THE INSECT HUNTER
2009
0107
茨城

THE INSECT HUNTER 2009


   
川面に靄(もや)が立ち上る

夜が明けたばかりの頃


頬を刺す冷たい空気に

身を震わせて林の中を歩く
地面を被うばかりの枯れ草を

掻き分け掻き分け

ひっそりと隠れた朽木を探し

ここぞとばかりに少し崩す


朽木の中はふかふかと柔らかく

その奥から覗くは

青くて細長い顔と首
漆黒の闇のごとく黒い背中に

取ってつけたような青い首は


何という造形

何という色彩


飽くことなくその姿を見つめ

知らぬ間に時間は過ぎぬ
頭隠して尻隠さずの

その姿も愛しく

さては蝸牛(まいまい)を

被っているつもりかな
銅(あかがね)の鎧は

深く明晰な刻印が

凛として列を成す美しさ


その造形美

ここに極まる
いずれいずれと思いつつ

まだ見ぬ美しき北の亜種と

まだ見ぬ刻印を持つ種らに

想いを馳せつつ

この地を後とす

    
 
THE INSECT HUNTER 2009
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