THE INSECT HUNTER
2010
0715
山梨・神奈川

THE INSECT HUNTER 2010

   
チャイロヒメコブの森と ヒメビロヶ原
  

  

ヒマでしょうがなく、鼻くそをほじっていた びおすけの元に、

一足先に連休を楽しんでいる eichan からメールが来た。


「チャイロヒメコブハナカミキリ GET!」


な・・・なぬ〜〜!?



早速、山で採集を楽しんでる真最中の eichan の携帯に迷惑顧みず

TELして聞いてみれば、我々が以前から目をつけていた

「カツラ」の木にいたという。



「あああ!やっぱり、あそこにいたんだ!」



聞いてしまったら、もはや居ても立ってもいられない!!


ちょうど次の日に うめちゃんと ヒメビロウドカミキリを採りに行く予定

だったのだが、急きょ予定を組み直してWキャストで出撃する事にした。


ちなみにチャイロヒメコブとヒメビロウド、両方とも びおすけは

未採集なので、採れれば 「初物」 なのだ!

垂えんのWキャストなるか・・・??

・・・ハァハァ・・・




・・・んで、翌日・・・



   


  

   
まずは、はやる気持ちを抑えるために「朝ラー」を。



海老名とんこつラーメン (海老名SA 下り)



豚骨の臭みは全く感じさせない大人しいスープは

博多系や久留米系とはかけ離れた「東京系」。

しかし味はスナック系を思わせるストレートなもので

深みも全く感じさせないあたりはB級グルメっぽい。

「海老名」というネーミングがついているが、どこら

へんが「海老名」なのかは不明・・・。




  
というわけで、とりあえず腹ごしらえができたので、

目的地に向かって一目散。


しかし、途中で予想通りではあるが、雨が降り始め

てしまった。強く降ったり止んだりと安定していない

が、採集している時に止んでてくれればそれでよい。


時に東富士五湖道路も無料化社会実験区間となり

たいへん利用しやすくなった。

この道路、基本料金が高すぎると思う・・・。




   
そしてさっくりと、現地に到着した・・・。



雨は小休止しているが、今まで降り続いていたため

林内はかなり湿度が高い状態だ。


この奥にそのカツラの木があるのだ。


さあ・・・!

いよいよチャイロヒメコブとご対面なるのか!?




   
この場所では、カツラの大木が5本確認できる。

そのうちの1本で eichan は2♂♂をGETしたらしい。


ピンポイントで場所は聞いているので、うめちゃん

には別の木を見に行ってもらい(W 、その間に

びおすけはそこをチェックし、難なくGETする・・・と

いう筋書きなのだが・・・。


いない・・・。いないなぁ〜・・・。

ちょっとまだ時間が早いのかな〜?まだ8時だから

ねぇ〜。これから気温も上がってくるだろうから、そ

したら難なく採れるだろう・・・と考えていたところへ、

別の木を見ていた うめちゃんが近づいて来た。


うめ 「ねぇ〜、これそうじゃないのかね〜?」

びお 「え?!もう採れたの?まだ始めたばっかり
     なのに?」

うめ 「1頭はピドだと思うけど、もう1頭はヒメコブ
     じゃないかな〜?」

びお 「どれどれ・・・(半信半疑)」




   
びお 「がちょ〜〜ん!!」


うめ 「右のヤツ・・・。これそうでしょ?」

びお 「へい・・・。間違いごぜぇ〜やせん・・・。
     チャイロヒメコブの♂でさぁ・・・だんな」


またしても、うめちゃんに出し抜かれてしまった!

この男、早速採りおったよ・・・。むむむ・・・。


うめ 「・・・これいらないから、あげるよ」

びお 「え?ま・・・まじですか? あああ、神様・・・」


うめちゃんがカミキリ屋じゃなかった事に感謝・・・。




   
というわけで、あっさりとチャイロヒメコブをGET??

