THE INSECT HUNTER
2008
0405
神奈川

THE INSECT HUNTER 2008

                 
桜の頃。〜雪解けのブナ林〜






   
桜の花も満開で宴たけなわといったところですが、この時期身のまわりにこんなに桜があったのか、

と改めて思わずにはいられません。花の季節以外は普段特に気を止める事もないのですが、この

時期だけはどこに行っても自然と目にとまります。そして日本ってやはり桜のある風景が似合うな〜

と思いを新たにしている今日この頃であります。


時に、サクラといえばリンゴカミキリを連想するカミキリ屋さんも多いかと思いますが、知り合いの虫

屋さんにも熱心にリンゴカミキリの調査をされている方々がいらっしゃいます。びおすけがまだ若か

りし頃はなぜかわりと得難い種類だったように思うのですが、今ではこのようなリンゴちゃんマニア

の皆さんの努力により、身近にいるカミキリのひとつである事が判明しつつあります。

採集法としては、サクラの枝に穿孔している幼虫を枝ごと持ち帰り飼育して羽化させるパターンが

効率良く採集できる方法のひとつとして知られています。


さて、このリンゴカミキリ。同じ属にヒメリンゴカミキリやホソキリンゴカミキリなど、普通種と言われて

いるわりに飛んでるのを偶然ネットインするくらいで、野外で成虫を見かけることがさほど多くない種

類もいますが、これらの種類についてもホストに穿孔する幼虫を探して採集するのが有効ではないか

と思いつき、この2種が見られる場所に赴き、試してみることにしました。
   

    
いつもの場所に びおすけ号を止めてまわり

を見ると何となく雰囲気が違う気がします。

いつもは「草ボーボー」というイメージなので

すが、妙にスッキリしてるような・・・。

サクラの木の一部が伐採されて転がってい

ました。時期になったらヤツメカミキリとかに

出会える予感・・・。

 
昨年ここに来た時は、アブラチャンの木でヒメリンゴを狙おうと思い、粘ったもののなかなか飛んで

来ず、ようやく1頭採ったと思ってよく見たらホソキリンゴだったというオチだったのですが、その時は

「なんでアブラチャンにホソキが??」と思い、良く見るとアブラチャンの背後のクマノミズキにフジが

しっかりと絡んでいたのを見て納得しました。以前同じ場所でヒメリンゴもちゃんと採集しているので

この場所に2種がいる事は間違いないはずです。ちなみにこのアブラチャンにはトビイロカミキリや

クスベニカミキリといったクスノキ科樹木をホストとするカミキリも飛来し、良いポイントでした。
去年採集したクスベニカミキリ→




早速、そのアブラチャンを見に行くと・・

そこには・・・

   
「ああっ!! ナイ!!」



そのアブラチャンを見て愕然としました。

枝が綺麗に、それはもうすっかりと綺麗に

刈り払われていたのです。

これではヒメリンゴの幼虫が枝先に穿孔し

ていたとしたら、もう「終了〜!」です。

   
「こ・・・これはアカン・・・」

これはアカンこれはアカンと一人つぶやきながら、そのアブラチャンを見つめるばかり・・・。

以前、Genkaさんの採集記にイヌガシの枝先に穿孔したヒメリンゴの報告がありましたが、リンゴと

同じく生木の枝先に穿孔するものであれば、これはもう成す術がありません。

ただ見つめていても仕方ないので、これはアカンこれはアカンとつぶやきながら、地面に落ちている

枝を確認してみましたが、ご丁寧に伐採した枝も綺麗に片付けてあり、少なくともリンゴカミキリが

穿孔した痕跡を示すような枝はひとつもありませんでした。


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さて・・・・。 ここで気を取り直してホソキリンゴの可能性があるフジに目標を変更します。

そのフジはなんとか残されていたので少し安心しました。しかし、アブラチャン同様に刈られている

ので、幼虫の痕跡が発見できるかどうかはわかりません。

しばらくフジの周囲を探すと


                       「おおお!これは!」

 
まるで「絵に書いたような」ホソキ材です!

生木の先でそこだけ枯れていて、蔓の先は

欠損しており、脱糞孔が間隔をあけて並ん

でいます。

それはまさに・・・

 
    この図解のような状態です→



※「図説 長野県のカミキリムシ」より転載
  させていただきました

 
なんとかそれっぽいフジ蔓を確保し、他に

適当なアブラチャン材などを拾って集め、

その場所を後にする事にしました。

しかし、やはり消化不良感は拭えず、思い

つきで、前回足を運んだブナ林の様子を

見に行く事にしました。



 
 
現場着。

見渡せば、雪はすっかり消えています。

これなら、前回雪に埋もれていたコルリ材

も容易に見つかるはずです。

早速林内に突入します。

 
突入するなりコルリ材を発見。

地面に落ちている状態では、ただの樹皮が

ついた落枝ですが、拾って裏を見ると黒く

朽ちて産卵マークもしっかりついています。

 
・・・・が、しかし・・・・幼虫材でした。

立て続けに3頭出てきたので、他にも入って

るものと思われ、削らずにそのままお持ち

帰りします。

しっかし、なんでこう成虫に縁がないので

しょうか・・・。これはアカンです。

 
これはアカンこれはアカンとつぶやきながら

すっかり雪解けした林床にコルリ材を求めて

林内を徘徊します。

 
林床は一見乾燥しているふうに見えます。

落ちている材も一見乾燥しているように見え

ますが、拾ってひっくり返せばこのように

びっしりと産卵マークが確認できます。



・・・・が、しかし・・・成虫が出ません・・・・。

 
コルリ材を探して林床を見ていると、フレーク

が点在しているのに気づきました。

前回来た時はコルリ材同様、雪に埋もれて

おり、存在に気づきませんでしたが・・・。

見るといかにもオサムシが入っていそうです。

コルリ材を3〜4本確保したところで、オサム

シ探索に切り替えます。

 
ナタで崩してみるとすぐに出てきました。

ホソアカガネオサムシ。

この場所では「いつものヤツ」と言っても

過言ではなく、いわゆる優占種。

 
1頭見つけるとそのそばに多頭数入っている

事が多いので、慎重に崩してみます。

案の定、ホソアカガネが次々と出てきます。

実はまだここで見た事のないフジクロナガや

もしかしているかもしれないアルマンを期待

しているのですが・・・・。

 
        またホソアカガネ・・・

 
       こちらもホソアカガネ・・・

  
      そして時々 ルイスオサムシ・・・

  
      またまたホソアカガネ・・・

  
          時々 ルイス・・・

 
      結局・・・ ホソアカガネ・・・・

  
    

いつもながら、思いつきで採集しているので結果はこんなものです・・・。

ヒメリンゴの材採りには失敗し、コルリを探しながら最後はオサムシ・・・。この一貫性の無さが

もはや自分の採集スタイルと言っても過言ではありません。本格的なカミキリシーズンに突入

したらそうも言っていられないでしょうから、たまの休みに「ぶらぶら採集」できるのも今のうち。
  
     
割り出したコルリの幼虫は帰宅後、拾って

きた材に戻します。

うまく羽化してくれたらいいなぁ〜。

END
    

THE INSECT HUNTER 2008

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