THE INSECT HUNTER
2006
0814
山梨
THE INSECT HUNTER 2006

  
                 

            
晩夏〜秋の陣2006・前哨戦



さて・・・今年もそろそろ秋モノのシーズン到来です。


春から梅雨明けのシーズンにかけては、期待感で鼻歌混じりのワクワク状態なのですが、秋のシーズ

ンに入ると、なぜか急に緊張感が高まるのは私だけでしょうか・・・?

秋の虫は1点に狙いを絞って採集に出かける事が多く、例えば1頭のクマを狙って追い続けるマタギの

ように「狩り」的要素が強くなるからでしょうか、「狙った獲物は採る!」という意思が高まることは確かだ

と思います。

今年は特に天候不順で泣かされた事も多く、最後に一花咲かせたい、と思わずにはいられません。


この秋・・・・あなたは何を狙って出かけられますか・・・?



今回はとりあえず、山の季節の進行状態を確認するべく、下見という形で出かけました。

下見と言えど、もちろんいれば採るつもりです・・・。アレとかコレとか・・・。

ただ、相変わらず天候が不安定なのが唯一の気がかり。昨日、イッシキキモンを狙って歩きまわった

翌日なだけに体力にも不安が残るものの、行ける時に行っておかないと・・・という気持ちです。

現地で るどさんと待ち合わせして、うめちゃんと共に車で向かいます。


ところが、高速のIC手前で事故渋滞。1時間近くのロスがあり、現場に到着するのがだいぶ遅れて

しまいました。この時期、天候以外に渋滞という罠があったことを忘れていました・・・。
  
 
     
どうにかこうにか、待ち合わせ場所に到着。1時間も

遅れてしまったため、当然、るどちんの姿は無し。


「あああ〜どこに行ってしまったかな〜?」


ふと足元を見ると・・・・・・    →

あああ、あっちへ行ったのね・・・了解w

  
   
るどちんと言えば、首を長くして待ってた本がやっと

出ましたね。もうすでに手にされた方が多いとは

思いますが、その内容の充実度に驚かれた方も

多いはず。それにしてもとうとう本まで出してしまう

とはねぇ・・・。この人、よっぽど虫が好きなのね・・。

まだ読まれていない方は是非、ご一読を・・。
 
おまけのステッカーは携帯にもピッタリ!

出版の時期に合わせたかのように、ルリボシ・

オオトラ・イッシキキモンの3種類。

それにしても、るどちん、絵の才能もあるよね〜。

ほんとに多才な人ですよね〜。

    
 

るどちんがいると思われる場所へ移動。

るどちんが今日、何を狙ってるか知ってるからね。

もうあそこしかない。


着いてみると、思ったとおり、るどちんの姿があった。

一同 「おはよ〜」 「おはよ〜」

びお 「いやぁ〜渋滞に巻き込まれてマイッタよ」

  
ふと 見るとチェアーが置かれている・・・。

あああ、この人、ここで一日粘るつもりだよ・・・。

びお 「で、どう?飛んできた?」

るど 「いやぁ〜、まだですね〜」

狙ってる獲物はまだのようだが、聞くとすでに下の

方でフジドイ(仮称)やヒゲナガモモブトを採集して

いるとの事。

 
ここで粘るつもりの るどちんを残して、自分らも様子

を見に、うめちゃんといったん下へ戻る事にした。

車を降りて、適当に散って探索開始。

適当にしょぼい枯枝を叩くと、本日最初の収穫、

カッコウカミキリが落ちてきた。地味な色のチビコブ

の仲間の中にあって、唯一「色虫」な本種。

びおすけ的にはけっこう好きな種類です。
カッコウカミキリ

Miccolamia (Miccolamia) cleroides Bates,1884

   
今度はフジドイ(仮称)を狙って倒木の枯枝を叩く。

葉っぱ付きの倒木はほとんど見当たらない。

でも、フジドイ(仮称)はこのような枯枝の方が採れ

やすい気がしている。
  
早速、1頭落ちた。

「よっしゃ!」
  
続けて もう1頭。今度のは白味が強い。♀だ。

「よっしゃ、よっしゃ!」
  
暫定シロオビドイカミキリ=フジドイ(仮称)

