THE INSECT HUNTER
2012
0109
千葉

THE INSECT HUNTER 2012


年初め。まずはオサ掘る。
  




今年初めの採集記は、書き出しが本当に難しい。


類を見ない激動の年となってしまった昨年を振り返ると、正直、書き出しの言葉が見つからない。

例年のようにおめでた気分に任せた、おちゃらけモードでスタートするのは非常に困難だ。


しかし、新年を迎えた今、気持ちも新たにスタート・・・いや、リスタートする事は

例年にも増して、「あえて」しなくてはならない事のようにも感じる。


しかるに今年は、できるだけ明るくユニークな内容の採集記を心がけていきたいと思う。


今年の日本の大きなテーマは 【復・興】 だと感じるが、

本採集記のローカルテーマは 【福・甲(虫)】 としたい。



・・・・・というわけで、


今年最初の採集は、自分自身のリスタートという意味も込めて、

未だ成されていない目標を再度狙ってみることにした。


それは、あの難攻不落の黒虫・・・・「ボウソウマイマイ」である。


この虫は実は冬季のオサ掘りよりも、夏季のPTの方が、採集の効率・確率が高いと聞く。

しかし、夏季はどうしても他地域のカミキリ採集に時間を費やしてしまう上、

ヒル・マムシ・ヤブカといった「害敵」との戦いも生じてくるため、現実的には非常に困難。

やはり、この時期にチャレンジするしかないのだ。

(これを一般に 「ヘタレ」 と言う・・・)


今回は、チャレンジ月間(!?)と言う事で、まだ行った事の無い場所をあえて選定し、出撃することにした・・・


  





   
・・・てっ、いきなり出たのかッ!?



・・・と驚くなかれ。

これは昨年暮れに採集した富士山系のヒメマイマイ

カブリである。


今回の採集に当たって、行く前にとりあえずイメージ

トレーニングしておこうかと思って・・・。


え?・・・余計なことするなって・・・?!

それはどうも、失礼しました・・・。




  
さて、本番である。

今日は、うちの相棒も連れてきているので、千葉に

上陸する前に「海ほたる」でひと休み。

奥さんを連れてボウソウマイマイ採るつもりとは・・・

そんな悠長な・・・と言うなかれ。

むしろ逆で、わざわざ連れて出たからには、いいとこ

見せないといけないので、むしろプレッシャーなので

ある。 しかし、万が一の時を考えてご機嫌をとって

おく必要があるので、所々観光スポットに立ち寄る事

も必要なのである。あまり言いたくは無いが、万が一

とは、もちろん、NULLの事である・・・。




 
「海ほたる」で朝食後、ゆるゆると千葉に上陸。

最南端目指してゆるゆると車を走らせる。


さらに途中、道の駅に寄って、名物など食す。


朝食の直後に買い食いして、どんだけ食えば気が

済むのか!?と自問しつつ、さらにゆるゆると移動。


それにしても、名物「さんが焼き」はとても美味いの

でおすすめ・・・。



  
 
家を出発してから、ゆるゆると4時間かけて、やっと

目的地に到着した。


想像していたよりも雰囲気の良い林ながら、乾燥が

進んでおり、優良物件な朽木や崖はなかなか見当

たらない。大体、最初に「乾燥」という言葉が出てし

まうと、獲物は採れず、NULLな場合が多いので、

大変言いたくはないのだが、本当に「乾燥」している

のだから仕方がない。



 
 
朽木はあるにはあるが「カッチカチ」か「パッサパサ」

ばかりで、「ほっこり・・・」や「サクっ!」っとしたのが

ないので、無駄な体力を使いたくはないのだが、他

に良い物件が見当たらないので、仕方なくナタを入

れる。  しかし、当然ながら出てくるのは、ムカデ・

ダンゴムシ・カマドウマ・ハサミムシばかりで、甲虫

の姿は、全くない。




倒木を崩しはじめてしばらくした時に、ひょっこりと

今日初めての甲虫が。

しかし、コクワには興味が無いので埋め戻す。


地面に横たわる倒木はいくらか湿度が保たれて

いるようだが、それにしてもマイマイはおろか、他

のオサムシも見つからない・・・・。 それどころか

ゴミムシ類すらひとつも出ないとは、どういった訳

なのか?と問い詰めたい。




 
今度は遊歩道沿いの崖を崩してみるが、相変わら

ず乾燥しているせいか、ゴミムシすら出てこない。


しばらくしてやっと甲虫の「尻」が見えた!


