THE INSECT HUNTER
2009
0125
千葉

THE INSECT HUNTER 2009


   
我、アワカズサヲサムシを求め

アワカズサヲサムシのほぼ南限


此処 南房総の とある谷戸にて

我的 新規開拓せんと挑む
道はぬかるみ

崖は皆、瓦礫哉

他に掘る場所無く

あてなく掘るも

虫の影一切見られず


厳しき予感と寒さに

身震える
歩けども 歩けども

良き崖見当たらず

朽木は あれど樹皮硬く

我の手の鍬 役立たず

虫ひとつ見ぬまま

今日はNULLかと

溜息ひとつ
道途絶え

遠くに山を眺めつつ

一服しながら立ち尽くす


最早戻る他なし
来た道をとぼとぼと戻りつ

ふと脇見れば小さな切株あり


惰性で何気に根元を掘るや


「あっ!」

我、ついにヲサムシを得たり



この1頭の嬉しさや、如何に
やはり 「根」 かと思い立ち

他に草固まる根元を見つけたり



一鍬入れるやヲサムシ顔を覗かす



ここぞと決めて

二(ふた)鍬 三(み)鍬
足元見て手元は見ず

眼(まなこ)をカッと開きつつ

一世一代の動体視力

土と転がり落つヲサムシを

拾いに拾って其の数五つ


虫の習性を知れば

虫は採れると思い知る
日の良く当たる崖あり



乾いて瓦礫なれども

其処もヲサムシの寝床哉


ただ其の数は少なし
辛うじて

NULLは免れ有難き哉


思えばアワカズサヲサ以外

虫の影見ぬその不思議


「まあ・・・いいか・・・」と

我、新たに次の場所を求め

地図と夢を広げん

    
 
THE INSECT HUNTER 2009
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