THE INSECT HUNTER
2009
0103
千葉

THE INSECT HUNTER 2009

               
      
時代劇 新春虫初めの儀



新しい年が明けました・・・・。

ご覧いただいております皆様、

どうぞ本年も当サイトをよろしくお願いいたします  <(_ _)>



さて・・・今年の干支と言えば、天下御免の丑年という事で、

つまり・・・「天下揃って、牛」略して

「 天 牛 」

というわけで・・・

今年は「天牛年」=「カミキリイヤー」であります!(強引・・・汗



こりゃ、カミキリ屋さんにとっては、特別に良い年になりそうな気がする今日この頃・・・。

昨年は社会的にも、個人的にも良い事があまり無かったので、

今年こそは皆様にとっても、そして自分にとっても、

本当に良い年になってほしいと切に願う次第であります。





そして・・・!

今年もまた恒例の 「新春虫初めの儀」 を執り行う事となりました。



その年一年間の成果を占う重要な儀式でありますが

時期が時期であるゆえ、たいていはヲサ掘りとなるわけですが・・・

今年は特に記念すべき、カミキリイヤーというわけで、少し趣向を変えまして

久々に「ブーメ」をやってみようじゃないか!という事となりました。


(ブーメ =ウスアヤカミキリの仲間。
ここではハチジョウウスアヤカミキリを指すわけですね・・・)


ブーメを探すのに竹を選り取りする様子が、何となくお宮とかの易占いで

竹串を引いてる感じに似ている気がするんですけど・・・?



ここはひとつ、このカミキリイヤーを良き年とするべく、カミキリ屋さんを代表してですね、

なんとしてでも素晴らしい「おみくじ」をば、引かねばならないのであります!!(ぇ


こりゃ、責任重大ですっ!(ぉぃ




さて、今回、本儀を執り行うために馳せ参じましたのは・・・

毎度の 尾張の侍 もえび殿

用心棒の素浪人 うめちゃん

町の遊び人  びおすけ の3人衆・・・。

ちなみに・・・

「成虫入りの竹串」・・・大吉

「幼虫入りの竹串」・・・小吉

となっております。



 果たして見事本懐を遂げる事ができましょうや?



  
 
 

びお 「ささ・・・、旦那、待ち合わせの場所に
    到着いたしやした。準備をお願いしやす」

うめ 「おぅ・・・。その前に景気づけにお神酒でも
    一杯やっていかねぇ〜か?」

びお 「旦那そりゃもちっと我慢しておくんなさい。
    いい御籤が引けたら、その時、一献・・・」

うめ 「なんでぇ・・・しけてやがる」

びお 「もえび様もそろそろみえる頃かと・・・
    あ、あちらにいらっしゃった。もえび様っ!」
   
もえ 「おお、びおすけか。久しいのぅ。息災か?」

びお 「はい、そりゃもう。もえび様もお元気そうで何より。え〜と。こちらの御浪人がですね・・・」

うめ 「おぅ、貴殿がもえび殿か。拙者、うめちゃんと申す」

もえ 「お初にお目にかかり申す。拙者、尾張のもえびと申す者でござる」

うめ 「尾張からとは、また遠路はるばるご苦労様な事でござるな」

もえ 「何の。ちょうど参勤交代でこちらに参っておりますゆえ」

うめ 「ほお、さようか。ま〜、何はともあれ、まずは一献・・・」

びお 「ちょっと・・・旦那困りますよ。それは後にしておくんなさいまし」

うめ 「なんでぇ・・・しけてやがる」

    
   
びお 「それでは、お二方こちらへ。ご案内いたし
    ますんで。足もと気をつけておくんなさい」

うめ 「おいっ。足もとを気をつけるどころか大岩が
    崩落しておるではないか」

もえ 「おぉ・・・これは・・・とんだ凶事でござるな」

びお 「なんの。これから落ちてくる岩は怖いです
    が、すでに落ちた岩はただそこにあるのみ
    でございます」

うめ 「うぬ。すでに凶事は去り、後は福が来るの
    みという事だな」
  
びお 「さすが旦那。おっしゃる通りでございます」

もえ 「はははは!良き哉、良き哉!」

びお 「それでは、参りましょう・・・。途中、隧道がございますが、そこも崩落しておるかもしれませぬ。
    気をつけて参りましょう。その先にはきっと良き御籤を引ける目出度き場所がございましょう」

