THE INSECT HUNTER
2013
0810
山梨

THE INSECT HUNTER 2013


葉月、花の散るらん。
  



最近、びおすけが虫採りに行く場所は

なぜか季節の進行が早いような・・・。


山の植物の変化を見て、季節の進行を感じる事が多いですが

例年であればまだ咲いているはずの花がもう散っていたり・・・。

その花に訪花してくる虫を狙っているわけですから

当然、虫も採れないわけです。


異常気象のせいなのか、そういう年周りなのか?

開花のタイミングと虫の発生がずれているのか?

単にその地域だけの現象なのか?


そして、今回も・・・・


今年も昨年のような「良い思い」がしたい一心で、

山梨県某所に向かったわけですが・・・。







   
現地に着いて、早速、超有名な木を見に行きました。

時計を見れば午前9時前。

もうとっくにカミキリが活動してよい時間帯なのですが

ハチとチョウがたまに飛ぶ以外は虫の姿は待てども

見ることができませんでした。

花を掬ってみると、花殻が網の底にパラパラと散って

いるではありませんか。

「まさか・・・ここもか!!?」




  
しばらくすると、待ち合わせていた ぴにぼらさんが

やってきました。 挨拶も早々に状況を確認し合い

別の場所を見に行くことにしました。

移動しながら所々に生えているカラスザンショウの

状態を見ると、やはりもう花が散っているか、または

ごく僅かに咲き残っているという「悲惨な」状態・・・。

かろうじて咲き残った2本を、それぞれ分かれて見る

ことにしました。




   
虫の飛来を待つため準備していると、大きなカミキリ

が飛んできたので色めきましたが、どうも飛び方が変

なので網で落とすとクワカミキリでした。


体色がやや濃い個体で、南西諸島産に似た感じが

ちょっとかっこよかったので採集しておきました。




 
待ち始めてすぐに、狙っていた虫が飛んで来ました。

オオアオカミキリです。手でつまむとほのかな香りが

漂い、この虫を採った実感が湧いてきます。

もう1頭、立て続けに飛んできたものも採集して、これ

は思ったより調子がいいぞ!


・・・と思ったのも束の間。その後は全く飛来がありま

せんでした。



  
オオアオカミキリ
Chloridolum (Chloridolum) thaliodes Bates, 1884


ぴにぼらさんも大好きな本種を主目的に、ここに

来たわけですが、あちらの木でも飛来がほとんど

なく2頭ほどで打ち止めとなったようです。

しかも、採れている個体がどれも小型。

以前採ったものより一回り小さいように感じました。



 
 
納得できない・・・と、言うよりも、この厳しい現実を

認めたくない二人は、悪あがきするためにさらに

移動を重ね、標高を上げたり下げたりして、状態の

良いカラスザンショウを探しました。

しかし、花つきの良い木にはなぜか蜂ばかり・・・。

ぴにぼらさんがオオアオを1頭追加したきりでした。


さすがにあきらめの悪い二人も、ここを後にする事

にしました。 車に乗って移動します。




オオアオカミキリが不発だったので、気分を盛り返す

ため、ぴにぼらさんが案内してくれた場所は、とある

虫の秘密の御神木でした。



時期的に発生は微妙かも?ということでしたが・・・。


到着して、早速御神木を見回ります。




    
しばらく御神木を眺めていましたが、何もいません。


そこに、るどるふ氏から連絡が入りました。


るど 「どう?何か採れた?」

びお 「・・・いや、特に・・・」

るど 「・・・ふふっ・・・(プツッ)」

電話は切れました・・・。


溜息をつき、再び御神木を見上げた、その時・・・




 
御神木表面を、青い虫がのろのろと降りてきます!


ネットに落とそうとしますが、上手くいきません・・・。

一度失敗! しかし、二度目ぴにぼらさんが上手く

キャッチ!! びおすけに譲ってくれました。


それは、びおすけは初めて手にするアオタマムシ!


この後、ぴにぼらさんはさらにもう1頭GETしました。


 

アオタマムシ
Eurythyrea tenuistriata Lewis, 1893


少し赤味の入る色彩の個体でした。

噂には聞いていましたが、実に良いムシです。




   
御神木近くの立ち枯れ上のサルノコシカケ系に

ついていた。


オオモンキゴミムシダマシ
Diaperis niponensis Lewis, 1887


よく見かけるモンキゴミムシダマシと比較すると

大きいし前胸背や鞘翅に幅があるので迫力が

あります。




次にイッシキキモンの生息地に案内してもらいまし

た。 いかにもいそうな環境でしたが・・・桑の葉に

食痕は確認できるものの、虫自体は発見できず。


ここで びおすけは、熱中症になりかけてダウン・・・。

一足先に車に戻り体を冷やす事にしました。


しばらくして ぴにぼらさんも戻って来たので、夜の

採集地に向かって移動する事にしました。




   
一旦、町に出て、水や食料を仕入れた後、今夜の

ナイター現場に移動しました。

そこもぴにぼらさんの秘密の場所です。


ぴにぼらさんの「秘密ポイント」に共通する特徴は、

カーナビなどに表示されない道の先にある事・・・。

地図に表示されていない道を進むので、初めてで

は、まずひとりではたどり着けません・・・。


そして到着。 いい感じに山に面して開けた場所です。




 
道路脇の崖下を覗き込むと、無数の伐採木や粗朶

が積み重なって放置されています。


少々材が古い感じなので、昨年以前なら、カミキリ

採集にはもってこいの状態であった事でしょう。


あまりの暑さで、虫影ひとつ見る事ができません。




  
付近にいくつかこうした場所があり、中にはまだ

「イケル」材も残されています。



ナイターの設営までには時間があるので、材を

拾ってオオシロカミキリの幼虫探しをすることに

しました。


ここで対象となる材はケヤキです。




   
ぴにぼらさんが、オオシロの食痕の特徴について

レクチャーしてくれました。

赤線のように樹皮下に広く浅い空室を作りその端に

侵入孔をあけて材部に入ります。その侵入孔が黄色

の線の部分です(見えにくくてすいません)

