THE INSECT HUNTER
2007
0114
千葉

THE INSECT HUNTER 2007


                 

     
メタアクリル酸の誘惑〜オサ堀シリーズ(2)
 

 1月某日、びおすけはオサムシのとある特産亜種を求めて千葉県某所へと旅立った。 

 しかし、当日は記録的な暴風に見舞われ採集が困難となり、求める虫を見つける事ができぬまま、

 泣く泣く退散する事とあいなった。

 しかし、その虫に出会うという夢を捨てきれぬ びおすけは、しまちゃんとうめちゃんという同好の志

 を得て、再び同地へ向かう決意をした。


 これはそんな「オサ堀大好き」な三人の男たちの物語である・・・・。


   



1月某日の成果「アカオサ」。しかし本当の目的はこのムシではなかったのだ・・・・。

  

(目的地へと向かう車中にて)

うめ 「で、そのアワカズサオサって大きいの?小さいの?」

びお 「・・・・どっちかって言うと小さいかな・・・・」

しま 「ルイスオサの亜種ですよね?」

びお 「でも、アワカズサの方が祖先型らしいよ」

うめ 「ふ〜ん。で、ルイスとアワカズサってどこがどう違うの?」

びお・しま 「ん〜〜?・・・・・さぁ〜・・・・?」

うめ 「・・・・・・」

しま 「最初に行くK山ではエサキオサも産するんですよね?エサキとアワカズサ両方同時に
    採れたら見分けつくかなぁ〜・・・?」

びお・うめ 「ん〜〜?・・・・・さぁ〜・・・・?」

しま 「・・・・・・」

びお 「で・・・でも僕らオサ堀大好き人間だろ?オサ堀ができるってだけでいいじゃないか!
    細かい事考えるなよ! きっと楽しくなるよ!」

しま・うめ 「うん!そうだね!」

びお・しま・うめ 「わははははははははははははははははははははは!!」



(そうこうするうちに目的地が近づいてくる)
  

         
びお 「標高が高いとエサキで低いとアワカズサ
    が採れるって話だよ」

うめ 「ここはちょうどアオオサとアカオサの分布
    の境界になるんでしょ?」

びお 「うん。ここだとたぶんアオオサ・・・・」
       
       
びお 「なんかスギの植林が多いけど・・・
    ここらでどう?雑木もあるし・・・・」

(車を停める)

しま 「じゃ〜早速始めますか!」

うめ 「オサ堀なんて20年ぶりだなぁ〜」

びお 「それじゃ〜ぐっどらっく!」

   
(状況の確認のため歩くしまちゃん&うめちゃん)


びお「気をつけてねぇ〜・・・(二人を見送りつつ)」
(びおすけの心の声)

・・・・ふふふ・・・ここはまず、いきなりヒメマイマイカブリをゲットして、彼らとの格の違いを見せ付けて

やらねばならないな・・・。 

まずは良い状態のフレークを探さなければ・・・・よし、ギャフンと言わせてやるぞ!〜っと!



しま 「びおさ〜ん、マイマイ採れたよ」

びお 「ギャフン!」

    

     
マジか・・・・!? 1頭目がマイマイ!? まだ始めて5分も経ってないぞ!?

    
しま 「う〜ん、もう目標達成しちゃったなぁ〜」

びお 「先生!マイマイどこにいたんですか!?」

しま 「すぐそこのクリの立ち枯れ」


(しまちゃんに案内してもらう)


びお 「はぁ〜、これですか〜」

しま 「樹皮裏の土状の部分ね」

びお 「なるほど・・・・勉強になりますっ!」

     
びお 「じゃ〜私もフレークをば・・・」

(手近にあったフレークを削る。その結果→)


びお 「・・・・どうせ私はゴミムシレベル・・・」


(そこへうめちゃんが戻ってくる)

びお 「戻ってきたな。でも何も採れていまい・・・」

    
うめ 「ここらの崖は砂質土だね〜。
    越冬窩が崩れて確認ができないよ」 

びお 「何も出ないでしょ」

うめ 「いや、オサムシ出たよ」

びお 「ウソッ!@@」

  
うめ 「何オサかなぁ〜?」

びお 「先生!これはエサキですよ!」

うめ 「ふ〜ん、じゃ〜あげるよ」

びお 「あ・・・ありがとうございます!」

エサキオサムシ
Carabus (Ohomopterus) albrechti
esakianus (Nakane,1961)


