THE INSECT HUNTER
2010
0429
群馬

THE INSECT HUNTER 2010

   
チチブコルリで懲りるれろ!
  

  
2010年4月某日・・・・

単独でルリクワ系採集を試みた びおすけであったが、

産卵痕ひとつ発見できず、泣きながら逃げ帰った・・・。


相手は、「ユキグニコルリの秩父亜種」というヤツで、

いわゆる、「チチブコルリ」と言われていたものである。


こりゃ、今回の相手はかなり手ごわいぞ、と。

次回、リベンジを計るには単独では無理っぽい。

ここは、ひとつ召喚獣を呼んで助太刀してもらわねばっ!


というわけで、毎度のうめちゃんを召喚した びおすけ。

ついに二度目の対決に向けて旅立ったのであった・・・。

    



   
さて、今回の対決に先駆けて、ルリクワ系の第一人者

である ピイさんの助言もいただき、さらにうめちゃんを

召喚して、準備万端。

もうチチブコルリは手中におさめたも同然と思っている

びおすけなのだが心配なのは今日の天候である。


予報だと、どうも真っ昼間に雨が降りそうなのだが・・・。


目的地に向かう途中、山の谷間を鯉のぼりが泳いで

いたが、これはこの町、この時期の風物詩のひとつ。

天気が良ければもっと爽やかな姿を見せてくれたろう。
  

   
途中からものすごく濃い霧が発生して、車中からは外の

状況が全く確認できなくなった。

視界10mといったところであろうか?真白くて何も見えな

い状況の中、かろうじて目的地に到着できた。

しかし、これでは自分がどこにいるのかすら不明であり、

どこをどう探索してよいものやら、全く見当がつかない。

初めて探索する場所なので土地勘が全く無いのだ。

ピイさんの助言によれば、この付近に良さげな場所が

見られるはずなのだが・・・。

若干、霧が薄くなってきたのを機会に、少し様子を見に

道の先を歩いて進むことにした。
   
 
  
ちなみにこのあたりはクマさんが頻繁に出没するとの

ことで、「熊鈴」は必需品である。この周辺を管理する

管理棟でも鈴を貸してくれるが、びおすけは自前の鈴

を腰にぶら下げてちりんちりん鳴らしながら歩き出した。

確かに、歩く途中でクマさんの「落し物」を2ヶ所で見た。


よりによって霧が濃く、周囲があまり確認できない状態

なので、いつどこから何が飛び出てくるかもしれず、もう

余計ビクビクしながらの探索となった。


このような状況の中で、うめちゃんは湿度を保っていそう

な斜面を中心に黙々と探索を続けている。


  
登山コースは、雰囲気的にはコルリ系というより、むしろ

ホソツヤ系に向いている尾根筋の道なのだが、それにし

てもそれらしい材が全然見つからない。


本来の目的である、チチブコルリを探すため斜面を捜索

している 召喚獣・うめちゃんだが、その類稀な鋭い嗅覚を

もってしても、産卵痕すら見つからない。

一見、良さそうな材と思い手にとってみると、ほとんどが

針葉樹系のそれであった。

どうやらこのエリアは樹相がよろしくないと思われる。


そうこうして時間だけが過ぎる中、とうとう雨が降りはじ

めてしまった。この時期1400mを超える標高での雨は

想像以上に冷たく、寒く、体温をどんどん奪っていく。


・・・もう、最悪、である。


どうもここをこれ以上探索しても成果は望めないような

ので、雨具をとりに一旦、車に戻ることにした。
     

  
しかし、チチブコルリはこれほどまでの強敵なのか・・・。


雨による寒さも加わり、我がモチベーションはみるみる

うちに下がっていく・・・。


雨具に身を包み、再び捜索を開始する。

間もなく、おそらく ピイさんの助言にあったと思われる

「濃い」エリアを見つけた。落葉樹の林だ。 

かなりの大木もあり、期待が持てそうだ・・・。


それでは、気持ちを奮い起こして捜索をはじめよう・・・・


  
・・・・と、思ってるのに、気持ちが萎えるような看板を

あちこちに置かないで・・・ _| ̄|○


朝方よりは霧が薄くなっているものの、まだ離れた先は

見えない状況なんだからさ・・・。



しかしびびってばかりでは虫は採れないので、仕方なく

地面に落ちている枯枝をひとつひとつ確認していった。


  
1本の太いミズナラの根元に青腐れの枯枝が目についた

ので拾ってみると・・・・あ、あ、あ・・・あった!


