THE INSECT HUNTER
2008
0615
山梨

THE INSECT HUNTER 2008



              
何がいるかわからないけど「F」る!






   
先だって、神奈川県某所で拾ってきた材からはキッコウモンケシと

ダイミョウナガタマムシのみが大爆発して、その後沈静化している今日この頃・・・・

皆さんいかがお過ごしでしょうか。



びおすけです・・・。




とは言ってもアブラチャン材ではリンゴ系と思われる糞が出ていたり、

クスベニかと思われる「材の途中でプッツン切り」された材も残っており、

まだ希望は少し残っています。


また、フジ材もトガリシロオビサビが小爆発しましたが、
まだ「?」な幼虫が残っており、ちょっと期待しています。


さて、そんな中、梅雨の晴れ間を利用して時期が

半端な事を承知の上で毎度の「F」参りをしてきました。


ミヤマザクラやズミなどの花はもう終わってるだろうから、針葉樹の

枯枝でも叩いてモンタナスやミメクタくらいは採れるかなぁ〜?


と特に目的も無いのですが、もしかして何か変わったのが

採れるかもしれないという淡い望みを抱きつつ、

相棒のうめちゃんを誘って何となく出かけてきました。

 
 
いつもながら早朝のお出かけは眠いっす・・・。

とは言え、車中で虫談義をしていれば現地に着くの

は「アッ!」という間であります。

  
・・・というわけで、「アッ!」という間に到着。

 
現地を見ると、さすがにズミやミヤマザクラはもう花

が終わってますが、代りにミズキの花があちらこちら

で目立ちます。でも、この花掬いにくいので苦手・・。

一応掬ってみると、ナガバピド・フトエリマキピド・

アカイロニセハムシハナくらいしかいません。

 
足元を見るとフキヒョウタンゾウムシの仲間が。

コロッとしててほど良いサメ肌状の上翅を持つ

この仲間は好きなのですが、ここではよく見か

ける種類なのでそのままスルー。

  
先へ進むとミズキがぽつんぽつんと点在しており

その都度歩を止め、念のため掬ってみますが・・・

 
キベリクロ・セスジ・フタオビ・ナガバ・オオ・チャイロ

・フトエリマキといったピドニア系小型種をはじめ・・・

 
ちょっと大き目の虫だとムネアカクロハナ・カラカネ

ハナ・ホンドアオバホソハナくらいしかいません。

まだ時間が早いためか?それとも虫の数自体が

少ないのか?? 

