THE INSECT HUNTER
2007
0908
山梨

THE INSECT HUNTER 2007


                 
           
’07 秋の陣〜裏セダカの巻





さて、9/12にリア・ディゾンちゃんの1st.アルバムが発売される今日この頃。


皆さんいかがお過ごしでしょうか・・・。 

びおすけ です。



秋の陣スタート!の掛け声もむなしく、雨や低温の日が続いておりましたが、

とりあえず台風も過ぎ去り、天候も回復したこの日、以前よりの懸案であった

とある場所のセダカコブヤハズを狙って出かけました。


「セダカもいるよ」と前から聞いていた場所ですが、フジコブしか見た事がありません。


実は、先に「甲虫採遊記」で紹介されていた場所なのですが、

るどさんに先を越され(抜け駆けとも言う・・・)遅れをとったものの、

るどさんが見事、件の「裏セダカ」を落としたという一報を受け、

これでは居ても立ってもいられず、いつものように

うめちゃんを引っ張り出して突撃してきました。
  

    

携帯メール着信音 「♪〜♪〜♪(リアちゃんの『恋をしよう!』)」

びお 「ん〜?誰からだ〜?仕事中に・・・・ あっ!」

るど 『セダカゲット!○○にて2頭』

びお 「何ぅぅぅぅ〜!一緒に行こうって言ってたのに〜〜!」


るどちんに電話し問い詰め、採集状況を白状させ週末の採集に備える事にした。

そして当日朝、いつものように うめちゃんを召喚して びおすけ号で一路現場へ。

珍しい獲物を狙う時にはかかせぬ助っ人(カプセル怪獣とも言う・・・)の 「ウインダムうめちゃん」

だが、聞けば最近スロットで一山当てたという。むむ〜・・運を使い切っていなければ良いのだが。

いつもなら途中ふらふらと寄り道しながら目的地へ向かうのだが、この日ばかりは、一目散に

「裏セダカ」の場所へと車を飛ばした。

あっ!という間に現場に到着し、早速採集準備をして歩き始める。
 

   
山道には台風のせいでなぎ倒された大木が

道をふさぐように横たわっている。相当の雨

も降ったと思われるが、湿度はそう高くなく、

もっとズルズルベッチャンコを想像していたの

で意外であった。早朝にもかかわらず、この

状況では時間が経てば乾燥がより進むもの

と思われ、先を急ぐ事にした。

 
所々に林内に分け入る小道があり、そんな場所を見つけては立ち入って少し叩いてみる。

ササに乗っかったブナやシデ、カエデ類の枯葉は思った以上に少なく、叩く場所に困るほどだ。

「これはっ!?」と思う枯葉もたまに見かけるが、アリガタハネカクシやモリヒラタゴミムシの仲間

がパラパラと落ちてくる程度。セダカはおろかコブの姿形も見えない。

 
ハネカクシがよく落ちるので、少しつまんで

おいた。これもそのうちのひとつ。

カタモンブチヒゲハネカクシ
Anisolinus picticornis SHARP

光を当てると上翅が青く光り綺麗な虫だ。


   
スタート位置周辺では針葉樹が優占だが、

しばらく歩くと広葉樹が多くなってくる。

しかし、叩きたくなるような枯葉は相変らず

少ない。台風の風でみんな吹き飛ばされて

しまったのであろうか??

   
少ない枯葉を捜してササの中に分け入る。 びおすけの使用している1m×1mの叩き網は

このような場面では非常に使いにくい。狭い場所でちょこちょこと叩くには全く不便なシロモノだ。

苦労してブッシュの中に突っ込んで、慎重に一枚の枯葉を叩く。しかしクモやカメムシくらいしか

落ちてこない。いい加減疲れた頃に、ウインダムうめちゃんが声を上げた。


うめ 「落ちた〜!」

びお 「おお!?セダカ??」

うめ 「・・・・・いや・・・・フジコブだな〜・・・」

びお 「えっ!?フジコブ?? おかしぃ〜な〜??」


うめちゃんがフジコブをもう1頭追加し、疑問が湧いてきた。フジコブとセダカではセダカの方がより

低い標高に生息圏を持つイメージがある。となると、まだここでは標高が高いのか?それともポイ

ントをはずしているのか?? 見当違いの場所で探しているのか??

