THE INSECT HUNTER
2009
0531
山梨

THE INSECT HUNTER 2009

               
      
原生林でビビる!
  
 
今シーズン、なぜか Pidonia を見かけない気がする びおすけ。


今年は P. amentata すらまだ見ておらず、カエデ・ミヤマザクラ

ズミ・ベニウツギ(タニウツギ)でも Pidonia が全く網に入らない。


たまに目にするのは P. puziloi くらいで、P.signifera すら見ていない。


これって、びおすけの採集の腕がどうのこうのというより、何か変じゃない??

だって、いつもなら別に採ろうと思わなくても、採れちゃう種類なのに・・・??


・・・などと、個人的な採集センスを棚に上げて、自然条件のせいにしつつ、

二次林環境がだめなら、原生林ではどうだろうと思い、天気予報を見れば

晴れそうもないので、こりゃかえって Pidonia には好都合じゃん!


というわけで、とある原生林をさまよってみた。


     

 
 

   
・・・んで、来たはいいけど、ひとりで原生林ってちょっと

苦手なビビリの びおすけ。

ひとりの時に限って、いきなりシカが飛び出してきたり、

飼いイノシシに出くわしたり、クマの新鮮な痕跡を発見

したりするので、また何か出やしないかと、ビクビクしな

がら歩きだす。

そのビビリ加減はどうかというと、ノウサギやハクビシン

を見かけただけでも、体が硬直するほどである。

であるからして、大型哺乳類と出くわした時の状態は

十分お察しいただけるかと思う。

また、場所によっては溶岩系の「落とし穴」が仕掛けら

れていたりするので、これまた危険である。

  
  
ただ原生林とは言っても、何気に道はあるので、それ

に沿って歩けば、少なくとも溶岩落とし穴に落ちる心配

はない。

それでも、耳と目をはじめとする五感を常にフル感度で

周囲に気を配ってしまうので、たまに森の奥で

             「パキッ!・・・」

とか、枝が折れる小さな音が聞こえただけで、全身が

凍りつくという、情けない精神状態である。


こんな状態で虫が採れるのかな?と我ながら心配して

しまう びおすけなのであった。

  
  
Pidoniaを採るにはまず、花を探さなくてはならないわけ

だが、鬱蒼とした原生林内では目につく花が一見、見当

たらない。 しかし、良く探せば一応、あるにはある。


二次林環境ではかなりの高木となるミヤマザクラが

しょぼい低木と化していたりする。

しかし、虫の影は全く見当たらない。

  
 
このウラジロノキも、開けた環境だとかなりの大木に

なるはずなのだが、ほとんど低木化している。

これは、花はまだつぼみの状態で虫は来ていない。


若干日当たりの良い場所にあるウラジロノキの中に

はなんとか開花しているものもあった。

網ですくうと P. puziloi = フタオビヒメハナが少し得ら

れただけであった。

  
   
このモチノキ科と思われる木の花や、林内ではツリバナ

の開花したものも見られたが、虫影が全く見られない。


どれも花つきが微妙で、もう1〜2日したら開花した状態

になりそうであった。

日を変えれば、成果は違っていたかもしれない。

 
  
結局、得られたのは、やはりこの puziloi 数頭だけで

あった。 これには、ビビッた。


今年はどうも Pidonia から見放されている(?)ようだ!


今年は P. tsukamotoi = タカネヒメハナなども狙って

みたいなぁ〜・・・などと思っていた びおすけだが、

それどころではなさそうだ。

まずは何でもいいから Pidonia を採って、

「ピドニアを守る会」から脱会する必要がありそうだ。

  
 
暗く薄気味の悪い針葉樹主体の森から出て、今度は

落葉樹主体の原生林に移動した。


針葉樹林と比べれば明るくて良いのだが、餌が豊富な

分、クマさんとかに出会う可能性も高いわけで、ここで

も、やはり ビビりながらの探索となる。


とりあえず、ルリクワガタなんかいるかなぁ〜?と

ブナの立ち枯れを中心に見てみることにした。


 
ブナの立ち枯れや部分枯れを数本見るが、ルリクワ

の影は全く見当たらない。

まだ野外活動するには時期的に若干早いとは思うが

(びおすけの中では6月中旬の虫)、5月下旬に活動

しているのを採集したことがあるので、絶対いないとは

限らない。

隠れているかもしれないと思い、樹皮を少し剥がして

みると、そこには小さな黒いデオキノコムシが数頭

いるだけであった。


   
それでは、倒木はどうだろう。

見た目に良さ気な倒木を探して、しばらく何もしないで

呆然と見つめていると、ルリクワはいないものの、

いろいろと虫が活動しているのがわかり、面白そう

なので、少し観察がてら眺めてみる事にした。


数は多いはずだが、意外と見る機会が少ないのが

この ベニヒラタムシ。 

薄い体を巧みに使い、隠れるのが上手なのだろう。

むしろ飛んでいるのを見かける事の方が多いような

気がする。

  
 
       「ぬぅ おおおおお〜!!」


・・・と、見つけてかなりビビったのが、このコメツキ。

前々から一度見てみたいと思っていた種類なのだ。


保育社の図鑑では、

「美麗種で早春に出現する。少ない」 と書いてある。


「少ない」・・・ここ、ポイントね!