 (うめちゃん、その後同じ砂質土の崖からにアオオサを掘り出す事に成功。
  この場所のアオオサは横浜周辺のものと全く同じ色合いの「普通の」アオオサであった)


びお 「・・・・ここのは普通のアオオサであることが確認できたね」

うめ 「うん。 ・・・・ところで、しまちゃんは?」

しま 「お〜い!マイマイもう1頭追加したよ〜」

びお 「グハッ!!マジですか!?」

しま 「1頭目と同じクリの立ち枯れにいました。良いフレークが少ないからいるとすれば集中してるかも」


 (その後、しまちゃんが目をつけた「おいしそうな崖」を3人で攻める)

びお 「ひぃ〜!足場が悪い。木の根っこ掴みながらじゃポジション安定しないな〜」

うめ 「何か出た?」

びお 「何も出ませんが・・・何か?・・・・」

しま 「え〜?こっちはエサキ・アオオサ・トウホククロナガ出てますよ」

びお 「・・・・・・・・・・おめでとう・・・・・」

しま 「お?これなんだろ〜?マイマイの幼虫?」

びお 「うん、そのようだね〜」

  
びお 「う〜ん・・・キモカッコイイね!」

しま 「飼えるかな〜・・・」

びお 「さぁ〜?・・・・」

しま 「戻しておこう・・・・」

    
びお 「さて・・・・そろそろ移動しますか?」

うめ 「次はアカオサだね!」

しま 「アワカズサ採りたい・・・」

びお 「しっかし、しまちゃんあとアカオサとアワ
    カズサ採ったら、コンプリートじゃない?」

うめ 「たいしたもんだ」
しま 「ところで びおさんはオサ採れたの?」

びお 「・・・・・それを聞かないで・・・・_| ̄|○ 」


(次の目的地に移動)


    
びお 「ここがT山です」

うめ 「前回どこらへんで採れたの?アカオサ」

びお 「ここです」

しま 「へぇ〜こんな場所で・・・・」
   (足でちょこっと崖を崩す)

しま・うめ・びお 「あ!アカオサ!(爆」

びお 「これ前回埋め戻したヤツだよ・・・」

しま 「採ってもいいのかしら?」

びお 「・・・・いいんじゃない?w」

   
うめ 「ここは最後の『保険』としてとっておいて、別の場所を探索しよう」

びお・しま 「そうしよう」

(地図とにらめっこしながら車で移動する)


しま 「山の北側にはりつくにはグルっとまわりこまないといけませんね」

びお 「なかなか良さそうな場所がないなぁ〜・・・。 そこの脇道なんかどうだろう?」

うめ 「とりあえず行ってみるか・・・」


(車を停め、しばらく探索するがオサムシがいそうな気配なし・・・・・・・・・・・・・)

     

びお 「どうだった?」

うめ 「だめ。全然いない」

しま 「1頭採れましたよ!」

びお・うめ 「ウソッ! さすが!」

   
しま 「何オサかなぁ〜・・・?」

びお 「先生!これアワカズサですよ!」

うめ・しま 「おおお〜!!ついにキターー!」

びお 「いいなぁ〜・・・おめでとう!」

しま 「かなり高い位置の崖にいました」

びお 「しかし・・・数少ないのかな〜。
    別の場所を探してみよう」

(車で移動・・・・)

 
   
  
うめ 「ちょっとストップ!今の脇道なんかどう?」

しま 「いいかもしれないね」

びお 「では、行ってみますか」

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うめ 「ちょっと崖乾燥してるね。日当たりいいし」

しま 「でも表面はガレっぽいけど、掘るといい
    感じの場所もありますよ」
     
  
しま 「あ!出た!」

びお 「しまちゃん、また出したよ〜。もしかしてあなた神?」

うめ 「何オサ?」

びお 「アワカズサだね〜。いるんだねここにも」

うめ 「よし、がんばろうっと」

  
びお 「うむ。粘土質でいい感じの崖だ。少し
    水っぽい感じもするが・・・あああ!」

しま 「どうしました?」

びお 「サンショウウオ出た・・・」

しま 「サンショウウオか・・・」

びお 「いいだろ〜。
    くやしかったら出してみな!」

しま 「くやしくないし・・・」
    
 

        
  

