THE INSECT HUNTER
2008
081115
静岡

THE INSECT HUNTER 2008


             
苔をめく〜る



・・・と、いうわけで・・・


・・・ん?ん?・・・

・・・え〜っと・・・



・・・採集記を書くのがあまりにも久しぶりなので、いつもの出だしを忘れてしまいました・・・。

・・・あ、そうだっ!・・・



すっかり冬仕度の季節になってきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

お久しぶりです、 びおすけです。


あの衝撃的な(?)リアちゃん結婚の報道からしばらく立ち直れませんでしたが、

なんとか気を取り直して、生きておりますよ。

たまにはHPも更新しないと皆さんから「ポイ」されてしまいますしね・・・。 

という冗談はさておき・・・

実際のところ、実生活で「波乱」がありまして、時間がとれなかったのですが・・・。


なんだかんだとぼけぼけしてる間にすっかり冬支度の季節になってしまいました。

虫たちも、もう冬支度に入ってるこの季節、久しぶりに採集に行きたくなりました。

時期が時期ですからルリクワ系かオサムシ系か?できればマイマイカブリとか?

欲を言えば全部採れる場所がいいなぁ〜・・・。


 
 
 

さて、久しぶりの採集なので、まずは肩慣らしから・・・というわけで、どこか行きやすい場所へ

行こうと思いまして・・・。迷った挙句、例のセダカやフジコブで有名な場所に向かっていました。


天気はあまり良くなさそうですが、なんとか午前中くらいは晴れ間がありそうな感じです。
 
 
 
 

で・・・、このたび、「びおすけ号」が新しくなりました。 トヨタのオーリス1800Sパッケージです。


巷では「3ナンバーのでかヴィッツ」などと陰口を叩かれる事もしばしばですが、外見も中身も全然

別物ですよ。 え?なんでわかるのかって?・・・だって・・・ヴィッツも同時に買っちゃったから・・・。


ちなみにヴィッツは同居の家族用なので、虫採りに使う事はないと思いますよ。 今回オーリスは

後先を考えずに黒いのにしちゃったので埃っぽくて小石が飛ぶような林道はもう走れません(自爆

もし、どこかで、とろとろ走ってる「黒オリ」を見かけたら、後ろから煽ったりしないでくださいね・・・。


というわけで、早速、森の中に分け入ってみます。

  
 

この時期、広葉樹林は森の中の見通しが良くなって、もうすっかり冬の景色です。


ほとんどの落葉樹は葉を落しており、その中に点々とまだ枝に残っている紅葉や黄葉が目立ち、

ハッとするほど綺麗です。それにしてもすごい落ち葉の数・・・。

坊主めくりすればセダカやフジコブが潜んでいるのを発見できるのでしょうが・・・。


無数の枯葉を目の前にして、とてもそんな気が起りません。

  
 

林床に目を向ければ・・・そこに広がるレッド・カーペットの美しさに目と心を奪われてしまいます。


まるでチャン・イー・モウ監督の映画に出てくる、色彩豊かな森の情景を見ているようです。

浮世の様々な問題が頭の中から消え去る瞬間です。

しばらく採集の事は頭に無く、散策だけを楽しみました。


こんな感覚になれただけでもこの場所に来た甲斐がありました。

 
 

遊歩道に架けられた橋も、何とも良い「味」を出していて、この季節らしいイイ雰囲気を感じます。

・・・が、この「味」はいったいどこから湧いてくるのか・・・? 

しばらく橋を見つめていて、ハッと思いました。

                         「苔だ・・・!」

そうです。この苔むした雰囲気です。

苔は古来より日本庭園では欠かせない要素で、、「侘び・寂び」を表現する手段として用いられて

きましたが、その素朴な美しさは見る者に何とも言えない心の安らぎを与えてくれます。


苔と言えば、以前アキタクロナガオサムシを採りに行った時、「掘り」ではなくて「苔剥がし」で採集

した事を思い出しました。「苔はがし」は朽木を崩す必要もなく、元の通りに乗せておけば虫の住処

を壊さずにすむ「エコ」な採集と言えるかもしれません。

もちろん、採集する虫の数をかせごうと考えたら合理的な採集とは言えませんが・・・。


幸いこのあたりには苔むした倒木や立ち枯れは多そうです。

よし!今日は手斧やクワを使わずに苔はがしだけでオサムシを採ってみよう!と考えました。

運が良ければマイマイカブリにも出会えるかもしれません。


  

林内の倒木や立ち枯れには、どれも苔がびっしりと付いています。これは探し甲斐がありそうです。 


ひとつの切り株に目が留まりました。一部樹皮が剥がれてフレークがむき出しになっていますが

・・・誰か同じことを考えている先行者でもいたのかな??

それとも動物の仕業か?自然に剥がれたのか・・・?


よく見ると、そのサクサクしたフレーク部分の中を何か黒いものが動いています。

 
 

わっ!クロナガオサムシだっ!いきなり発見です!


でも様子がおかしいな? こんなサクサクのフレーク部分では越冬しないだろうし、越冬窩は

見当たらないし・・・。越冬場所を探して移動しているところだったのかな?

