THE INSECT HUNTER
2010
0717
山梨

THE INSECT HUNTER 2010

   
梅雨明けに、ブラック・フォルモサ(♂)る
  

  



本日から世の中三連休で、しかも本日梅雨明けしちゃったらしい。

梅雨明け・・・。

真夏の到来を告げる言葉だ。



こうなるとこの休み中は、行楽地は人出が多そうだから、

できればあまり遠出はしないで、家でごろごろしていたいが・・・。

しかし、虫屋の場合、この時期行かないと採れない虫も多いから

結局、渋滞承知でお出かけしちゃうのだ・・・。

・・・・・

と、言うわけで・・・


本日の目標は 「フォルモサ=トガリバネキ」。

昨年、ぷよんぷよん星人さんに教わった場所に再びおもむく。

テーマは 「黒い♂をGET!!」。



トガリバネキは、黄色いタイプと黒いタイプがあるらしく、そういった

色のバリエーションがある虫は、やはり比較して見てみたいものだ。


昨年は黄色いのしか見てないので、

今回は、ぜひ黒い個体 「ブラック・フォルモサ」 を拝んでみたい・・・。



   


  

   
さて、毎度の うめちゃんを助手席に「装備」して、

びおすけ号は目的地を目指して順調に走る・・・

と言いたいところだが、八王子ICあたりからすで

に交通集中による渋滞が起きており、さすがは

連休初日・・・という状況であった。


さすがに相模湖を過ぎたあたりから車の流れは

良くなってきた。


ちょっと落ちついたところで・・・

やはり朝食を食べないとネ?




  
シャカリキラーメン (釈迦堂PA 下り)


おそらく、「釈迦」堂の「シャカ」にかけてると思うのだ

が、京都や東京にある「しゃかりき」というラーメン店

との関係は不明である。それはともかく、これは・・・

うまいっ!スープはうま辛味噌味に甘みのあるテン

メンジャンをブレンドしたもので、これにパルメザンチ

ーズと炒め豚肉がのっかっている。白いご飯と一緒

に食べたらたまらんだろうと思わせる。クセになりそ

うな、夏向けスタミナ満点B級グルメの逸品だ。

アニメ「天体戦士サンレッド」のメダリオ風に言うと、

         「レベル高けぇ〜!!」




   
さて、スタミナもついたところで、車をすっ飛ばして

早々に現地に到着した。



目的地ちょっと手前に古い土場があったので少し

チェックする。

だいぶ乾燥した古い材なので虫はあまり来ていな

い感じがするが・・・。




うめちゃんが、呼んでいる。何かいたようだ・・・。




   
ルリボシカミキリ
Rosalia (Rosalia) batesi Harold,1877


普通種と言えども、変わらぬ存在感はさすが。




   
アカハナカミキリ
Corymbia succedanea (Lewis,1879)


梅雨明け・・・アカハナ・・・夏本番を告げる使者。




   
うめちゃんが何か発見したらしい。


土場の脇のブッシュにはスイカズラがあったが、

そこにはシラハタリンゴカミキリの食痕がしっかり

と刻みつけられていた。


しかし、すでに時期を過ぎているので成虫の姿は

見ることはできなかった。




   
そのブッシュを叩くとビロウドカミキリが落ちてきた。


これはそのままリリース・・・。


やはり、たいした虫はいそうもないので、このへんで

土場探索を切り上げた。




     
さて、目的地に着いた。


車をとめてトガリバネキのいるエリアへと向かう。

もうこのあたりからすでにトガリバネキのホスト

であるサワフタギが確認できる。


しかし、さらに奥へ・・・奥へと進む。




   
明るい草地を横目に見ながら、暗い林内に入る。




   
林内には昨年と変わらずに同じ立ち枯れが・・・。


かなり細いが、これが私の御神木・・・。

これと同じクラスの立ち枯れが何本か点在する。


今回もお世話になります・・・。


これらの立ち枯れを人工衛星のようにぐるぐると

見回りながら徘徊するのだが・・・

これが思いのほか、けっこう疲れる・・・。



さて、時間はまだ早いが林の中を少し見て回ろう。

状況を確認しておかないとね・・・。




   
オオゴマダラコクヌスト
Leperina tibialis Reitter,1889



サワフタギの樹皮と見事に溶けあった体色だ。

動いていないと樹皮の一部と見間違ってしまう。




   
テントウダマシの1種
Endomychinae sp.