大きいのでもしやと思ったが、何のことない、スジ

アオゴミムシであった。 これだけやってスジアオ

しか出ないと思うと、かなりテンションが下がる。


 

がっくりと肩を落として、先を行くと、いきなり切り開

かれた場所に出た。

伐採した木が積まれており、オサよりもむしろ夏場

のカミキリが良さそうに思えた。

数個の優良物件の朽木があったが、いざ崩してみ

ると、ダンゴムシ以外何も出てこないありさまで、

こんな優良物件がもし、マイマイ多産地にあろうも

のなら、それこそ二桁は固い!と思わせる物件で

すらこんな成果とは!?

もはや、ここにはボウソウマイマイはおらんだろうと

思わざるを得ない。




とりあえず、スギカミキリはいるみたいである・・・。


というわけで、ここは潔くあきらめて、読者の期待を

裏切りながら(いや、期待通りか!?)、この場所を

退散するのであった。


やはり、ボウソウマイマイは難しい、厳しい!と我が

相棒に訴えながら、あたかも自分の腕のせいでは

なく、この場所が悪いんだと言わんばかりに言い訳

をしつつ、別の千葉特産亜種オサムシを求めて、

ゆるゆると移動するのであった。




   
相棒にあえて我が腕の貧弱さを見せつけたところで、

次の千葉特産亜種オサムシを難なくGETして見せ、

意外な展開で汚名を挽回しようという作戦?である。


さて、目的のオサムシとは言うまでもなく、ルイスの

亜種、アワカズサオサムシなのであるが、実はその

場所では過去にGETした経験があり、まず鉄板に

採れるであろうという、マイポイントなのだ。

こうなってくると初心はどこへやら?という展開だが

ボウソウマイマイに失敗した以上、つべこべ言って

いる場合ではないのである。




 
しかし、現地に着いて、見て、驚いた。

以前は四輪駆動車が通れるくらいの砂利道であった

はず (現にカーナビでは今もしっかりと表示されて

いる)なのに、今や草ボーボー状態で、すでに道とい

う体を成してはおらず、むしろ「草地」へと変貌した、

恐ろしい光景を目の当たりにした。


しかし、ここまで来たからには、引き返すわけにもい

かず、全身にエノコログサをひっ付けながら、相棒と

二人で、背丈ほどの雑草をかき分けながら、道なき

道を進むのであった。




  
ここの崖はやはり「乾燥」しているのだが、それでも

狙い目はある。

それすなわち、草の根元である。 もはやセオリー

であるが、そのセオリー通りクワを一発ぶちかます。


その一発で、いとも簡単にアワカズサが姿を現した!

「キタッ!」




   
最初の個体の、すぐ近くにもうひとつ別の個体が

いたのに気付かず、土を崩してしまったため、下

に落ちてしまった。こうなるともう見つからない・・・


と思ったら、相棒が

「そこにいる!」

というので、見たら腹を見せてひっくり返っていた。


うちの相棒はどうやら目はとても良いらしい・・・。

おかげさまで1頭追加できた。




  
アワカズサオサムシ

Carabus lewisianus awakazusanus
Ishikawa, 1981

左:♂   右:♀




   
相棒が、自分にも掘らせろというので、手鍬を貸す。

植物の根元を攻めろという びおすけの指示通りに

やるが、一向に出てくる気配がない。


うちの相棒はどうやらオサ掘りが下手らしい・・・。

しかし、他人に

「うちの嫁さん、オサ掘り上手いんだぜっ!」と

言ったところで、あまり自慢にはなりそうもないので

特に問題はなさそうだ。




   
相棒から手鍬を奪い返し、びおすけが掘るとちゃん

と出てくるのだ。

その後、いくつか追加してから、ゆるゆると帰宅する

ことにした。

本当はアカオサなども掘りたかったのだが、相棒が

すでに飽きてしまって文句を言いそうなので、今回

はあきらめることにした。


このように状況に応じた対応も、時には必要なので

ある(一般には、奥さんに主導権を握られている・・・

と言うらしい・・・)。




   
全身にこびり付いたエノコログサを、二人で取り

ながら、再度ボウソウマイマイにチャレンジする

事を誓い合うのであった。



今年第一弾としては、まあ、このような結果だった

が、最初がこのような状況なので、これからは

上向き景気になるに違いない (・・・と思う)。




   
帰りにこれまた別の「道の駅」で食べたカレーそばが

これまたスパイシーで美味かったので、本筋と関係

ないけれど、たいへん満足した一日であった。




   




   




   
            END
 
THE INSECT HUNTER 2012
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