それとも先行者が見落としたのか・・・。上翅も少し欠けているようだし・・・。謎です。


同じ切株の苔をはがして探してみましたが、他にオサムシは見当たりませんでした。
 


 

たっぷりと苔むした倒木ですが、こんなのが林内にはゴロゴロ転がっています。


苔にもいろいろ種類があるようですが、オサムシがその下で越冬するのですから、硬い樹皮に

ピタッと張り付いた薄い苔よりも、ふんわりと厚みのある掛布団のような苔が良い気がします。


この倒木の苔はまさにそんな感じ。


 

少しずつ、そぉ〜っと苔をはがしてみると、いました!またクロナガオサムシです。

普通種のクロナガですが、こうして思った通りに発見できるとうれしいもので、思わず

                      「いたっ!!」

・・・と声が出てしまいます。


こうして虫を採集した後、はがした苔は元の通りに被せて、少し軽く踏んでおきます。


探しながら、苔の状態もそうですがそれと同じくその下のフレークの状態も重要だと思いました。

硬すぎず・・・柔らかすぎず・・・越冬窩が作りやすい状態でなくてはいけませんし、そう考えると

ただ苔むしていればよい、というものではなく、うまく条件に当てはまる倒木や切株は意外と

少ないのかもしれません。


この倒木でも苔下から発見できたのは、この1頭だけでした。
 
クロナガオサムシ


 

苔むした倒木を探していると、苔の上で何かが動いているのに気付きました。

近寄ってみると、クロスズメバチの仲間でした。触角が長いように感じるのですが♂でしょうか。

まだこの時期でも活動しているんですね。


肝心のオサムシ探しですが、なかなか追加を見つける事ができません。

苔下からだけという条件では、やはり厳しいものがあるようです。

もっと簡単に見つかるかと思っていたのですが、考えが甘かったようです・・・。


オサムシどころか、マイマイカブリなんて見つかりそうにもありません・・・。


 

そこで、もうひとつの目標であるコルリクワガタを探してみる事にしました。

まずはブナを見つけて、その根元周辺に落ちている枯れ枝を探します。


いわゆる「コルリ材」ですが、地面に落ちた枯葉に埋もれているので、なかなか状態の良いもの

はすぐには見つかりません。


  

ようやく、それっぽいのを見つけました。産卵痕もしっかりと付いています。

ただ、ちょっとしっかりしすぎていて、幼虫アパートのような気もします・・・。


さて、成虫が入っているとよいのですが・・・。


気をつけながら少しずつナイフで削ってみます。
 


  

                           「・・・・・・」


う〜〜ん。残念!やはり幼虫材のようです。

あまり削るのをやめて、また元の場所に埋め戻しておく事にしました。

  
昨年もこの場所で幼虫を8頭持ち帰りましたが、結果として成虫を羽化させる事ができたのは

3頭だけでした。現場から持ち帰った材でそのまま飼育すると、なぜか必ずコメツキの幼虫が

入っており、これまたなぜか蛹の段階で喰われてしまうものが多かったのです。

飼育も楽しいですが、どうせなら成虫で採集する方が気分も良いし、楽ですから・・・。


  

他にもコルリ材は探すとそれなりにあるのですが・・・


割と産卵マークがしっかりしたものばかりで・・・。


 

                        「・・・・・・・・」


どうしても成虫を発見する事ができません。

そういう「年のめぐり」なのか?はたまた探し方が悪いのか・・・?

結局、すべて現場に埋め戻してきてしまいました。また来年、成虫で採集できる事を期待して・・・。
 


  

途中、森の広場で休憩しましたが、ここも見事と言う他ない素晴らしいレッドカーペット状態でした。

他のハイカーもこの見事さについ魅かれて、この場所で休憩している人が多かったようですが、

それも無理はありません。まさに憩いの場となっていました。


ただ、林床はきれいに整備されているようで、コルリ材が落ちている気配はありませんので、採集

には不向きかもしれませんが(笑
  

 
 

一息ついていると、曇り始めた空からポツリポツリと雨が落ちてきました。

ブナ林でこの時期、雨に濡れるとどうしようもなく寒いですから、そろそろ引き揚げる事にします。

もうちょっと天気がもってくれるかと思ったのですが、残念です。


   

帰りがてら、もうちょっとオサムシの姿も見たいので、また苔はがしをしながら歩くことにしました。


歩きながら、もしマイマイカブリがいるとすれば、地面に接地した倒木よりも、少し地面から浮いて

いるようなものが良いという気がしてきました。これも今までのわずかばかりの自分の経験値から

ですが、どうもそのような場所に潜んでいる事が多かったような気がするからです。
  


  

例えばこんな感じの倒木なんてどうでしょうか?

苔の状態もそれほど悪くはなさそうです。 

ちょっと厚みのありそうな部分の苔を慎重にはがしてみます・・・・。



  
  


「・・・・・・・・・」


  

「・・・・・!!」


 
マイマイカブリ


  
あまりにも思った通りに採れたので、いつもの「キターーー!!」も出ませんでした。

あえて言うと、「何も言えねぇ〜!」って感じです。

今まで採った中で最も小さな個体で、それも1頭だけでしたが、とてもうれしい収穫となりました。


これで「虫採りの勘」が戻ったとは、とても言えませんが・・・

これを「はずみ」として今までマイマイを採った事がない他の場所でも探してみようと思います。


素晴らしい自然に感謝・・・。
    

THE INSECT HUNTER 2008

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