THE INSECT HUNTER
2006
0415
山梨
THE INSECT HUNTER 2006
                 

           
スプリング・エフェメラルな甲虫を求めて



日本では「春の妖精」などと呼ばれる事もありますが、スプリング エフェメラル、すなわち

「春の短い命」と称される動植物があります。もともと、春先にだけ出現する春植物を指す

言葉だったようですが、それらの植物と同時期に出現する昆虫もそう呼ばれるようになり、

植物ではカタクリやフクジュソウ、昆虫ではギフチョウやウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)

などが代表的です。 その他にも春先に出現する動植物は多いのですが、おせじにも

「春の妖精」とは呼べないような姿形をしていたり、早春から見られるものの、長期に渡り

野外で活動するものは、スプリング・エフェメラルとはあえて呼ばないようです。

特にカミキリに限って言えば、ヒラヤマコブハナあたりだとスプリング・エフェメラルと呼べ

そうですが、スギカミキリやヒメスギは・・・・・・微妙ですね。


特に甲虫にはそういった種類が多いのですが、びおすけとしてはそのあたりを対象として

       「びおすけ的スプリング・エフェメラル」=略称 BSE 

な甲虫を求めて山梨県某所の有名採集地に出かけることにしました。

(※注意:米産牛肉とは一切関係ありません)



また、今回この場所を選んだのはなぜかと言うと、実は今シーズンの「2006秋の陣」

の敵情視察も兼ねての出撃となるからなのです。

春のシーズンが開幕したばかりですが、早くも秋の仕度?!

ファッションショーばりの気の早さですが、びおすけの脳裏にあるのは去年取り逃がした

「四角く大きな縞々虫」の事。何事も情報を制するものが有利という世の中、早すぎるの

は承知で、彼の地に何度も足を運ばれており、実際に「四角く大きな縞々虫」を採集され

ている るどるふさんに案内していただく事になりました。
   



          
天気予報では「曇りで寒い」

と伝えられていたけど、思い

きって出かけました。

確かに早朝は寒いけど、天気

はそんなに悪くはなさそう・・。

るどさんと合流し、現場へと

急いだのでありました。
   
   
妙に長く感じる道を走って、到

着したのは・・・

「何の変哲も無い場所A」

変わったトコと言えばやたらと

斜面が急な事でしょうか・・・。

ここでとある虫が採れるそうな

ので、仕方なく登る事に・・・。


   

登ってる途中のガレ場に光る

虫発見。ツチハンミョウです。

頭隠して尻隠さず状態。


ゲットしてみるとヒメツチハン

ミョウの♀のようです。



     
                     ヒメツチハンミョウ 
         Meloe coarctatus Motschulsky,1857

早春から活動を始めるツチハンミョウの仲間は、びおすけ的にはスプリング・エフェメラル

の資格十分な甲虫です。重そうな体の割には動きが早いのですが、この虫がタンポポの

咲く野原などを歩いている姿を見ると「ああ〜!春なんだな〜!」と感じます。それにして

も、甲虫とは思えないこの姿。むしろ、ある種の女王アリを思わせます。

とりあえず、ヒメツチハンミョウ。 「BSE(びおすけ的スプリング・エフェメラル)」

に認定です。 (※注意:くどいようですが、米産牛肉とは一切関係ありません)

  
さて、斜面を登るとネズミサシ

が数本あります。ネズミサシと

言えばもうおわかりかと思い

ますが・・・。

年明けは3月から野外で活動

するというアティミアはBSE

の資格十分なのですが・・。

     
アティミアなど珍な虫がそう
簡単に採れるわけもなく・・・。
途中、一瞬ドキッ!とさせられ
たのがコイツ。何かのマユの
ようですが、アティミアモドキ
と命名。正体は判明し次第、
お伝えいたします。

※ホウネンタワラバチのマユ
と判明いたしました。
しまちゃんさん、虎象さん、
ありがとうございました。
(5/10)

    

ネットで掬った後に見上げる

ネズミサシ。ああ、むなしい。


斜面を降りると るどさんの姿

が見当たらない。


ふと斜面を見上げると・・・

    
あああ・・・いた・・・。

るどさん、最近「滑落」が多いから気をつけてくださいよ!


んで・・・結果は るどさんも疲れただけであったようであります・・・。

さて、他にもネズミサシが自生している場所があるそうなので、そちらに移動です。
 

    
「何の変哲もない場所B」
到着。変わったトコといえば

ネズミサシがやたらと多い事、
って・・それってスゴイじゃん!

見渡すと確かに多い。るどさん
自身もここまで多いとは思わ
なかったそうな・・・。

   
こりゃ、アティミアを手中にし

たも同然とばかりにスイーピン

グをしまくるも、ネットインする

のはクモやハチばかり。

時期が少し遅かったのか!?

