THE INSECT HUNTER
2008
0608
静岡

THE INSECT HUNTER 2008



              
雨天に祖母る!





   
ここしばらく週末になると天気がよろしくない。

「梅雨だから・・・」と言ってしまえばそれまでだが、サラリーマン虫屋としては何ともやるせない。



ここしばらく日曜日しか自由な時間がとれない びおすけとしては、せっかくの休日、家でごろごろ

と寝て過ごしたい気持ちが半分、虫採りに行きたい気持ちが半分といったところだが、

行ける時に行っておかないと後で後悔するのが虫採りというものであり、よって、天秤に

かけるとたいてい寝る事より虫採りの方に軍配が上がり結局出撃する事になるのだが、

いかんせん雨となれば、そのせっかくの心意気も萎えて縮こまるというものだ。




今日も今日とて雨の予報・・・。 さて、行くべきか、行かざるべきか・・・・。


 
 
・・・・・で、結局出かけてしまったのだが、山の峠に

さしかかったあたりから予報どおり雨が降り始めた。

標高をかせぐに従い、霧も濃くなり、フォグランプを

点灯しなければならなくなった。

「・・・あ〜・・・やっぱりやめればよかった・・・」

ワイパーで吹き飛ぶ雨粒を見つめながら思わず

つぶやく びおすけであった・・・。

    
雨が降ると知りつつ無理に出かけたのには理由がある。

かの しまちゃん情報によると祖母林檎が発生し始めたらしいのだ。いると知れば、早速飛んでいきたい

のが虫屋の性・・・。ましてや行ける時間が限られているのであれば、なおさら行かねばなるまい。


とは言え、虫採りにも好条件の場合とそうでない場合があるわけで、雨の日なんぞはそれこそ最悪の

悪条件と言わざるを得ない。虫はどこぞに隠れて見つからないし、捕虫網は濡れて使えないわ叩き網

はたっぷりと水を含んで腕が折れるかと思うくらい重くなるわ、で良い事が何一つとして無く、雨の日に

喜んで活動するのはカタツムリかアマガエルくらいのものであろうから、まともな虫とは縁の薄い日と

なるのがお定まりなのだ。


天気予報がはずれるか、または虫を採ってる時間だけ雨が上がってくれないか・・・という、はかない

望みを持って出かけたのだが、その望みは見事に玉砕されたのであった。

  

  
「・・・あ〜・・・やっぱりやめればよかった・・・」

と愚痴を繰り返すうちに、現地に到着してしまった。

車の窓から外を眺めれば、相変らず無情の雨は

降りしきっている。嫌々傘をさして外に出てみると

びおすけを迎えてくれたのは姫脚長黄金であった。

ガマズミなどの白花系に「雨?そんなの関係ねぇ!」

とばかりに群がっている。

 
傘をさしてトボトボと歩き始める。

いろいろな木を眺めながら歩いていると、節操の無い姫脚長黄金の他にはいくらか常識をわきまえて

葉裏で雨宿りしている黒瓜葉虫がぽつぽつと見られる程度。 見渡せば人っ子一人おらず、雨が降り

しきる林の中を傘をさしてトボトボ歩く自分が阿呆に思えてきて、この時点で「もう帰りたい度指数」90%

であったが、その残り10%の希望の理由は・・・・

    
食痕である。

祖母林檎は石楠花の葉裏の主脈を齧る。


いることは間違いないらしい・・・。

  
 
しまちゃん情報のとおり、石楠花は多いのでちゃんと探せばあるいは見つけられるかもしれない・・・。


この時点で「もう帰りたい度指数」、いきなり50%に・・・。

なんだか少しやる気が出てきたよ。
   

 
おお・・・しょぼいながらも祖母の痕跡・・・。


上を向くと雨が目に入って痛いが、雨のかからない下枝を探せばあるいは・・・?

この時点で「もう帰りたい度指数」、さらに30%に。 少し興奮気味に探しまくる。


で、良さそうな石楠花の前で粘る事30分・・・いねぇ〜す・・・・。


この時点で「もう帰りたい度指数」50%にUP・・・。

  
おお・・・これはけっこう食われた痕がある。

この周辺を探せばあるいは・・・? 

この時点で「もう帰りたい度指数」、本日最低値の15%まで低下・・・。

俄然やる気が起きてきて、下草なんかに落ちてやしないかと根元の雑草まで掻き分けて探すが・・・

      
いねぇ〜もんはいねぇ〜す。


この時点で「もう帰りたい度指数」80%まで上昇・・・。

 

祖母林檎の幼虫が内側からモリモリしたと思われる食痕は、あちこちの石楠花に見られる。

ああ・・・でも・・・・いるのにいない・・・。


「・・・あ〜・・・やっぱりやめればよかった・・・」

この時点で「もう帰りたい度指数」 100%を達成!

・・・つまり心が折れました il||li _| ̄|○ il||li


足元に枯枝がぶら下がっていたので、見ると祖母林檎が食った痕跡がある。

祖母林檎は生木喰いだろうし、もう入ってるわけないと思うけど、とりあえず後で割ってみて喰い進んだ

形跡を観察してみよう。


それじゃ、帰りましょうか・・・・。

  

  
件の枯枝は長さ約25cm、 直径2cm。

削ってみると食痕が縦横無尽に走り回っている。こりゃ、一体、何頭の個体が利用したんだろう・・・。

むむ・・・中が空洞で指で押すとベコベコした部分があるな。 面倒くさいから折っちゃおう・・・。

ペキッ!と・・・・ありゃ?

   
うそ・・・祖母林檎・・・・? キターーー!!

まだ材の中に入っていたのか・・・。

それにしてもこれ枯木かと思っていたけど、半生だったのかな?

いや〜・・・どう見ても枯木だなぁ〜・・・?
  
ソボリンゴカミキリ
Oberea sobosana Ohbayashi,1956

    
もしかしてまだいるかもしれない・・・。今度は慎重に・・・・。

それ!ペキッ!とな!
 

うおっ! 今度は蛹キターーーー!!

羽化直前だな〜・・・(これ書いてる時点ですでに羽化していた)。

 
う〜〜ん・・・。 

想定外の採れ方だったけど・・・・とりあえず 祖母林檎、ゲットできました。

情報をいただいた しまちゃんに感謝です。
    
    


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