たぶんルリテントウダマシだと思うが、手にとって

見ていないのではっきりとわからない。




   
コメツキムシの1種
Denticollinae sp.



フトヒラタコメツキ系かと思うのだが、これまた

よくわからない・・・。




   
クチカクシゾウムシの1種
Cryptorhynchinae



シラカンバの倒木上で交尾していたゾウムシ。

オオクチカクシゾウムシか?


他にアタマクチカクシゾウムシも見られた。



雑甲虫はすでに活動を始めているようだ・・・。




   
周辺の探索をしているうちに、暗い林内に日が射し

はじめた。


今日は今朝からやたらと蒸し暑いので、採集には

最適の日になるかもしれない・・・。




   
林床近くを低く飛んでいる虫がいたので。ネットで

掬って確認すると


ヌバタマハナカミキリ
Judolidia bangi (Pic,1902)

であった。久々の採集である。


そろそろ、カミキリムシも活動する時間帯か・・・。




   
それでは、そろそろ見回りを強化しなければ・・・



こんな根元とか・・・




   
そんな根元とか・・・




   
あんな根元とか・・・


あ?・・・アシナガバチが動き回ってる・・・?


・・・って!違う! 今年はもうだまされない!




   
よっしゃ!早速見つけた!

トガリバホソコバネカミキリ
Necydalis (Eonecydalis) formosana niimurai
Hayashi,1949



みんなが大好き、ネキダリス。その中でも特に蜂に

似ていると思う・・・。特に横から見ると完全に「蜂」。


それはさておき、これは黄色タイプだな〜・・・。



ん?隣の立ち枯れにも蜂が来ているようだけど・・・




   
ひざ丈くらいの幹を動き回っている蜂?をしばらく

見て観察していたが、どう見ても黒いヒメバチ類に

しか見えない。

「う〜〜ん・・・違うよな〜?蜂だよな〜?」

でも念には念を入れて一応ネットで掬ってみよう。

違ってたら、逃がせばいいんだし・・・。

で、ネットの中で飛び回っているその黒い蜂を見て

いるとどう見てもヒメバチなんだが、触角の感じが

ちょっと気になって、思い切ってつまんでみた・・・。


「ええ〜〜!!? これやっぱりトガリバネキ!?」




   
こうして捕まえて大人しくさせると、どうにかカミキリ

だとわかるのだが、飛んでる姿や幹を徘徊している

時の姿は、それはもうどう見ても・・・

「蜂」にしか見えない! て言うか、蜂そのものだ!

恐るべし 「ブラック・フォルモサ」!!


あまりの擬態の凄まじさに背筋が少し寒くなった。


「これじゃ〜、オレ今までに何度か見過ごして採り

逃がしてるかもしれないな〜・・・。 はは・・・ ; 」




   
うめちゃんに、トガリバネキが出始めた事を伝えて、

採集品を見せ、採集状況を説明した。


「要は、立ち枯れの下の方で動き回ってる蜂を見つ

ればいいんだよ〜(爆 」


うめちゃんは、むしろ立ち枯れがサワフタギかどうか

の判断に苦労しているようであった。


確かに、びおすけでもサワフタギかどうか迷うような

立ち枯れが多いものな〜・・・。




   
しかし、そのような心配も無用であった。


その直後に、うめちゃんが採集した特大の♀個体。

びおすけの太い指先にも負けない体の太さである。


黄色いトガリバネキはアシナガバチっぽいよな〜と

思っていたが、もはやスズメバチくらいの迫力だ。



よ〜し!負けてはいられないぞっ!




