THE INSECT HUNTER
2010
0515
山梨

THE INSECT HUNTER 2010

   
トウカイコルリを新芽る?
  

  
今日も今日とて 「やまなしる」 びおすけ 。

ただし今日は うめちゃんも一緒なので、「ひとりつぶやき旅」ではありません。

ルリクワガタ属 Platycerus の材採集も一段落する時期となり、次はいよいよ新芽採集の季節です。

毎度の「F」周辺でもそろそろどうかな?と思い、ちょっと様子を見に行ってきました。


   


  

   
ルリクワガタ属の新芽採集というと、一般的なのは

ユキグニコルリや、タダコルリになると思いますが、

新芽に集まりにくいとされるトウカイコルリも場所に

よっては新芽に集まる事は皆さん御承知の通りです。


今日はなんとか天気も良さそうだし、気温が上がり、

虫の活性が増してくれれば・・・と期待感をつのらせ

ながら現地に向かいます。




  
現地に着いてまず、採集記 0506 の冒頭で紹介を

しました土場に立ち寄ってみました。

なんと!各種の材がさらに増えてボリュームアップ

しているではあ〜りませんか!


樹種が色々混ざっているので、訪れる虫も多種多様

になるのではないでしょうか。


これから初夏に向けてのシーズンが、楽しみです。




   
タチツボスミレ (スミレ科)
Viola grypoceras

スミレ類の中ではよく見かける種類ではありますが

いつ見ても、清楚で可憐な花です。


コルリ材が落ちている林床でもよく見かけるので、

踏んだりしないよう、気をつけなくては・・・。


花と言えば・・・

カエデもそろそろ開花している頃ではないかと思い

いつものカエデポイントに向かう事にしました。




   
というわけで、やってきましたカエデポイント・・・。

しかし一見して、花つきが少ない事に気付きます。


時間的にも虫の活性が増してもよい頃ですが、

双翅目系しか飛びまわっていない様子です。


昨年の今頃は、オダヒゲナガコバネなどがとっくに

発生していたのですが・・・。




   
花を掬ってみると、カミキリは全然入りません。

かろうじて、ヒメクロトラカミキリが 2頭だけです。


他は微小なチョッキリ・ジョウカイ・ケシキスイ系

がわずかと、たくさんの双翅目系のみ・・・。

全てリリース!!


全く期待ができないので、さっさと長竿をしまい、

ルリクワ属を探しに行く事にしました。




   





 
【ポイント-A】


アカマツが混ざる落葉樹林。

落ち葉の絨毯が歩くのに心地よい場所です。

木々はすでに芽を吹いており、明るく新鮮な緑の

景観が、目にやさしく感じます。

新芽を覗き込んでみますが、ルリクワ属はおろか

虫が飛んでくる気配がありません。

もしかしたら、まだ材に入っているかもしれないと

考え、地面を注意しながら林内を歩きます。




   
しばらく探して、ようやくサクラ系と思われる樹皮が

残っていた枯枝に産卵痕を発見しました。

コルリ材にしては少し軽くてスカスカしたような感じ

がしますが・・・。




     
確認のため削ってみると幼虫が現れました。

まだ2令くらいかと思われる小さめの幼虫でした。


当然ながら、成虫の姿はそこにはありません。




   
またしばらくして、今度は うめちゃんが発見した

材は、実に興味深い材でした。


産卵痕が確認できますが、その部分にまだ木屑が

ついており、あたかも齧ったばかりという印象です。


これを見た限りでは、成虫がすでに材から出て、

野外で活動を始めていると考えられます(野外と

いうのはあくまでも材内に対して)。

という事は、やはり新芽で探すか、または材起こし

で探すか・・・ということになります。




   
落ちている材の裏側についている可能性がある

ので、さらに丹念に探しますが、良さそうな材は

そうそうたくさんは見つかりません。


細めでまだ樹皮が残る材に産卵痕がありました。

樹皮裏に成虫がひそんでいるかもしれないので

慎重に剥がしましたが、姿はありませんでした。


   
これも念のため削ってみると、また弱令の幼虫の

姿が現れました。

もちろん、成虫の姿はありませんでした。



この場所は、どうもいまひとつ状況がつかみにくく、

またルリクワ属があまり濃くない場所のようなので

別の場所へ移動する事にしました。




   





 
【ポイント-B】


伐採作業中の場所で、開けた空間。


ルリクワ属の成虫がすでに活動しているとしたら、

林縁の幼木の新芽に飛来するかもしれません。


そこで、叩き網を持って少し歩いてみました。




   
しかし、ルリ属が飛来しそうな新芽は見当たらず、

すでに開花したカエデもありましたが、特に虫も

おらず、林床にそれらしい材が落ちている雰囲気

もないので、早々に退散しました。




   






 
【ポイント-C】


ミズナラが主体の林を通る登山道。


うめちゃんは以前から気になっていたらしいのです

が、びおすけ的には盲点となっていた場所です。


今まであまり気にもとめずにスルーしていた場所

だったのですが・・・。




   
標高的には約1270mと、ルリ属を狙うには申し分

ありません。




   
林内はやや平坦な感じですが、苔むした溶岩が

散らばり、雰囲気的には良い感じです。


ざっと見た感じでもコルリ材らしきものが林床の

落ち葉に埋まっているように見えます。




   
ミズナラもすでに新芽が出ており、もしルリ属が

活動しているのであれば、きっと飛来してくるに

違いありません。


うめちゃんがミズナラの新芽を掬ってみましたが、

しかし、それらしい虫がいる気配はありません。


それではと、材起こしで探してみることにしました。


はじめてすぐに、うめちゃんが良さそうな材を見つ

けました。





   
やや乾燥気味ではありますが、削ってみると

まず幼虫が姿を現したので、また幼虫材か?