した びおすけは、うめちゃんが採った木の場所と

採れた状況を教えてもらった。

それにしても、チャイロヒメコブ♂ってオオヒメハナと

変わらないサイズなんだな・・・。体型も似た感じだし

これじゃ〜、ピドニアと間違えても不思議じゃない。


うめ 「この下の苔のところから飛ぼうとしたところを
     採ったんだよ」

びお 「ははぁ〜・・・」

うめ 「オオヒメハナもこの木めがけて飛んできた」

びお 「ほほぉ〜・・・」


ちょうど雨が上がり、日が射し込んできた。

日当たりが良すぎる気もするが、とりあえずこの

「御神木」の前でしばらく粘ってみる事にした。




   
しかし、一向に虫が来る気配が無いので、他の木を

1本ずつ見回る事にした。

雨はまだ降ったりやんだりを繰り返している。


1本目・・・2本目・・・3本目・・・4本目・・・。


どれも日当たりの悪い場所にある大木だが、ピドニ

アはおろか、カミキリムシがいる気配が全く無い。


「これらの木にいなけりゃ、一体どこにいるんだ?」



一方、うめちゃんはカツラの見回りに飽きたらしく、

竿を持ってどこかに行ってしまった。



「さて、どうしたもんかな〜?」




     
たまに葉に止まっているジョウカイボン・・・。

見つけると「ハッ!?」としてとても心臓に悪い。



・・・結局、また実績のある「御神木」に戻る事にした。




   
「御神木」の元に戻ってきた・・・。


雨はようやく上がってきたようだ。

さきほどよりもさらに日当たりが良くなっている。


チャイロヒメコブハナは、一般的に日当たりの悪い

暗い場所にいると聞いていたので、ここにある 5本

のカツラのうちでは一番条件の悪い木だと言える。


しかし、実際にここで♂が採れてるから・・・。

それともただの偶然だったのだろうか??



とりあえず、定石通り、低い部分を見ながら周囲を

ぐるぐると見て回っていた・・・。



そこへ小さな茶色い虫が飛んできた!



「はっ!?」


慌ててその虫を確保しようと顔を近づけたが・・・




   
「・・・なんだ・・・オオヒメハナかYO! ケッ・・・!」


   
  
 
気づくと、小さくて茶色いカミキリが次から次へと

飛んできては、御神木の根元あたりに不時着する。


「なんだ、なんだ?」


しかし、どれもこれもすべてオオヒメハナであった。


「うう・・・まぎらわしいなぁ〜!ちくしょう!」




   
そんな事を何度か繰り返し、少しイライラしてきた。


ふと、根際に動くモノの気配を感じ、そこに視線を

やると、オオヒメハナよりも若干大きい茶色いモノ

が小走りしていた。

一瞬、どうせピドニアか?と思ったが、体格が違う。


「こ・・・こりゃ、ピドニアじゃないYO!?」


茶色い虫は思いのほか動きが早く、小走りに逃げ

ようとするので、写真を撮っているヒマはない!

慌てて手づかみで確保した!




   
「キ・・・キターーーー!!」



          ♀やぁ〜・・・。




   

チャイロヒメコブハナカミキリ
Pseudosieversia japonica (Ohbayashi,1937)




   
えと・・・、こんな感じで苔の上を走ってました・・・


(再現シーン・・・)




   
で、相変わらず次から次へと飛来するオオヒメハナ。


他の種類のピドニアは全く来ず、全てオオヒメハナで

ある。これはカツラとオオヒメハナは深い関係(?)に

あると考えてよいのか??


しかし普通種でわりとどこでも見られるオオヒメハナ

にそれほどの「こだわり」があるとは思えないので、

たぶん、樹種よりも根際の大きさとか、材質とか、苔

の付着具合等が大きく関与しているのかもしれない。




   
苔の中に頭を突っ込むオオヒメハナカミキリ・・・




   
その時、ちょうど びおすけの頭上に突き出た枝に

茶色い虫がいずこより飛んできたのが見えた。


「このあたりに止まったはず・・・」


高さ2.5mくらいの位置にある枝葉を掬ってみた。




   
再び・・・

「キ・・・キターーーー!!」




下手したらオオヒメハナ、上手くいってもチャイロヒメ

コブの♂かと思ったが、まさか♀をネットインできる

とは・・・。


日当たりが妙に良い場所でも、何らかの条件次第で

ちゃんと来るもんなんだなぁ〜・・・。




   
そこへちょうど うめちゃんが戻ってきた。


うめ 「どう?」

びお 「おかげさまで♀2つ採れちゃった!」

うめ 「お〜よかったじゃない」

びお 「君からもらった♂があるから一応ペアGET」

うめ 「ところで、あっちでこんなカミキリが採れたよ」

びお 「ん?どれどれ」


うめちゃんの毒ビンを見ると、良さげなカミキリが

いくつも入っていた。

びお 「おお〜!どこで採れた?」

うめ 「あっち・・・」


チャイロヒメコブは一応終了して、今度は花掬いの

ポイントに向かう事にした。




   




  
チャイロヒメコブの森から歩いてすぐの場所だが、

こんな場所があるのに気付かなかった。


雨は小康状態を保っている・・・。

花を掬うなら、今がチャンス!