   
びおすけは、立ち枯れの見回りをさらに強化した。

ぐるぐるぐるぐる回って、目もまわりそうだ・・・@@


しばらくすると、例の黒いヒメバチ?がひょっこりと

姿を現した。


う〜〜ん・・・これは・・・??




   
おい! こらちょっと、ちょろちょろするな!


蜂だか、トガリバネキだか、わからないジャマイカ!




   
「蜂じゃない・・・蜂じゃない・・・蜂じゃない・・・」



呪文をとなえながら、刺されるのを覚悟しつつ

イチかバチかで、素手で確保!


(ちなみに驚かせて飛び立ったところをネットで

掬うという安全な方法もあります・・・)




   
ドキドキしながら確認すると・・・


はぁ〜!よかった〜!ブラック・フォルモサや〜w




   
さらに続けて、もう1頭。


今度は若干、黄色が入った中間タイプであった。

こういう色彩の変化が面白さのひとつである。




一方、うめちゃんもその後1ペアを追加できた。




    
びおすけが採集できたのは全て♂であったが、

これらを並べてみると、その体色によって体長や

体格が違う事がわかる。


黄色タイプ>中間色タイプ>黒色タイプ となる。



図鑑には色が黒いほど体が小さくなる傾向にある

と書いてあったが、まさにその通りであった。




   
うめちゃんが1ペアを見つけたサワフタギは立枯れ

ではなく、幹にまだ生きた枝葉がついている、衰弱

した立木であった。


また、一見立ち枯れだが根元からひこばえが生え

ている立木にも♀が飛来している。


もちろん、完全な立ち枯れにも来るが、それ以外の

状態であってもいる可能性がある。





 
とりあえず、目的のブラック・フォルモサを見つける

事ができたので、一旦森を出て、林道沿いにある

クリやノリウツギの花を掬ってみることにした。




 
ノリウツギは、集落近くではフタスジハナが集まって

いるなどすでに開花の状態だが、森の付近はまだ

開花していない株が多く見受けられた。


また、クリはすでに開花しており、すでに開花末期

の木もあるが、多くはまだちょうど良い状態である。


そのうちの1本を掬ってみた。




   
キベリクロヒメハナカミキリ
Pidonia (Pidonia) discoidalis Pic,1901



触角が片方取れてしまっている。もう古い個体だ。




   
クリの花を掬った時に落下した

オオヒメハナカミキリ
Pidonia (Pidonia) grallatrix (Bates,1884)


ピドニアは他にチャイロヒメハナがいたが、この

3種類しか見られなかった。




    
やや終わりかけの古い花を掬ったら、ヒナルリハナ

サイズの赤いカミキリがネットに入った。


上翅の青いタイプしか見た事がなく、また初夏の虫

というイメージがあったので一瞬種類が判別できな

かった。


以前は青いタイプとは別種扱いだったのが、同一種

として分類されるようになったカミキリだ。


青いタイプと比較して、ずいぶんと小型に感じる。




   
クビアカハナカミキリ
Gaurotes (Carilia) atripennis Matsushita,1933




    
こうして今回も目的を達成する事ができたので、

帰路が渋滞する前に早めに引き上げる事にした。



深い緑の山の上には、まぶしい青空と白い雲・・・。

すっかり夏の空だな〜と思っていたら、ラジオ放送

で梅雨明け宣言がされていた・・・。



さあ! いよいよ、夏本番だ!




   
え〜、桃のおいしい季節です・・・。


今回は桃の産地だったので、帰りに直売所に立ち

寄って、桃を買った。うめちゃんは「桃マニア」なの

で桃にはうるさいが、どうやらお眼鏡にかなったら

しい・・・。

お店の人が、買う前にとにかくひとつ食べてみて、と

まるまる1個くれた w 完熟したジューシーな甘さ!

1個100円で10個買ったら、3個おまけにくれたw

桃でおなかいっぱい。


なんだかモモチョッキリになった気分になった・・・。




   
END
     


  




   
 
THE INSECT HUNTER 2010
inserted by FC2 system