う〜ん、早春に出現・・・?

とすると、やはりこのあたりでは、まだ「早春」の様相

を呈していると云う事なのだろうか。
    
ツマグロコメツキ

Ampedus (Pseudelater) niponicus
(Lewis,1894)




一見、ダイミョウコメツキっぽくも見えるが、

格調の高さが俄然、異なる。


黄色と黒のコントラストが美しく、特に

お尻の黒いハートマークがまた愛らしい。

 
  
倒木にはよくキノコがついているが、そのキノコに

よくついているのが、

クワガタゴミムシダマシ
Atasthalomorpha dentifrons (Lewis,1894)

ゴツゴツした体の、甲虫らしい甲虫。

 
   

体長2mm強。

あまりにも微小で生態写真は断念したが、

なんとか「展足」だけは一応してみた・・・。


ワモンマルタマキノコムシ

Agathidium (Cyphoceble) annulatum
Hisamatsu,1957


頭部と前胸背板を前に折ると、ほんとにまんまるく

なってしまい可愛らしいが、初めは何の種類か

まるでわからなかった・・・。

これもキノコにつく虫のようだ。
   


  
いろいろな虫が見られたが、特に多かったのが、この

ベニコメツキの仲間。

大小さまざまなのがいたが、おそらく♂と♀なんだろう

か? これは♀らしくて、産卵に勤しんでいる最中で

あった。

林床の草本類の葉上を何気なく見ると、必ずと言って

いいほど、このベニコメツキ類が止まっていた。

  
   
他にもヒゲナガゾウムシ系やハネカクシ系も見られた

が、ツマグロコメツキ以外は特にこれといった虫には

出会えず、倒木探索は終了する・・・。


再び、立ち枯れ&部分枯れ系に目を移し、一本のブナ

の立ち枯れを呆然と眺めていた。

立ち枯れには何の変わりもないのだが、その横に飛び

出ていた生木に何か違和感を感じた。


  
           「おおおお!!」


居て、当たり前と言えば当たり前なんだけど、叩き

ではなくて、普通に活動している姿を発見すると、

出会った時の嬉しさは格別だ。


特に狙っていたわけでもないので、少しビビッタ・・・。



  

イワワキセダカコブヤハズカミキリ

Parechthistatus gibber shibatai
Miyake,1980



立派な♂で、この周辺エリアで採集した中では

一番大きな個体であった。


  
ちなみに、黄色い矢印部分に、いた。


  



   
さて、原生林ではそれなりに満足が得られたが、肝心

の Pidonia は全くダメであった。

一応、場所を変えて二次林環境でも再度試してみる

事にした。

移動してそれっぽい花を探すが、ベニウツギとミズキ

くらいしか花をつけておらず、ミヤマザクラ・アズキナシ

ズミの花は終了しており、花の散る速さにビビッた。

ベニウツギ(タニウツギ)が多いので、これならPidonia

もいるだろうと思ったが、全然だめ。 全くいない。

例年だと、駄モノであっても必ずネットインするはず。

仕方なく、ミズキに照準を変える。

  
ミズキはご承知の通り、通常たいへんな高木になる

ので、上の方を掬うには、前回用意した10m竿がモノ

を言うのだ。

しかし、不慣れのため、あいかわらず掬うのが下手で

ダメである・・・。

網の中を見てもPidoniaはおろか、コレと言った虫が

全然採れなくて、数回のスイーピングで戦意喪失。


これは普通のナミテントウだと思うのだが、初めて見る

斑紋パターンであったので、一応確保した。
  
 

  
それにしても、何で Pidonia がいないのだろう!?


全く理解できないまま、網に入ってくるのは

ムネアカクロハナカミキリ とか・・・

  
  
相変わらず、個体数だけは爆発的に多い、


カラカネハナカミキリだけであった・・・。


Pidonia じゃなくても、せめてもう少し種類が多いと

楽しめるのだが・・・。


あまりの虫の種類の少なさにビビって、終了する

ことにした・・・。


   
とりあえず、今年の目標は


「 『ピドニアを守る会』から脱会すること 」


・・・に決まった、びおすけなのであった・・・。


  


  


    
END

   


     
    
 
THE INSECT HUNTER 2009
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