   
ミヤマイボタ (モクセイ科)
Ligustrum tschonoskii Decne.


一見常緑のネズミモチなどに似た感じだが、落葉樹

なので葉が薄い感じがする。低地ではオオバイボタ

があり、これもハナカミキリ類には大人気の樹種だ

が、このミヤマイボタもかなり集虫力があるようだ。


このミヤマイボタが何株もある場所で、花掬いには

もってこいのエリアであった。




   
では、早速 びおすけも・・・


最初にネットインしたのは


アオアシナガハナムグリ
Gnorimus subopacus viridiopacus (Lewis,1887)


けして珍しい種類ではないが、びおすけとはなぜか

縁が無く、十年以上前に群馬で採って以来である。

上手い具合に1ペアGETできた。




   
ミヤマイボタは何本もあり、それぞれに虫が集まって

いるのだが、びおすけのネットにはなぜかあまり良い

虫が入らない・・・。

せいぜいヘリグロベニくらいのものである・・・。




一方、うめちゃんはなかなか良い虫をGETしている。

そう、例えば・・・




   
フタコブルリハナカミキリ
Stenocorus coeruleipennis (Bates,1873)



上翅と前胸の色彩はやや「黒ステ」の雰囲気がある

ものの、まだこの程度では普通のステノコだ。



本種の事を「アオジョウカイモドキ」と呼び、避けて

きた うめちゃんも、やっとステノコの良さに気付き

始めたようだが、時すでに遅く、びおすけに巻き上

げられるのであった・・・。




   
ヒメヨツスジハナカミキリ
Leptura kusamai Ohbayashi et Nakane,1955


これも うめちゃん採集・・・。


最初採集した頃は、ヨツスジの小型個体か本種か

おおいに迷ったものだが、びおすけもやっとパッと

見て区別がつくようになってきた・・・。

これもひとえに皆様の叱咤激励のおかげです。

・・・て言うか、この時期で、もう出てるんだ・・・。


この他にもルリハナカミキリ、ヒゲジロハナカミキリ

などを採っていたが、全て びおすけに巻き上げら

れたのであった・・・。




   
この後、別のカミキリをちょこっと探してみたが、全く

かすりもせずに終わった・・・。


さて、では予定通り、この後はヒメビロウドを探しに

行こう・・・。




   
でも、ちょっとその前に(爆・・・


途中の「いつもの」土場に寄ってみた。

ま〜、たいした種類はいないと思うけど・・・。




   
トビイロカミキリ
Allotraeus (Allotraeus) sphaerioninus Bates,1877


雨のしずくに濡れている・・・




   
ゴマダラモモブトカミキリ
Leiopus stillatus (Bates,1884)




    
チャボヒゲナガカミキリ
Xenicotela pardalina (Bates,1884)




   
ナカジロサビカミキリ
Pterolophia (Ale) jugosa jugosa (Bates,1873)


♂と♀が、なぜかバトルをしていたw

夫婦喧嘩??





 
この場所で唯一、大運動会を開いていたのが

ホタルカミキリ
Dere thoracica White,1855


この他、ゴマフ、アトモンサビ、ヒメヒゲナガなどが

見られ、うめちゃんは大好きなヨツキボシが採れた

のでたいへん喜んでいた・・・。




 
雨もすっかり上がった!!


それではこのへんで切り上げて、いよいよ本当に

ヒメビロウドを探しに出発!




   





 
さて、しばらくドライブして目的地にやってきた。

早速、探索準備をして現地に乗り込む。


周囲は厚い雲に覆われているが、雨は降ってい

ない。時おり日も差す天気だ。

ただ、吹きっさらしなので、強風が止む事がない。

一面に広がっているススキの原がまるで波のように

うねっている。


こんな状態で虫は探せるのだろうか・・・。




   
さて、探し始めて5分・・・。



ススキの影になって、そこだけ風が穏やかな場所

にアザミがあった。

そして、その上にかぶさったススキの葉先を見ると

なにかがぶら下がってるのが見えた。


ああ、飛びそうだ・・・!!


反射的に思わず手が出てしまい、むんずと掴んだ

その手を、少しずつ開いて・・・中を確認した。




    
はっ!? これはまさしく・・・?




   
「キ・・・キターーー!!」




    
アサカミキリ
Thyestilla gebleri (Faldermann,1835)



久々に見たが、やはり良い虫だ・・・。

ただ、自分が見慣れたアサカミキリとは幾分印象

が異なって見えた。


某牧場の有名産地の個体は、コロコロと丸い感じ

で、太短い体型と体の厚みがある個体が多いが、

このアサは体が細長く、やや扁平な感じがする。

♂だから特にそのように見えるのだろうか?