カッコウカミキリよりは大きいけれど、小さなカミキリだ。
墨を塗ってサッと拭き取ったような独特の模様が味わい深い。
   
   
ヨツバヒヨドリ花上のアカハナカミキリ。 とにかく個体数が多い。飛んでる虫を見るとたいてい本種。

この場所は、ヨツバヒヨドリにもハナカミキリが飛来し、特にマルガタハナカミキリが好んで集まっている。

他の地域では、この花にカミキリがいるのをあまり見たことがないのだが・・・。


ヨツバヒヨドリと言えば、ヘリグロリンゴのホストでもあるわけだが・・・。
  
    
やっぱりいました、ヘリグロリンゴカミキリ。

本種はプラプラと歩いてるだけでも4〜5頭見かけた

ので、個体数は多そう。アザミもあるし。


リンゴマニアのうめちゃんも何頭か採ったようだ。
   
  
そこらを歩いていた うめちゃんが、「これ何?」

と見せてくれた ヨツボシナガツツハムシ。

ユニークな配色と、ハムシにしては体の厚みが

あり、びおすけ的にはお好みの虫。

ありがたく頂戴した。
  
     
ヘリグロリンゴが飛んでいた草地の脇にシシウドが

一株だけあった。
  
一株しかないシシウドの花上は虫で大賑わいだ。 と言っても、いるのは 

アカハナ・マルガタハナ・ヨツスジハナ・フタスジハナ(ハススジ型)の凡種四天王ばかり。

ハススジハナ少しと、ミヤマクロハナがいたのでそれだけつまんだ。
ミヤマクロハナカミキリ
Anoploderomorpha excavata (Bates,1884)
    
  
  
次にフジコブ狙いでキイチゴを中心に叩いてみることにした。

ところが、どの枯葉もほぼ乾燥しており、フジコブどころか何も落ちてこない。

仕方ないので、少し休憩してから るどちんのいる場所へ戻る事にした。




途中、ヘリグロリンゴが多そうな場所に寄り道していると、るどちんが ノソ〜と出現。さすがにずっと虫

を待っているのに飽きたらしく、付近を適当に徘徊していたようだ。毒ビンを見せてもらうとハンミョウ類

やらヒメオオクワガタなどカミキリ以外の甲虫が多い。


びお 「なんかいろいろ採ったね・・・・。」

るど 「ええ、 『るどるふ甲虫採遊記』 ですからね・・・。」
   
どうも最近は狙った虫がなかなか採れず、お疲れ気味のご様子・・・。

るどちんにもスランプというものがあるのだろうか? 一年通してスランプの びおすけにはその辺の

感覚がよくわからないのであった・・・。

さらに、そんな るどちんに追い討ちをかけるように雨がパラついてきた。

一同 「むむむむむむ・・・・」

これじゃ〜。るどちんが狙ってる虫はおろか、オオトラも難しいですなぁ〜・・・。


るど 「そういえば、上の方のイケマにホソツツリンゴがいましたよ」

びお 「おお!じゃ〜行ってみますよ!」
   
  
イケマはアイヌ語で「神の足」という意味なのだそう

だ。なぜ「神の足」・・・? 理由はよくわからないが、

ともかくホソツツリンゴの姿を求めて探してみた。

天気が不安定で、雨が降ったり止んだりしている。

イケマの花には「雨でも来る」系のカミキリしか見ら

れない。
   
ニンフハナやニョウホウハナ、チャイロヒメハナ

チャボハナなどが訪花していたが、そいつらを無視

して、ホソツツリンゴの形跡を探す。

ほどなく、ホソツツリンゴの「噛み跡」を発見。
 
ホソツツリンゴの産卵痕と言われているマークは、あちらこちらに見られた。

  
うめ 「お〜い、いたぞ〜」

びお 「おお!どれどれ?」

イケマの蔓にしがみついていたホソツツリンゴを

ゲット。うめちゃんはリンゴマニアだが、正統派(?)

リンゴ系がお好きらしく、ホソツツはいらないそうだ。

なんでも「展足がしにくそうだから」だそうだが、これ

もありがたく びおすけが頂戴した。
この場所ではホソツツリンゴの追加は得られず、もう少し他の場所を探してみようと思い、少し山の中

に入ってみた。カラマツ林の林床だが、イケマはそこかしこにある。 「こりゃ、いそうだね」と、話した

とたんに足元からホソツツリンゴが飛び出した。

「ああああ!」 

ネットを広げていなかったので、慌ててはたき落とそうとしたが逃げられた・・・・。

びお 「くそ〜!逃げられた!」

うめ 「お〜い、あせるな。こっちにもいるぞぉ〜」

どうもたくさんいるらしい・・・あはは・・・。では、と見てみると あああ、いました。しかし、採ろうとすると

イケマの蔓やら何やらが邪魔でうまくつまめない。

「ああああ!」

また逃げられた・・・。

そして次の瞬間別の場所からホソツツリンゴが飛び出した。

「ああああ!」

また逃げられた・・・。完全におちょくられている・・・。

うめ 「こっちにもいるよ〜」

びお 「いいよ、自分用に少し採っておきなよ」

うめ 「OK、そうする」

こうなったら意地でも自分で採ってやる!