ヤツらの痕跡っ! とうとう生息を確認できた!


いや、ここに生息している事はハナッからわかってはいる

のだが・・・、自分の目で確認できた事が何よりもうれしい。


はやる気持ちをおさえつつ、削ってみると


  
うっ・・・超初令だ・・・・。


確かによく見れば、くっきりとした産卵痕であった・・・。

さすがにこれは飼育する自信もないので蓋をして地面

に戻しておこう・・・。


だけど、これで「やる気メーター」の針がぐいぐいと上昇

してきた。 よぉ〜し!どんどん見つけちゃおう!


   
効率はともかく、とにかく、歩いて、探して、優良物件の

発見確率を上げるしかない。


林の中を、尾根を、斜面を、右往左往するように探索し

続けた。 すると、確かに産卵痕はそれなりに確認でき

た・・・できたのだが・・・・



・・・削ると食痕は途中でフェードアウトしてしまい幼虫

すら確認できない。 


これは一体どうしたわけだ??


  
一方、斜面中心に探索していた うめちゃんも順調に

産卵痕は見つけていたが、幼虫が1頭出たきりで、

もぬけの殻の材ばかり・・・。びおすけと全く同じよう

な状況であった。


これは一体どうなっているのだ??


なんで、みんな溶けてるの??


   
産卵痕はそれなりに見つかるので、このエリアが濃い

生息場所だということはわかる・・・が、しかし・・・。


一度上昇した「やる気メーター」がみるみるうちに下降

していくのであった。


そうこうしているうちに、一度止みかけた雨が再び降り

始めた。もう完全に本降り状態である。


・・・もう、最悪、だ。


   
産卵痕のある枯枝は、相変わらず見つかる。

見つかるのだが・・・

やはり何もいない状態のものばかりである。

やはり、みんな溶けてしまった??

それほどまでに、この場所の生息環境は厳しいもの

なのか??


個体数が少ないという話もうなづけるのであった。


  
こんな細い材にまで?

産卵マークをつけた♀は本気でこの材に卵を産もうと

考えたのであろうか?

ただの予行練習をした跡なのではあるまいな??


ふと気付けば、これらの材の「質」はどれも、表面も

含めて芯までかなり硬い材であるものが多かった。

他の地域で見かける、いわゆるコルリ材とは異質な

印象を受けた。 もしかしてホソツヤなのか?


