THE INSECT HUNTER
2007
0504
東京

THE INSECT HUNTER 2007


                 
           
夏日。〜GWプチ採集〜



   
社会復帰後(?)、久々の軽い山歩きをしてきました。 特に何が狙い・・・というのは無いけれど、野山

の季節の進み具合を体で感じてみたかったのであります。あえて狙いを言えば歩きでカロリー消費!?

でも、消費したカロリー以上に後で食べてしまう事が多々あり、むしろ逆効果か!?

左目にまだ不自由を感じる事があるため、久々に うめちゃん号に便乗させてもらい、軽く足慣らし程度の

ハイキングコースを目指します。


こんな風に書くといかにも病人ぽい感じですが、無理しなければ動くことには何の不具合もありません。

むしろ動くように心がけています。ひとつ不具合があるとすれば・・・・最近遠くのモノに加えて近くのモノ

も見えにくくなってきた事でしょうか!? 高い位置の花などをスイーピングしてネットを手元に引き寄せ

網の中をいきなり覗くと、目の焦点が全く合わず苦労します。 これって「ROHGAN」!?


まあ、歳のせいの体の不具合を嘆いていても仕方ないので、勢い、虫採りに出かける事にしましょう。
 
 
と、言うわけで、あっさりと目的地に到着。GWなの

で、時間がかかるかと思ったら道路もすいてて拍子

抜けしました。


すっかり濃い緑に覆われた森は、濃いフィトンチッド

を発散させており、この時期独特の緑の匂いが鼻腔

を刺激し、さらに五感を活性化させてくれます。
 
 
道沿いにはいろいろな枯れ蔓がぶらさがっており、

いかにも何か食っていそうな感じです。

特にフジが目立つのですが、そのうちの1本を引き

下ろして、うめちゃんが削ってみます。

フトカミキリ系の幼虫が見られますが、おそらくアト

モンとかナカジロなどのサビカミキリ系でしょう。

割り出した幼虫は材と共にテイクアウトします。
 
  
ウツギやらキブシやらの枯枝とかが絡まった、よく

わからん状態のブッシュ(?)が見受けられますが、

そういった場所も甲虫の隠れ家としては最適なので

立ち止まってはビーティングを繰り返します。

すると下のような雑甲虫が得られるわけで、たまに

思わぬ獲物が採れる時があり、それがビーティング

の醍醐味でもあるわけです。

  
ツツヒラタムシ 
Ancistria apicalis Reitter,1889


この虫は初採集でうれしかったのであります。
独特の雰囲気がフェチ心をくすぐります。
かなり、イイ味出してます。
クロオビセマルヒラタムシ 
Psammoecus fasciatus Reitter,1874


この虫は枯枝をビーティングすると、よく
落ちてきます。 ただミクロ系の虫なので
ROHGANには堪えます。


   
   
こちらはアオキとかの常緑樹の枯葉系。

クモとかヤスデ・ムカデ等の多足なヤツらが落ちてく

る可能性も高いけど、こういう場所を見逃しては甲虫

屋さんとは言えません。 というわけで嫌だけど一応

ビーティングしてみます。


するてぇ〜〜と、下のような甲虫が得られました。

  
フタホシアトキリゴミムシ
Lebia (Poecilothais) bifenestrata
Morawitz,1862


アトキリ系のゴミムシは模様や色が綺麗
な種類も多いし、体型や顔?も可愛く
びおすけ的に好みの一群です。
ダンダラカッコウムシ
Stigmatium pilosellum (Gorham,1878)


このカッコウムシの仲間も甲虫屋さん的に
ついつい手が出る虫ではないでしょうか。
叩き網やネットに入ってるとうれしい仲間です。
   
 
アカアシヒゲナガゾウムシ(?) Araecerus tarsalis (Sharp,1891) ??

アオキの枯葉で特に多く見られたのがこの虫なのですが、ヒゲナガゾウムシである事は
わかるものの、ちっこくて微妙な虫なので、本当にアカアシなのか自信が持てませぬ・・・。
これまた、ちんまい虫なので ROHGAN に堪えます・・・。


   
   
コツヤホソゴミムシダマシ Menephilus lucans Marseul,1876

モミの倒木に見られたゴミダマ。前胸のエッジといい、鈍い光沢といい、
古(イニシエ)の鋳物の甲冑を思い起こさせますね〜。カッコイイです。


   
さて、時間も9時をまわり徐々に気温が上がってき

ました。天気も良いし、かなり暑くなりそう・・・。


気温が上がるにつれてどんどん虫も出てくるでしょう。

   
相変らず、道沿いにはフジの枯れ蔓が多く、道の

真ん中で空中にぶら下がってるのもあり、そういう

風通しの良さげなモノは特に虫に好まれるのか?