   
と、気合だけは入れてみるものの、どうにも姿が

見当たらない・・・・。

びお 「いなくなっちゃった・・・」

うめ 「お〜い、こっちにいるよ〜」


なんでそんなにすぐ見つけられるのよ!

      
で、イケマの隣の草に止まっていた個体を撮影。

うめ 「いいから採っておきな」

びお 「ううっ・・・ありがとうございます・・・(泣」

まったく、情けない事、この上ない・・・。

  
・・・というわけで、現地採集をあきらめ、材(?)採集

に切り替えた びおすけ。

産卵痕のある蔓を少し持ち帰りました。

うまくすれば来年の春には成虫の顔が拝めるか?
    
ホソツツリンゴカミキリ
Oberea nigriventris Bates,1873

    
さて、来た道を戻る。


うめちゃんが路上に落ちていた(?)というヒメオオ

の♀をゲット。これまた、いらないそうだ。

ここのヒメオオは持ってないので、これまた有難く

頂戴することにしました。


るどちんはと言うと、やはり天気が災いしてか、
お目当ての虫はまだ採れないようだ。ただでさえ偶然に頼るような採り方しかできない虫だからね。

こんな不安定な天気では仕方ないよ・・・。 それでも るどちんは最後まであきらめないご様子・・・。

そんな るどちんを後にして びおすけと うめちゃんは またフラフラと彷徨いはじめる。

「う〜〜ん、リョウブはまだ つぼみだね〜・・・」

まわりの状況を見ながら歩いていると


うめ 「ちょっとちょっと・・・。これ何?」

びお 「なんだよ。どうせ『いつものヤツ』だろう?」

うめ 「いや、これってさ、ハチ??」

びお (ピクッ!!なんか・・・やばそう・・・) 「今行く!」

うめ 「ヒゲが白くてさ」

びお (ヒメバチじゃないだろうな・・・)「ち・・・ちょっとそのまま!待って!」

うめ 「これこれ・・ハチじゃないよね?」


 

んんんんん?

「ぎゃぁぁぁぁーーーー!!」
  
   
あるまん!!

 
うめちゃん!でかしたっ!えらいっ!

そ・・・それにしても、なんでこんなしょぼい立ち枯れ

に・・・!? 普通、カミキリ屋なら見逃す状況だが

さすがは うめちゃん!固定観念に囚われていない

者の勝利と言えよう!

立ち枯れはどうもウツギか、あるいはヤシャブシの

ようである。1本が直径12cmあるかないかだ。
  
クロホソコバネカミキリ
Necydalis (Necydalisca) harmandi Pic,
1902

   
急いで るどちんに報告しに行く。

びお 「ちょっとコレ見て見て!!」

るど 「ん〜〜?何ですか〜?」

びお 「うめちゃんが見つけたんだけどね・・・ほら!」

るど 「ふ〜ん、アルマンですかぁ〜。ここらには
    いますよね〜。でもよかったじゃないですか」

・・・・・・・全然驚かないよ・・・この人・・・・。

まあ、確かに珍品かっていうとそうでもないけどね。
    


     
天候は相変わらず不安定。日が差したり曇ったり。

るどちんのお目当ての虫はどうもダメそうだし、下に

降りて伐採地の叩き網でもしようという事になった。

倒木やら粗朶を叩いてみるが、乾燥が激しく、カミ

キリはケシカミキリがいたくらい。


しばらくして、ようやく晴れ間が広がってきたが、暑い

日差しの中で元気よく飛んでいる虫を採ると、それは

ヤマムツボシタマムシ(?)であった。

他の虫ももう採れそうにないので、ここいらでお開き

になった。

   
るどさん、お目当ての虫は残念でしたが、虫自体は

いろいろと採れてよかったですね。

うめちゃん、今日は大活躍でした。またよろしくお願

いします。

お二人、どうもお疲れさまでした。

また次、がんばりましょう!
   
  
帰りがけに見た 山中湖側からの富士の眺め
    

   

THE INSECT HUNTER 2006
inserted by FC2 system