雨がひどくなってきたため、これで午前の部は終了。

管理棟まで戻り、雨宿りしながら昼食をとることにした。


  
昼食を食べ終わる頃、霧が晴れ、雨が上がり、陽が

少し射すようになってきた。

もう、「やる気メーター」の針はほぼ「0」を指していた

ので、もう帰ろうかと思っていたのだが、やはりNULL

続きでは、さすがに気持ちが納得できない。


ダメもとで、もう少し探索してみようか・・・。

で、午後の部、開始である。


今度はもう少し道の先まで車で移動して様子をみる事

にした。未舗装ではあるが、なんとか びおすけ号でも

走れる程度には整備されている林道だ。


   
霧が晴れ、やっと周囲の山容がはっきりしはじめた。

やっと奥深い山中にいるのだという実感が湧いてきた。

「落し物」から察するに、シカもクマも多そうだし、ここ

はきっと野生の宝庫なのだろう。ニホンオオカミが生き

残っているとすれば、こんな山中なのだろうな〜。

そういえば、「秩父野犬」なんて一時有名だったな〜。


車でゆるゆると走りながら、周囲の状況を確認する。

急斜面が多いようだが、午前の部でパワーをかなり

消耗してしまった我らには、捜索はかなりつらい。


もう少し探索しやすそうな場所を求めて移動する。


   
わりと平坦で良さ気な場所を選んで、プチ捜索を開始。

召喚獣うめちゃんが産卵痕を見つけて、さらに幼虫の


割り出しに成功した。

産卵痕の見当たらない材からも弱令幼虫が出ていたが

これらはのちにオオトラフハナムグリに化けるような気が

して仕方がない・・・。


場所をさらに移動して捜索を続行する。


   
天気もだいぶ回復してきた。

おかげさまで午前の部よりも探索はしやすくなったが、

未だチチブコルリの成虫の姿は拝めず、難航している

事に変わりはない。


かなり体力を消耗してきた我らが最後に探索しようと

考えたエリアは、ブナが混じった落葉樹林で、我ら的に

「一番濃いであろうエリア」としてマークした場所である。


もうここで出なかったら、今回もチチブコルリに出会う

事はできないであろう・・・。


斜面を下ったり登ったりしながら探索を続けた。


下手なスポーツジムで運動するより、はるかに多くの

カロリーを消費しているであろう過酷さである。


さすがの召喚獣うめちゃんも、時々立ちくらみを起こし

ているようだ・・・。


   
林内にそれっぽい材があるにはあるが、どれも優良

物件とはおせじにも言い難いモノばかり。


ようやく、ブナの根元周辺で良さ気な材が散在している

場所を見つけた。「良い材」は集中して落ちている場合

が多く、そのポイントをはずれてしまうと、もう全く見つけ

ることができない事が多い。


特にルリクワ系の材採集においては、当たり材にめぐり

会えるか否かが、結果を左右するのだ。


   
うめちゃんが見つけた優良物件。

多少硬めではあるが、見事に「コルリ材」としての条件

を満たしている。


うめちゃんがわりと芯に近いあたりまで削った、その時


   
・・・ついに成虫が、その姿を見せてくれた・・・。


  
♀ではあったが、立派なチチブコルリであった。


紫色傾向のある上翅の色彩は、この時ばかりは

何物にも代え難く、非常に高貴な輝きに思えた。


何はともあれ、最後の最後にやっと成虫の姿を

拝む事が事ができた。 


さすがは召喚獣うめちゃん・・・。


  
同じ材から、幼虫も1〜2頭出たようだ。

今日の採集では、文句なく一番の「当たり材」であった。


しかし、材採集のこの厳しさからすると、むしろ新芽の

時期の方が採集しやすいのであろうか?


  
さて、一方 びおすけは、やはりというか,成虫の姿は

拝む事ができなかったが、ようやく飼育可能な程度の

幼虫だけは確保できた。


晩夏に立派な成虫となって羽化する事を願いながら

タッパーに収納させてもらった。


    
♂の姿が見られず、非常に残念であったが、本日の

リベンジ採集は、これにて終了とする事にした。


午前中、雨中の採集であったせいか、探索しながら

「もうチチブコルリには懲りた。もうたくさんだ」

と思ったりしたが、しかしまた、時期をみて、再リベンジ

する事になるだろう。



だって・・・やはりこのままでは納得できないから・・・。


  
帰りの道すがら、地元の物産センターに立ち寄った。

地元特産のキジ肉、もちきび入りの 「もも太郎ごはん」

という混ぜご飯が名物なんだそうだ。


だけど、麺類好きの びおすけが食べたのは・・・

夏季限定・スタミナ冷し大麦めん 630円。

ボリューム満点。お味はピリッと爽快。おだしもきいてて、

たいへんうまかった。

また、うめちゃんが食べたざるそばは、かなりコシがある

との事であった。十割なのか?超アルデンテらしい。


皆様もどうぞ、お試しあれ・・・。
     

    
 
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