   
うめちゃんにアサが採れた事を告げ、こりゃ幸先

いいや、と今度はオトコヨモギを見ようとした時、

目の前を何かが飛んで横切った。


そして、さっきと同じくススキの葉先に止まった。


ああ!落ちるぅ〜〜!!


またもや咄嗟に手が出てしまい、むんずと掴んだ

手のひらを、少しずつ開いて・・・確認した。




   
2頭目のアサカミキリだ!立て続けだ!


1頭目よりも小さく、さらに細めのスリム体型をした

個体である。


ここでアサカミキリが2頭も採れるなんて!!

びおすけ、今日は出来すぎだぞ!?


2頭ともこの場所の強風に耐えきれずにすっ飛んで

しまった・・・という感じだった。


まさに偶然の採集である。




   
2頭目のアサカミキリを採ったススキの下のオトコ

ヨモギを見てみた。外観からは食害されたような

気配は全く感じないが・・・。


草をかき分けて、根もとの近くにある枯葉をチェック

すると、不自然な「2本ヒゲ」が飛び出て見えた!!


「これかっ!?」

はやる気持ちを抑えて写真を撮ったが、やはりブレ

ブレになってしまった・・・。手が震えてるし・・・。


もういいや!!ええい!採ってしまえ!!




   
「ど・・・どうも、はじめまして・・・」




   
ヒメビロウドカミキリ
Acalolepta degener (Bates,1873)



アサ、ヒメビロウドと立て続けに採れるなんて・・・。

もはや「キターーー!!」の声も出ない。

虫の神様・・・ありがとうございます・・・。



やはりススキの影に隠れた、風当たりの弱い場所

のオトコヨモギに見られたわけだが・・・。

あれだけ根っこ近くの奥深くにいるんだから、風も

何も関係ないんじゃないかとも思える。




   
うめちゃんにヒメビロも採れた事を告げて、採れた

状況を話した。

うめちゃんはすでに他産地でヒメビロウドを採って

いるが、どうもそこらとは採り方が違うらしい・・・。


勝手が違うためか、うめちゃんはヒメビロもアサも

発見できずにいた。




   
通常、ヒメビロウドに食害されたオトコヨモギは、

葉茎の先端が茶色く枯れてうなだれてしまうので、

それを目印に探す事が可能だが、ここの場合は

オトコヨモギ自体の外見は普通と変わりなく、株の

内側の枯葉に潜むので、たいへん採り辛いようだ。


びおすけは用意していた懐中電灯で根もとを照らし

ながら探したが、こうでもしないと暗くて小さな虫は

見過ごしてしまう可能性が高い。




  
その甲斐あって、びおすけはその後ヒメビロウドを

さらに1頭・・・


普通に風が当たる場所のしょぼいオトコヨモギに

ついていたが、やはり根っこ近くの枯葉にいた。




   
さらに、もう1頭・・・追加する事ができた・・・。


今日は本当に出来すぎである・・・。


それにしても小型個体の♂ばかり。 しかもまだ

割と新鮮な個体だ。


かなり小型の個体なので、恐らく発生したてだろう

というのが うめちゃんの見解である。それで、まだ

オトコヨモギも食害される前の段階なので、枯葉が

見当たらないのだろう・・・という事らしい。




   
今年に入ってから惨敗続きであった びおすけだが

久々に目標を達成する事ができた。

ツジウス、イエローカタキハナ、アラメハナ、etc・・・。

あれらの惨敗から思えば、長い道のりであった(w



今回もお付き合いいただいた うめちゃんと、情報を

いただいた方々に感謝します。


どうもありがとうございました。




   





  
で・・・、本日は祝勝のためチャーシュー丼付きだ!


相州ラーメン (海老名SA 上り)


昔ながらの中華そば、といった印象の醤油ラーメン

だが、しっかり出汁の効いたスープと自家製手打ち

でコシのある麺からはオーソドックスながらもコクの

ある上品なうまさを感じる。チャーシューも同じく薄め

だが、柔らかで上品な味付け。 食感の良い青菜が

好印象。またきざみ玉ねぎが八王子ラーメンらしさを

演出している。もはやB級グルメではなく普通に支那

そば・・・八王子ラーメンのテイストである。
     
END


  




   
 
THE INSECT HUNTER 2010
inserted by FC2 system