びお 「もういい加減オサ出ろやぁ〜・・・・・。 あっ!キターーーー!! アワカズサだ!やった!
    え〜と写真撮って、毒ビン・・・毒ビン・・・っと・・・・。
    
    あれ?あれ?え?え?落としちゃった!」

うめ 「どうした〜?」

びお 「あ〜〜ん!せっかくアワカズサ出たのに落としちゃったよぉ〜!」

うめ 「あらあら・・・。完全に運に見放されてるね・・・。まぁ、君らしいと言えばそれまでなんだが・・・」

  

しま 「あ、何だろ?・・・・あ〜なんだまたこいつかよぉ〜・・・」

びお 「これオサムシと紛らわしいね。大きさもアワカズサより大きいくらいだし・・・」

しま 「越冬窩も大きいし、深いよね」
 
    
とにかくどこを掘っても出てくるゴミムシなのだが
似て非なるタイプが見られる(右画像→)。

おそらく両方ともスジアオゴミムシ
Haplochlaenius costiger
(Chaudoir,1856)


で、左が♀右が♂だが、♀の前胸・頭部には
粗い点刻と横じわが見られ、上翅側縁が緑に
光るため、アオヘリアオゴミムシとも考えられる。

しかし、体型的には♂個体の方がアオヘリアオ
っぽい感じがしてよくわからない・・・。

      
採集はしなかったけど・・・ミイデラゴミムシも

集団で見られる事があり、例の「バフッ!」と

いう大きな音と共にガスを発射しまくっていた。

他にもゴミムシ、特にアオゴミムシ系が何種か

見られた。

    

   
上左:コキベリアオゴミムシ
Chlaenius (Chlaeniostenus)
circumdatus Brulle,1835


上右:コガシラアオゴミムシ
Chlaenius (?) variicornis
Morawitz,1863


右:アトボシアオゴミムシ
Chlaenius (Ilaenchus) naeviger
Morawitz,1862



そして・・・・・

 
オオサカアオゴミムシ! キターーー!!
   
一部マニアに人気の オオサカアオゴミムシ

Chlaenius (Callistoides) pericallus
Redtenbacher,1867



しかし残念ながら不完全体・・・・。


こういったところが びおすけらしいと思う・・・。

    

         
結局、ここでも成果が振るわなかったため、

再びアカオサポイントに戻ることにした。


うめ 「とりあえず近くを探してみよう」

しま・びお 「あい」
3人散り散りとなって、マイポイントを探すものの

なかなか良い場所が見つからない・・・。

しばらくして びおすけの携帯が鳴った。


しま 「どこですか〜?」

びお 「車の近くにいるよぉ」

しま 「採れました?」

びお 「・・・・・全然・・・・」

しま 「こっちは出てますよ〜!」

びお・うめ 「な・・・・なぬぅ〜〜!!」


しまちゃん・・・本当に恐ろしい男だ・・・・。

びおすけとうめちゃんはその場所へ急行した。


     
しまちゃんが発見した崖を掘る。

しかし、なぜか後続が無く、いたずらに時間が

過ぎていくのみ・・・。


びお 「お・・おれ、まさか今日オサNULL?」

そう思った、その時!

   
あ!赤いのキターーーー!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   









        
          
     
違った・・・・・












       
あらためて・・・・赤いのキターーー!!
       

やっと・・・・アカオサムシ 1頭・・・・

  

アオオサムシ(アカオサムシ)
Carabus (Ohomopterus) insulicola
insulicola Chaudoir,1869



うめちゃんがここでゲットした♂(赤いの)と

びおすけが唯一発掘した♀(黒いの)。


びおすけ、結局また目的のアワカズサは

ゲットできなかったよ・・・・。

    
しまちゃんが哀れんでめぐんでくださった

アワカズサオサムシ
Carabus (Ohomopterus) lewisianus
awakazusanus Ishikawa ,1981


びおすけ、ついに悲願を果たせず、しまちゃん

とうめちゃんに慰められつつ、さらなるリベンジ

を誓って、泣く泣くこの地を後にしたそうな・・・。
今回は しまちゃんの野性的な勘と天性の採集上手を目の当たりにした。 いきなり千葉産オサムシ

ほぼコンプリートという離れ業・・・・。これはやはり「凡人」には超えられぬ「壁」なのか!?

また、20年ぶりにオサ堀でつきあってくれた うめちゃんにも励まされ、なんとかオサムシNULLはまぬ

がれた びおすけであった。お二方、どうもお疲れ様でした&ありがとうございました。


                   ・・・・また房総でお会いしましょう・・・・(爆
   
    

THE INSECT HUNTER 2007
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