なお、空室の端にある木屑はとても細かいです。


こうした材をいくつか確保して一段落。

しかし、まだ時間があるので付近を探索しました。




   
探索の際に見つけたオニグルミの衰弱木。


最初根元にある落枝にクリブラータがいないか

チェックしていたのですが、



ふと、横を見ると・・・




   
オオアオ!!

オオアオカミキリが幹を這いまわっているでは

ないですかっ!!




この御神木で、逃がしたのも含めて5〜6頭の

オオアオカミキリを確認できました。




  
付近には伐採された広葉樹類の丸太も

置かれていましたが、若干古そうです。


さて、何か飛んでくるでしょうか・・・?




   
そうこうするうちに、やっと陽が陰りはじめて

きました。



そろそろナイター設営の時間です。

狙うは、オオシロカミキリです。




  
例によって、びおすけの超簡単白幕・・・。


今回もへなちょこブラックケミカルライトを使用。


オオシロカミキリ、飛んでくるかな〜・・・。




   
あっさりと設営を終えてしまい、時間があるので、

さっきの丸太を見て行くと・・・・


ウスバカミキリが姿をあらわしていました。




  
他には、ゴマフカミキリさま・・・・。


甲虫的にとにかく多いのはキマワリさま・・・。


その他、コキノコゴミムシやヒメツノゴミムシダマシ

などが、ぽつぽつとついていました。




   
先ほどのオニグルミ御神木を見に行くと小型の

クワガタがいました。

びおすけは 初めノコギリクワガタの小歯型かと

思って気にしないでいると


ぴに 「これ、ミヤマですよ!?」

びお 「ええっ!?」





    
チビギネス(確か29mmくらい?)にはとても及びま

せんが、びおすけが今まで見たミヤマの中では、

ダントツのチビ個体でした。



ミヤマクワガタ  ♂
Lucanus maculifemoratus maculifemoratus

体長:36mm




    
一方、ぴにぼらさんの灯火セット。


車から電源をとるケミカルライトの試運転を兼ねた

セットですが、虫の集まりはなかなか良さそうです。


ミヤマクワガタ、コクワガタ、ノコギリクワガタ、カブト、

ゴミムシ類、コメツキ類、クワカミキリ、カタシロゴマ

フカミキリ、ゴミムシダマシ類、カトカラ類など・・・。

かなり集虫力はありそうです。




   
ぴにぼらさんのセットには及びませんが、びおすけ

のへなちょこセットにも、ぼつぼつと虫が集まり出し

ました。

ミヤマクワガタ、コクワガタ、カブトムシ、ゴミムシ類

などの甲虫の他、多数の小さな蛾類がほとんどです

が、カミキリも少ないながら飛んで来ました。


大物としてはクワカミキリ・・・。




    
カタシロゴマフカミキリもよく飛んで来ました。


他にアトジロサビカミキリ、ガロアケシカミキリなど

が来ましたが種類は多くありません。


肝心のオオシロカミキリは影もかたちも見えません。




   
大型の蛾の中には、カトカラも何頭か来ていました。


良さ気なカトカラは、ぴにぼらさんが採集します。


ぴにぼらさんも何気に守備範囲が広いです。




   
意外な事にオオアオカミキリがぴにぼらさんの幕

に飛んで来ました。

灯火に来るのはアカアシオオアオだけかと思って

いました。


この晩、一番の狙いであったオオシロカミキリは

ついに飛んで来ませんでした・・・。

でもまあ、幼虫がいるから・・・。




  
灯火に来た甲虫は他に

ナガヒラタムシ (左)、アシナガオニゾウムシ(右)、

トゲアトキリゴミムシ、モンキゴミムシダマシ、ヒメ

コメツキガタナガクチキ、ヒメツノゴミムシダマシ等。


夜22時を過ぎた頃、頃あいを見て撤収し、解散。

それぞれ帰路につきました。


ぴにぼらさん、一日案内していただきありがとう

ございました。
         




    
一日を通して感じたのは、やはり季節の進行が・・・

というよりも、開花と虫の発生が全体に早まってるの

かな?ということでした。

ですから、山梨県内の他の場所でもそうでしたが、

例年なら採れるはずの虫が、もう発生末期かあるい

は発生終了したような、そんな感じを受けました。


ここ数年、毎年のように「今年は季節感が変」という

のが口癖のようになっていますが、今年は特に夏の

後半戦、開花と虫の発生がずれていた気がします。


これから秋の採集に向けて、虫の発生がどうなって

いくのか? 

たいへん気になるところです・・・。
▲ この日の収穫の一部




  
END




   
           
 
THE INSECT HUNTER 2013
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