   
ハチと言えば格好良いハバチが採れた。

クシヒゲヒラタハバチの仲間だと思うけど名前は不明。

思いっきりクシヒゲしてる触角が素晴らしい。おそらく♂だろう。

・・・・特に理由はありませんが、「BSE」に認定します(爆

※ネズハバチと判明しました。ハルさんありがとうございました。(4/23)
   

     
この林にはアカマツの倒木も

多く、樹皮をめくるとヨツコブ

ゴミダマ系、ヒメツノゴミダマ、

ベニヒラタムシ、キクイゾウの

仲間などが見られた。


そして次の場所へ移動。

 
集団で樹皮下にいた

マツオオキクイゾウムシ
Macrorhyncolus crassiusculus Wollaston,1873


     
「何の変哲もない場所C」
・・・と言いたいが、ここはそう
ではない! 

るどさんが
「四角く大きな縞々虫」を実際
に採られた場所である。

そう考えて回りを見渡すと、
不思議と神秘的な雰囲気が
漂いはじめ、早、晩夏への
想いがこみ上げてくるのだ。

      
切り倒されたモミの樹皮下に走る「四角く大きな縞々虫」の食痕。
太くてでかいのが印象的だ。

「四角く大きな縞々虫」欲しさに生木を切り倒す者が未だ後を絶たないという・・・。

 
   
それにしても天気予報は見事

にハズレ、晴れて気温は上昇

しまくり、シデ類の新葉も展開

し始めている。ビーティングを

試みると、微小な甲虫がポロ

ポロと落ちてくる。

   
体長3mm程度の小さなオトシ
ブミ、ケシルリオトシブミ

同属のナラルリオトシブミに
似るが、複眼間が離れている
ので、たぶんケシルリ。

資料によると初夏に出現する
らしいのだが??

ナラルリだったら早春の虫な
ので、文句無く「BSE」入り
なのだが・・・。

でもよく似ているので「BSE」
に認定(核爆

Euops 
(Synaptops) politus (Roelofs,1874)

      
これは正真正銘、スプリング
エフェメラル!

  マルムネチョッキリ

年一回春だけに出現するが、
普通種で個体数も多い。
多少色味的に地味ではある
が・・・・。

申し分なく「BSE」に認定!


Chonostropheus chujoi Voss,1956

      
セモンジンガサハムシ
Cassida (Taiwania) versicolor (Boheman,1855)

背中の「金文字のX」が特徴的なカメノコハムシ。

出現期は春から秋口までと長いが、姿形色彩などどれをとっても「BSE」の資格十分!

よって「BSE」に認定されまスた。

     
モミの幼木をビーティングして
いたら、見覚えのある虫が。

あれっ!?コレってカミキリモ
ドキだっけ??

るどさんに見せるとあっさり

「ホタルカミキリっす・・・」

・・・・とりあえず今日のカミキリ

第1号でした・・・・。
 
ホタルカミキリ
Dere thoracica White,1855

いやぁ〜!ネムノキ叩いて落ちてきたらすぐホタルカミキリってわかったんだけど

モミから落ちてきたんで一瞬わかんなくなっちゃいましたw

・・・・・・というわけで、「BSE」に認定!(意味不明)

     
さて、気温もだいぶ上がってきて、いかにも虫が活動し始めそうな雰囲気。

こりゃもしかして、アレが出てるかもしれないよっ!と るどるふさん。

では、また移動して探してみる事にしてみましょう。
 

    

    

「何の変哲も無い場所A」


に戻り、そこらに転がってる

しょぼい材を見ていると、

「おお! いたいたっ!」

   
クリストフコトラカミキリ ♂
Plagionotus christophi (Kraatz,1879)

久しぶりに生きた本種を見ました。

場所によっては初夏まで見られるけど、基本的には春の虫。

満場一致で(?)「BSE」に認定です。
  

         
同じ場所で座って待っていると、もう1頭来ました。今度は♀

それにしても、何と言う面白い模様をしてるのでありましょうか。

近似種のコトラカミキリが持つ「渋さ」はありませんが、これほど「ポップ」なデザインを

持つカミキリは他にはラミーカミキリくらいなもんではないでしょうか?

  
るどさんも見つけたようです。

クリストフコトラを撮る るどさん
を撮る びおすけ でした。

るどさん、最近は動画に懲り
はじめたようです(?)

るどさんのおかげで今日は
多くの「BSE」を見つける事
ができました。感謝です。

   
さて、クリストフコトラも採れて

一段落。 サクラの咲く下で

昼食をとった後は、またアティ

ミアを探してみますか?
 

   
「何の変哲もない場所B」 

に戻り、執拗にネズミサシを

攻めたてるも、一向にアティミ

アが落ちてくる気配はナシ。


よって、アティミアはBSEには

認定されませんでした・・・。

   

  
さて、今日の締めくくりとして

「とっても変哲のある場所」

へ るどさんに案内していただ

きました。

「四角く大きな縞々虫」の

本拠地であります。

 
ほとんど全てのモミ立木が

食害されている現状を見ると

これはもう採れないわけが

ないっ!って気にさせられま

すが、現実はそう甘いもので

はないでしょう。

   
何にせよ、運が頼りですので

今年も昨年のような豊作の

年である事を願わずにはいら

れない びおすけ なのでした。
    
    


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