 
頭の中が「???」になりつつも、もう少し歩いてみようという事になった。

とにかく枯葉があれば叩くのみ、である。 で、こんな場所を叩いてみる。

 

びお 「あっ!落ちた!」

うめ 「セダカ??」

びお 「いや・・・・フジだねぇ〜・・・。なんで・・・?」


ますます不安感がつのる。フジとセダカの混生地ならセダカも落ちていいはずだし、もしフジとセダカ

の間にいわゆる「非武装地帯」があるのであれば、セダカを採るにはもっと場所を移動する必要が

ある。あまり考えていても仕方ないので、当初の「セダカは低標高」というイメージに従って、さらに

山道を下る事にした。


道脇のササを叩き、時に横道にそれてヤブ漕ぎをし、叩いて叩いて叩き続けるが・・・何も落ちては

こない。やはり「非武装地帯」というゾーンなのだろうか?? もしそうであればさらに下ればセダカ

に会える可能性もあるのだが、もしそうでないとすれば・・・。


徐々に日が高くなり、陽射しが強くなってくる。どちらかというと、コブ叩きよりもオオトラ日和という

感じがする。暑さでしたたり落ちる汗が目に入る。叩き棒を持つ腕もそろそろ痛くなってきた。

疲れてきた・・・・。 いっその事、もう戻ってオオトラでも探すか・・・。
 

 
その時・・・

「逃げちゃダメだ・・・逃げちゃダメだ・・・」

エヴァンゲリオンの少年のセリフが頭の中を

横切る(※注 アニメオタクではありません)

そうだ。今日は珍しく「裏セダカ」一本に絞っ

てきたんだ。採らねば帰れまい!



   

   
へたりながらも気持ちを奮い起こし、歩き続ける。

山道をだいぶ下った頃、それまで鬱蒼としていた林内の雰囲気が急に変わった気がした。林床が

ササで見えない状況がずっと続いてきたのだが、山の地肌が見えるような開けた雰囲気になって

きたのだ。道の脇には相変らず背の高いササがあるのだが・・・。

それまでと何の変わりもない、そのササについた枯葉を叩いてみる。

「ポトッ」と黒い影が落ちた。 「あっ!?」

    

キターーーー!!

   
 
この長い触角、寸詰まりの胴、異常に盛り上がった背中・・・・。

間違いなく「裏セダカ」だ!!

イワワキセダカコブヤハズカミキリ
Parechthistatus gibber shibatai Miyake,1980

   
こんな「ショボイ」枯葉についていた・・・らしい・・・。

セダカには格別の想いがある びおすけ。

どこで採っても感激なのだが、今回のはまた別格のうれしさだ。

よしっ!これでいる事はわかった。自分たちの考えは間違っていなかった!

こうなればこの辺をガンガン叩いてやろうじゃないの!!

2〜3歩進んで同じようなササを束にして、思い切り叩く。

こういう豪快な叩き方には1m×1mの叩き網は絶大な効果を発揮する。 

「どりゃぁぁぁ〜!!!」
  
   
キターーーー!!

今度は♀キターーーー!!

そして立て続けに・・・・

 

もういっちょ♀
キターーーー!!

   
ほんの10m歩く間に「キターーーー!!」の3連発。

これは楽勝!と思ったのも束の間・・・。今度はいきなりパッタリと採れなくなった。

この周辺が「濃い」に違いないので、林内を含めてくまなく叩いたのだが、後続は全く無く・・・。

あの強運のウインダムうめちゃんにさえ、虫の神様が微笑む事はなかったのだ。


後で思い起こすと、おそらくあの近くに発生木があって、たまたま集まっていたのだろう・・・。

さすがに「裏セダカ」だけあって一筋縄ではいかないようである。

 
何はともあれ、採れてよかったのだが、後にるどちんに確認すると、るどちんが採った場所とは

全くかけ離れていた事がわかった。その事により、「裏セダカ」の垂直分布範囲は思いのほか広く、

途中にフジコブの生息圏が湾入している様子がうかがえる。

全く何も落ちない場所は、本当に「非武装地帯」であったのか、また2種の混生地はないのか、

あるとすれば種間雑種の可能性はないのか・・・。

また新たな興味が湧いてくる。 「コブ」の世界は本当に奥が深い・・・。


                           END
    



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