普通種ですらぽつりぽつりとネットに入る程度です。


 
う〜〜ん・・・。こりゃ、やってしまったかな、と。

変わった虫が見つかるどころか、普通種ですら数が少なく、採集しているという実感が湧きません。

まぁ、もともと半端な時期ですから覚悟はしていたんですけどねぇ・・・。


今日あたり、もっと別の場所に行けば良かったかなぁ〜と、少々後悔しながら別の行動を模索します。

それじゃ〜、倒木を叩いてモンタナスやミメクタでも探しましょう。







年々、状態の良い針葉樹系倒木が少なくなっていますが、それでもたまにまだ青臭い匂いが漂うような

良い感じの倒木も見つかります。少ないながらもそういう倒木があったので、何かしら採れるだろうと

叩いてみますが、たまにジョウカイの仲間やホソカタムシ系が落ちる程度で、カミキリの姿が全く見当た

りません。これ以上ないような状態の良い倒木でも、これほど虫がいないとは・・・。

もう完全に自信喪失状態。「もう帰りたい度指数」がかなり高くなってきています。


びお 「もうダメぽ・・・」

うめ 「いないもんは誰がやったって、いないんだからしょうがないよ」

びお 「うん・・・」

うめ 「さてどうするか・・・」

びお 「よしっ!気分を変えて黄色いアレ探してみようか!?」

うめ 「アレね。OK」


・・・・というわけで「黄色いアレ」を探す事にしました・・・。





 
例年であればもうとっくに野外活動しているものと

思われますが、標高が高めの場所であればまだ

材の中にいるかもしれません。

とりあえず、前に目星をつけておいたサルナシに

向かいます。しかし、飛んでいる虫の影は無し・・。

それにしてもサペル系はどうしてこう、首が痛くなる

ような種類が多いのか・・・。

 
いくつかのサルナシを見てまわりましたが、飛んでいる姿は見られず、それならばと標高をすこし上げて

材割をする事にしました。人や車が通る場所だと邪魔なせいか、よく伐られて置いてあったりするのです

が、それでも状態の良い材はなかなか見つかりません。

サルナシ材の探索を進めていると、同時によく見られるのがヤマブドウです。

たまたま状態の良いヤマブドウがあったので暇つぶしに割ってみる事にしました。

 
ハセガワトラなんぞもちょっと期待したのですが、

そんなもんいるわけもなく、食痕をたどると出るわ

出るわ・・・・シロオビチビヒラタが・・・。

花掬いでも採れているので、もうとっくに野外活動

しているのかと思ったら、まだ材の中にいるのが

多いんですね〜。

こうなるとサルナシ材探しも全く見当違いではない

かもしれません。引き続きサルナシ材探しを行う事

にしました。

   
うめ 「こういう材がいいんだよ〜」

びお 「どれどれ。ふ〜ん、けっこう太めだね」

うめ 「細くても蛹室なんかがあったりするから一概には言えないけどね」

びお 「うん。さっきから空の蛹室ばかりだよ・・・」

うめ 「太い材→食うとこ多い→幼虫でかくなる→成虫もでかくなる→羽化が少々遅れる」

びお 「な〜るほどね!そうするとまだ中に入ってる可能性が高いわけか」

うめ 「そゆこと。では見てみますか」

残った樹皮をはがしはじめる うめちゃん。 びおすけは近くで別の材を探していました。しばらくして・・・


うめ 「ひょえ〜〜!!」

びお 「な・・・なんだなんだなんだ??」

うめ 「出たーーー!」

  

びお 「おおお〜〜!!ムネモンヤツボシ!!」

うめちゃんが奇声を発するのも当然。丸々とした大型の♀がその姿を現したのでした。

蛹室を背中にして樹皮裏にへばりついていました。こりゃ、うまく樹皮をはがさないと、探してる途中で

うっかり落としてしまう危険性がありますね。それにしても、うめちゃん・・・さすがです。

結局、見つかったのはこの1頭だけでしたが、この時期でもまだ材採りができるという事が判明したの

は大きな収穫でした。
 

     

  
さて、材で採れるのはカミキリばかりではありません。

昨年、食痕らしきものは確認しているのでいる事はいるとは思うのですが、我らルリクワ好きとしては、

コルリやルリ・ホソツヤルリなんぞも、もしや!?と思ってしまうのは当然の事でしょう。

しかし、山の木々はすっかり葉が展開してしまっているし、成虫はさすがに野外に出て活動している

ものと思われますが、とりあえずルリ系の痕跡を探そうという事になりました。
 
  
適当な場所で車を止めて笹薮の中に入ります。

 
林内の開けた場所で材を探していると、ぶ〜〜んと

飛んできて目の前にポトッと落ちた虫がいます。

拾ってみると ルリヒラタムシでした・・・。


ルリ探しをしてるけど、ちょっとルリ違いでした・・・。

それにしても平たいですね〜。

  
材を探し始めてしばらくして、やっと見つけました!

しっかりと産卵マークがついています。材の状態

からするとおそらくコルリでしょう。

 
削ってみるとぽっかりと穴が開いて、中から幼虫が

顔を出しました。これでコルリがいる事は確認でき

ました。

うめちゃんも1頭幼虫を出していますが、その後は

しばらく出ていないようです。

これならルリもいるだろうと、大径木の立ち枯れを

探しますが、産卵マークは見つかりません・・・。

ホソツヤが好きそうな材も少ないながらもあるので

すが、なかなか痕跡が見つかりません。

 
このあたりはやはりコルリが濃そうなので、引き続

き林床に落ちている材を探しますが、産卵マーク

は見つかるものの、中身はもぬけの殻ばかりです。


すでに成虫は野外活動しているのは間違いあり

ません。

 
うめちゃんが太目の落ち材を手にとって、ひっくり

返したとたん、「あ、あ、あ、あ、あ・・・」。


何事かと近づいてみると、なんと!

コルリの♀が一心不乱で産卵の真っ最中!!


自然状態でコルリの産卵シーンを見たのは初めて

です。 しばらく観察させてもらいました。

林内が暗くちゃんと写真を撮れなかったのが残念。

 
これもボケボケですが、♀が付けたばかりの産卵

マークがびっしりとついています。

この材はもったいないので、そのまま現地に残して

おきました。

 


F産コルリ♀ (画像:うめちゃん提供)

 
そして今度はまたしても うめちゃんが立ち枯れに

へばりついている個体を発見!

やけに青く見えるので、これはもしかして?

 


F産ホソツヤルリ♀ (画像:うめちゃん提供)

 
ついにもう1種確認できました。 今日は うめちゃんノリノリです。

ルリクワはこの場所では確認できませんでしたが、いそうな雰囲気は十分あるので、もしかしたら

3種が混生しているかもしれません。

 
結果に十分満足したので、そろそろ引き上げようと

したところ、カエデ類の倒木に細長い虫がいました。


ツマグロツツシンクイの♀です。2頭いましたが、ど

ちらも♀でした。さすがに珍品の♂は倒木では見つ

けられないようです。やはり偶然でしか採集できな

いのでしょうか。

 
開けた場所を飛んでいたミヤマハンミョウ。

この周辺で見られる「ブラックタイプ」です。

ここでは9月くらいまで見られます。

それにしてもなぜ、この周辺の虫はカラカネハナ

やフタスジハナもそうですが、「黒いタイプ」が

見られるのでしょう・・・。謎です・・・。

  
・・・・というわけで、虫の数こそ少なかったものの

いろいろな新知見を得られて有意義な採集でした。

おつきあいいただいた うめちゃん、ありがとうござ

いました。

  
    


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