うめ 「まあ、そう心配するな。わしにまかせておけ」

もえ 「うめ殿は、お見受けしたところ相当腕に自信がおありのようでござるな」

うめ 「うははは。一杯ひっかけておれば、なお、腕が立つのですがな」

びお 「そうでやんしたね。まあ、お二人仲良く良い御籤を引いていただければ結構でございます」
  

   
うめ 「ほれ、隧道はなんでもないぞ」

もえ 「さようですな。しかし、さっさと抜けた方が
    よろしかろう」

びお 「へい。おっしゃる通りで。しかし、ここは
    何度来ても、気味が悪うございますな・・・」

  
もえ 「おお、そうじゃ。びおすけにこれを・・・。
    な〜に、いつもの尾張みやげじゃ」

びお 「え?なんですか、もえび様・・・おお!
    これは尾張名物のミツノエンマですな!」

もえ 「うん。くるしゅうない。とっておけ」

びお 「へへぇ〜。ありがたき幸せ・・・。この角が
    また、『牛』のようで、ご利益がありそうで
    ございますな」


もえ 「そうじゃ。名物と言えば、ここらには、それは艶やかで大きなカメムシがいると聞くが・・・」

びお 「へぇ。オオキンカメムシでやんすね。常緑樹の葉裏を気をつけてご覧になっておくんなさい」

もえ 「ほぉ、ツバキやらトベラやらいろいろあるようじゃが・・・」

びお 「おっ!もえび様、ほれ、そこに!」

もえ 「おお!これはまた・・・なんと艶やかな・・・」
   
    
 
  
     
もえ 「しかし、一匹だけか・・・。あまり数は多くはないものなのかのぉ・・・」

びお 「いえいえ、そんな事はございません。 それ、そこをご覧あれ」

もえ 「おお!こ・・・これはっ!」
   
   

   

もえ 「う〜〜ぬ。これだけ固まっていると、ちと、気味が悪いものだな・・・」

びお 「へ・・・そうでやんすね。もえび様、ひとつ採ってはいかれませぬのですか?」

もえ 「・・・・いらぬ・・・・」

びお 「まあ、それがよろしいでしょう。タトウが油だらけになってしまいますからな・・・」

もえ 「ところで、ときに、うめ殿が見当たらぬが・・・」

びお 「あの旦那はいつもとっとと先に行っちまうんでさ。ほれ、もうあのように先を歩いてございます」

もえ 「ほぉ。たいした健脚でござるな」

びお 「もえび様。あっしらも急ぎましょう」

もえ 「ああ、そうじゃな」
    

   
     
びお 「はぁ〜・・・やっと追いついた。旦那っ。
    うめの旦那っ。いかがですか」

うめ 「・・・う〜む。良き御籤はまだじゃ」

びお 「さようですか。それではもえび様。我らが
    先に良き御籤を引当てましょうぞ」

もえ 「承知した」

びお 「狙う御籤の竹串ですが・・・上は茶色、下は
    青色のものがよろしいかと・・・」

もえ 「承知した。まあ、まかせておけっ」


         
びお 「やれやれ。吹き付ける風の冷たい事・・・。

    さっさと良き御籤を引いて引き上げねば、風邪をひいてしまうぞ。

    どれ、これなんぞどうであろう。上は茶色、下は青色・・・と。

    お・・・お・・・・中に何か見える。 これは、とうとう、大吉を引き当てたかもしれねぇ!

    ・・・うぬぬぬ。てやんでぇ!! これを見やがれっ!大吉じゃ!大吉じゃ!」
   


   
びお 「うめの旦那っ! もえび様っ!御覧くだされっ! 
    大吉じゃ! 大吉じゃっ!!

うめ 「おお、これは、牡じゃな!よかったの」

びお 「ありがとうごぜぃやす。それにしても見事巧みに筒に収まっているものでございますな」

うめ 「ほんにそうじゃの。小さいが新成虫はまこと、綺麗じゃの」

びお 「ほんに。旦那もがんばっておくんなさいましよ。お腰の物(剪定鋏)が泣きますぜ」

うめ 「ああ、わかっておる。まかせておけっ!」
   

    
    
びお 「もえび様っ。いかがでございましょう」

もえ 「うぬぬ。なかなか良き御籤が引けぬ。
    引いても小吉ばかりじゃ」

びお 「・・・とおっしゃいますと、幼虫ばかりと
    いう事でございますな」

うめ 「拙者もじゃ。おかしいのぉ」

びお 「お二人とも、しっかりしておくんなさいよっ」

うめ 「ええい、わかっておるわ」


     

    
びお 「さて・・・あっしもその後は小吉の御籤
    ばかり。困ったものだ。
    斯様に笹藪に切り込んでおるというに」


うめ 「ぬぬ?

