコガネ
Melolontha (Melolontha) frater frater Arrow,1913


この虫が、今回八丈島で採集した最後の虫となる。


体毛が剥げ過ぎていて、もはや「コフキ」ではなく

なっているが・・・・。

海沿いの道路際の芝生を歩いていた。




   
ブルーポートスパ「ザ・BOON」 という名の、温泉。


海が近いせいか、お湯をなめてみたら塩っぽい。

気持ち良かったが、暑くて&熱くてゆっくりと入って

いられなかった・・・。

受付の人に 「あら、もう出たの?」と言われたが

普段から「カラスの行水」のびおすけにとっては、

十分にゆっくりと浸からせていただいた感がある。

休憩室で足を伸ばしながらクーラーに当たって涼

んでいると、本当にくつろぎはじめてしまい、動くの

が嫌になってしまいそうだった。




   
そろそろ空港へ行こうか・・・。


温泉を出てしばらく行くと、Ken爺さん御用達の

ソフトクリーム屋さんがあり、そこでKen爺さん

にソフトをご馳走していただいた。

風呂上がりのソフトは本当に美味しかった・・・。


このソフトクリーム屋さんは何気に有名らしい。

おばちゃんがひとりで経営してる小さな店だが、

TV局の取材なども来ているようだ。




   
今回お世話になったオンボロ軽1BOXを返却し、

空港でお土産をいろいろと買って、後は飛行機に

乗るのを待つだけだ・・・。


Ken爺さんが、保安所でライトFIT回収品(虫)を

チェックされるというハプニングもあったが、無事

3人とも飛行機に搭乗する事ができた・・・。




   
今回は、初めての八丈島だったが、Ken爺さんの

案内がなければ下手をしたらNULLだった可能性

すらあった・・・。

Ken爺さん、あらためて有難うございました!!

そして、るどるふ氏もいつもながらのクールで合理

的な姿勢の中にも情熱を秘めた採集、たいへん

お疲れさまでした!

それにしても・・・

今回も「もらいもの」が多い採集旅行だったな〜・・。


それはさておき、八丈島・・・。


再び訪れてみたい場所が、またひとつ増えました。




  
Photo by るどるふ




    
     END 



   
    




   
           
 
THE INSECT HUNTER 2015
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