叩き棒で叩くとサビカミキリ系が十数頭、雨のよう

にパラパラと降ってきます。
 
 
ナカジロサビカミキリ
Pterolophia (Ale) jugosa jugosa
(Bates,1873)


アトジロやトガリシロオビ、下のアトモンと合わせて

普通種四天王みたいなサビ系ですが、出会えると

うれしいのは事実。 綺麗なカミキリです。

まあ・・・あえて採ろうとは思わないのですが・・・。
  
 
アトモンサビカミキリ
Pterolophia (Pterolophia) granulata
(Motschulsky,1866)


う〜〜ん、狙ってないのに採れてしまう種類の一つ

ですね。この個体数の多さ、繁栄の仕方は、やはり

ホストの多様性からきているのでしょうか。

これら意外にも下のようなゴミダマ類もよく落ちて

きます。
 
 
ルリツヤヒメキマワリモドキ 
Simalura coerulea (Lewis,1894)


一般に珍しいとされているようですが、びおすけ的には縁がある虫のようで、
あちこちでよく出会う虫のひとつです。最初に採集した時はハムシかと
ばかり思っていました・・・! ゴミダマらしくないゴミダマだと思います。
クロツヤキノコゴミムシダマシ(?)
Platydema nigroaeneum Motschulsky,1860


この一群は、いまいち特徴が掴めず苦手です。
本当にクロツヤかどうかも疑問・・・。なんとなく
「角」が短いのでそうなのかな・・・と・・・。
ヒメナガキマワリ 
Strongylium impigrum Lewis,1894


この種類は山ではよく見かけますが、好きな
種類なのでついつい採集してしまいます。
特に地域変異があるわけでもないのに・・・。

  
道沿いには枯れ蔓ばかりではなく、いろいろな枯木

もころがっているので、それらも叩きながら歩きます。

ちんまい甲虫をはじめとして、いろいろな虫が落ちて

きます。

  
チャバネキクイゾウムシ 
Heterarthrus lewisi Wollaston,1873


これも枯木を叩くとよく落ちてくる種類で、
どこでも個体数が多いようです。
ゴマフカミキリ 
Mesosa (Mesosa) myops japonica
Bates,1873


言わずと知れた、「オヤジ」でありますが、
そもそもなんで「オヤジ」と呼ばれるように
なったのでしょうね!?
   
 
サルナシの蔓。フジやヤマブドウと比べるとあまり

見かけない気がします。場所にもよるのでしょうが。

ちょっぴり期待したムネモンヤツボシカミキリは残念

ながら見られませんでした。
   
 
本当に良い天気で、陽射しも強くなってきました。

こんなに天気が良いと紫外線量もスゴそうです・・・。

         まさに 「夏日」。

日影で休んでいるとなんとなくホッとします・・・。

おかげさまでカロリーの消費もグングン進んでいる

気がします。
   
 
カロリー消費と同時に気温もグングン上がり、虫の

動きもだいぶ活発化してきました。

水気のある場所では、ウスバシロやツマキ、テング

などの蝶類が忙しなく飛び回りはじめています。

ここらで、叩き網をしまい、ネット竿に切り替えます。

花に来る虫も多くなりそうです。
  
 
マルバウツギ・コゴメウツギなどの白い花が所どころ

に見られます。手の届く場所はすべて掬うようにし

ます。網の中を覗くとジョウカイ系がとにかく多いの

ですが、たまにフタオビノミハナカミキリが入っていた

りします。

    
適当に掬っているとヒゲナガコバネ系が入りました!

ところが写真を撮ろうと苦戦している間に残念な事

に逃げられてしまいました・・・。

これも ROHGAN のせい!?

たぶんコジマだったと思うんだけど・・・、他の種類

だったらくやしいなぁ〜・・・。
   
 
くやしまぎれに花を救い続けていると、今度は

メダカ系がネットイン。もう逃がすのはイヤなので

即、毒ビンに入れてしまいましたが・・・。

採った時は大き目のタカオメダカかとばかり思って

ましたが、後でよくよく見ると

トワダムモンメダカカミキリ
Stenhomalus lighti Gressitt,1935


でした。材以外で野外で採集したのは初めてだった

ので、ちょっとうれしかったです。

 
少し道からはずれて山の中に入ってみました。

林内に入ると意外とモミが多いのに気づきました。
倒木も少ないながらあります。
樹皮を少しめくるとアオハムシダマシ系がいました。

この仲間も分類学的にだいぶ種類が増えたようです
が、分布域から考えると

アオハムシダマシ
Arthromacra viridissima Lewis


になるのでしょう。

 
モミの生木を見ると、過去のオオトラ食痕があるのに

気づきました。 樹液が出ているのは見た限りでは

ないようですが・・・。 それでも可能性が無いわけ

ではありません。時期になったら一帯を見回るのも

いいかもしれません。

   
他所でよく見かける感じと違って、食痕がやたらと

長いのが印象的です。

オオトラかぁ〜・・・。 いいですねぇ〜オオトラ・・・。

  
あまりいっぺんに歩きすぎると疲れるので、今日は

ほどほどにしておきます。

葉をスイープしながら、来た道を戻ります。

   
キイロクビナガハムシ
Lilioceris (Lilioceris) rugata
(Baly,1865)


この虫を見るといつも思うのですが、これって
ほんとにキイロクビナガ? 赤い個体ばかりで
黄色い個体なんて見た事ないんですけど??
シロトラカミキリ 
Paraclytus excultus Bates,1884


トラ系ではヒメクロやエグリに続く普通種
だと思っているのですが・・・。つい模様の
カッコよさで採ってしまうんですね〜。


    
ああ、久々に山を歩いたって気がします。

登り降りはほとんどないのですが、それでも暑さの
せいか、けっこう疲れました。とは言っても、残った
のは心地良い疲労感です。

季節は、あっという間に進んで待ってはくれません。
今日見られた花も来週にはもう散ってないかもしれ
ません。

できるだけ多く野外に出かける機会を作りたいです。

   
    

THE INSECT HUNTER 2007
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