    おぃ、びおすけっ! してやったり!

    大吉じゃっ!大吉じゃ!」 


      

びお 「おお!旦那!  これは牝にござりまするな! 祝着至極に存じまする」

うめ 「うむ。かたじけない。それにしてもやはり、大吉はなかなか出ぬものじゃの」

びお 「それはそうでございます。かように大吉がぽんぽんと出ますれば、有難味も薄れるというもの」

うめ 「全くじゃの」

  
びお 「旦那・・・その御手にされているのは
    小吉の御籤でござりまするか?」

うめ 「ああ、これか。否。 これは幼虫の餌に
    しようかと思っての」

びお 「さようでございますか」

   

びお 「私めも、これこのように小吉ばかりでは、餌用に持って帰らぬといけませんな・・・」

もえ 「お〜〜い。拙者も小吉ばかりじゃ・・・。困ったのぉ」

びお 「もえび様、あきらめずにお願いいたしますよ。今年の天牛の豊作を占うのですから」

もえ 「わかってはおるのだが・・・。なんだか大吉を引ける気がしなくなってきての」

びお 「もえび様、ちょっと場所を変えてみてはいかがでございましょう」

もえ 「うむ。仕切り直しという事だな」
    

    


  
びお 「うめの旦那。その後はいかがでござい
    ましょうか」

うめ 「ふふふ・・・」

びお 「おや、なんでございましょう。その笑いは」

うめ 「ふふふ・・・。わしにまかせておけと言うた
    であろう」

びお 「おお!それではっ?」

うめ 「ああ。大吉の御籤。4本追加じゃ!」

びお 「さすがは旦那だ!武士の本懐!! お見事でございます」

うめ 「ふふふ・・・これで酒もより美味くなるというものじゃ。」


もえ 「ぬぬぬ・・・。わしもこうしてはおれぬな。ちと、笹藪に突撃してまいる」

びお 「もえび様!ふぁいとっ!」
        

    

  
       
びお 「さて、あっしも小吉の御籤をだいぶ引く事ができましたぜ。
    これで、飼育の楽しみもできた、というものでございやす」
    

 
うめ 「なんの。拙者も小吉はこれだけあるぞ」

びお 「お見事。あとはもえび様でございますな」

うめ 「ああ、そうじゃの・・・」


もえ 「ひょえーーーー!!」

びお 「ど・・・どうしやしたっ!?」

 

  

   
もえ 「大吉じゃ!大吉じゃぁ!!」

びお 「おお!これは祝着至極に存じまする」

うめ 「おお、これは目出度き事じゃ。よかったですな、もえび殿」

もえ 「ああ、かたじけない・・・。拙者もようやく武士の本懐、やっと良き御籤を引く事ができましたぞ」

  
   
びお 「もえび様も小吉はそれなりにお持ちの
    ようでござりまするな」

もえ 「ああ、ちと全てがブーメかは怪しいがの」

びお 「なにやら、ハイイロヤハズの匂いがする
    ものもござりまするな・・・」

もえ 「ああ、なに、飼育してみればいずれ
    わかるというもの」

びお 「・・・さようでございますな」

  
  
うめ 「何はともあれ、とりあえず全員大吉が
    引けてよかったでござるな」

もえ 「まずは目出度し、目出度し・・・」

びお 「へぃ。 思えばブーメもこのような浜辺に
    最初、流れ着いたのでございましょうな」

もえ 「飛べぬ虫がよくぞあのような崖を登った
    ものぞ」

うめ 「それだけ定着するには時間がかかった
    のでござろうな」

   

かくして、新春虫初めの儀は目出度く幕を閉じる事となりました。

易占いの結果としましては、まあまあといったところでございましょうか。

よって、今年の運勢は

「中吉」

とさせていただきたいと思います。


最後に、ブーメという小さな虫が辿った歴史に思いを馳せ、

遠く、海の向こうを眺める3人なのでありました・・・。


それでは、皆様にとりまして、今年が良き年となりますよう・・・。


END

   


     
    
 
THE INSECT HUNTER 2009
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