・・・と思わせたのですが、その直後




   
「出たよぉ〜!」 と言う、うめちゃんの一言!


急いで駆け寄って見ると、確かに蛹室内に鎮座

するモノが見えました!




   
トウカイコルリの♀でした!


やっと姿を見る事ができた貴重な成虫だったの

ですが、一方で、ちょっと残念な気持ちも・・・。


「え〜!それじゃ〜、成虫はまだ材の中・・・?」


新芽に飛来する成虫が見たかった我々としては

少しばかりアテがはずれた感じです。


それにしても、うめちゃんは「♀の成虫」を出す

のが上手です!

(・・・と言うと本人は嫌な顔をするのですが・・・)




   
まだ材の中にいるとわかれば、材拾いに集中する

しかありません。


丹念に探すと、このポイントは思ったより 「濃い」

場所なのだ、とわかりはじめました。


それらしき材を手に取ると大抵は「ビンゴ!」という

感じです。




   
しかし、産卵痕は何度見てもいいものですね〜w


それもたくさんあればあるほど、いいものです・・・。




   
しかし、いざ材を削って見ると、成虫の姿が全く

見当たりません。


出てくるのは幼虫ばかり・・・。


これは、びおすけが幼虫を出すのが得意(?)

だからというわけではなく、うめちゃんも同じよう

な状況でした。




   
また、通常であればホソツヤルリならともかく、

コルリ材としては異様にボロボロ崩れる材にも

見られるので、オオトラフの幼虫ではないか?

と思えてくる始末・・・。


いや・・・実際そうなのかも・・・?




   
何はともあれ・・・それなりの数の材を拾う事が

できました。幼虫が顔を出した位置は、適当に

蓋をしてテーピングしています。


お願いだから、全部ルリ属になってほしい・・・。




   
材集めにもちょっと疲れが出始めて、そろそろ昼飯

でも食べようや・・・という事で道を戻る事にしました。


お腹は減ってますが、材はもうお腹いっぱいという

感じです・・・。


でも、相変わらず成虫と縁のない びおすけ・・・。

うめちゃんが♀を出したけど、どうせなら♂を見て

みたかったよな〜・・・。


もうすでに、心は帰宅モードとなっています・・・。




   
昼飯を食べ終わり、腹ごなしにそこらへんの花

でも掬ってみようかと、ネットを広げていました。


それまでやや翳っていた雲がサァーと晴れて、

陽射しが強くなったな、と思った次の瞬間・・・



目の前に小さな甲虫が、

「ふわ〜」 と飛んできたのです。




   
反射的にネットインして確認してみると、なんと!


「コルリじゃん!!」



それも姿を見たかった♂ですっ! やった!!


すぐに写真を撮ろうと思いましたが、動揺して変な

スイッチを押してしまい、上手く写真が撮れません。


うめちゃんも確認しに来て、あきれていました・・・。


という事は、やはり成虫は活動しているというわけ?





   
で、少し落ちついてから明るいところで撮り直し・・・。


間違いなく、トウカイコルリの♂でした・・・。

ふぅ〜・・・、やっと成虫が採れました・・・。


それにしても材に入っていたり、飛んでたり・・・。

ちょうど微妙な時期に来てしまったのでしょうか?


さっきまですでに帰宅モードだったのですが、少し

元気が出てきたので、他の場所も少し様子を見に

行く事にしました。




   






 
【ポイント-D】


ブナ主体のエリア。ここでは観察するだけです。

さすがに標高が1500mあるので、芽吹きはまだ

これからかな?という感じでした。




   
これくらいの標高だと、下の方ではすでに散って

しまったマメザクラの花もまだ見頃です。




    





 
【ポイント-E】


今度は逆に標高を下げてみました。

アカマツ主体でミズナラが混ざる林です。


ここではミズナラは、新葉が展開しており、すでに

花穂もつけている状況でした。


特にこれといって特徴はないのですが、サルナシ

が多いので、別の期待感がある場所です。




   





 
いろいろと移動しながら見て回りましたが、結局

新芽に飛来するルリクワ属の生態を観察する事

は、残念ながらかないませんでした。


また、同じエリアで成虫が材中だったり、飛んで

いたりと状況に一貫性がなく、一筋縄ではいかな

い、自然界の奥の深さを感じました。


やはり積雪のない地方で新芽採集は難しいかも

しれませんが、まだ標高を上げれば機会はある

のではないかと考えています。




    
帰宅すると、注文していたルリクワ属ポスターが

届いていました。


早速、ポスターフレームに入れて、部屋の壁に

飾りました。


無機的だった壁が、ちょっと楽しくなりました・・・.。
     




   
 
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