THE INSECT HUNTER
2006
0312
山梨
THE INSECT HUNTER 2006

                 


              
タイプロカリティーが欲しい!〜ホソツヤルリ編(1) の巻



虫を集めていると、いずれどうしても欲しくなってくるのがタイプロカリティーです。

いわゆる標本模式産地というやつで、その場所で採られた個体が基準になっているの

で、同種の他の産地との比較や、近似種との比較対照にも役立ちます。 ある意味、

「真の虫」なわけで、たいへん貴重がられるわけです。


今回は、びおすけが中学・高校の頃によく通っていた山梨県某有名採集地に突撃です。

そして狙うのはホソツヤルリクワガタ。これは びおすけが中学・高校の頃にはまだ発見

されていなかったわけで、当時は当然、その存在すら知りませんでした。

他所のホソツヤルリは持っているのですが、ここのはもちろん持ってません。ここのタイプ

ロカリティーは、言うまでも無くP.Kawadai親分の発見によるものなのですが、他産地の

グリーンの強い個体と違い、ほんとうに美麗なブルーなんだそうです。


この採集地は、びおすけにとっては非常に思い出深い場所でもあります。当時はまだ

比較的珍しかったキベリカタビロハナカミキリやツヤハダクワガタ、ホソヒメクロオサムシ

などを初めて採集した時の興奮は未だに忘れられません。特にキベリカタビロは、見つ

けた時にたまたまネットを持っていなかったため、素手でシシウドの花ごと「むんず」と

掴んで、手のひらの中で暴れていたあの時の感触をいまだに憶えています。

思えば、あの頃はほんとうに若かったなぁ・・・・・。


ここ最近、虫屋の世界も びおすけ世代の年寄り(?)を尻目に若い人たちががんばって

それぞれに素晴らしい成果をあげられています。本当に頼もしい限りです。

びおすけなんかから見てうらやましいなぁ〜と感じるのは、びおすけ世代には少なかった

虫に関する知見や情報が非常に多い事。本や雑誌だけでなく、インターネットの発達が

さらに拍車をかけてます。驚くほど優れたサイトが数多くあり、ある虫を狙って行こうと

考えた時に、まわりを見渡せば誰かしらその虫に関する情報を持っているでしょうから、

それを頼りに虫を探しに行けば、その虫に出会える確率はグ〜〜ンと上がるでしょう。

また、交通手段の発達や道路の整備が進んでいる事も見逃せません。しかしこれは

虫の生息環境を狭まる結果にもつながる諸刃の剣とも言えます。

今ではマイカーで「びゅ〜〜〜ん!」と現場まで直行できますが、当時は夜行列車や

田舎バスを乗り継いで、期待に胸を膨らませながら採集場所まで山を何kmも歩いた

ものです。時間はかかったけど、あれはあれで楽しかったなぁ〜・・・。


また最近は専門的な図鑑も質の高いものが多いですよね。

びおすけの当時のバイブルと言えば保育社の「原色日本昆虫生態図鑑Tカミキリ編」。

当時としては抜群の種類掲載数を誇っていたものの、図版がほぼ原寸大で標本写真が

暗めに写っているので、小型種の絵合わせとかは難しかったです。

分類的にも当然ながら現在とは異なる部分もあり、現在では見られない和名なんかも

あったりします。例えば「ウグイスビロウドカミキリ」「ゴマフチャイロカミキリ」「テラニシ

リンゴカミキリ」・・・・などなど。 知見に関しても今とは異なる部分もあり、トウホクトラ

などは当時採集例が1例だけで、「ホソトラの♀の極端な変異かもわからない」という

記述も見えます。しかし、幼虫の検索図版などは東海大学出版の「日本産カミキリムシ

検索図説」にほとんどそのままのイラストが使われているほどで、現在でも十分活用

できる優れものだった事がわかります。


まあ、こうした知見や情報、図鑑などは びおすけなんかも年とってから恩恵に与ってる

わけでして、何も若い人たちだけの特権というわけではないのですが・・・。

一番うらやましいのは、ズバリ、その若さそのもの。やはり年寄りとは体力が全然違い

ますし、ある意味若さの特権とも言える無鉄砲な行動力が伴えば、もはや恐いもの無し。

これに知見や情報がプラスされれば、採られる側の虫たちから見たら、これはもう、

野に放たれた人間最終(採集?)兵器です(((((((( ;゚Д゚))))))))。

とにかく、恵まれた環境にあることは確かだと思いますので、学業も大変でしょうけれど

是非、虫と両立してがんばってもらいたいものです。


話がだいぶそれましたが・・・・・。 まあ、とにかく行ってきます。


    

うう・・・眠い・・・。

でも行かなければ〜!

天気はいまいちっぽいけれど

雨さえ降らなければOK。

今回は、るどるふさん、

r.matsudaさんと一緒です。

   
   

ルリ系とくれば当然、matsuda

さんの出番ですよね。

るどさんも粛々と狙っている

獲物があるようです。

r.matsudaさんの車の後ろに

ついて現場に向かいます。




そろそろ現場に近づいてきた

模様。道路脇には昔よく見た

建物があったりして、思わず

懐かしさが込み上げてきます

    

     

ところが、とある事情「A」が

発生し、車では途中まで

しか上がれない事に・・・。


しかし、その事が後々思い

がけない事に。



  


途中で車を止めて、入る予定

ではなかった林道を歩く事に

なりました。ここしか入れる

場所が無いんだもんね。

う〜〜ん。でも雰囲気的には

いい感じかも。
     
   
3人で歩きながら話をしていると、意外な事にr.matsudaさんがこの場所のホソツヤルリ

を持ってないという事実が発覚。また、るどるふさんもここの個体は1頭しか持ってない

という。なんと!ルリ系と聞けば九州日帰りもいとわないルリ系マニアのコンビなのに!

つまりそれだけ、「ここは採れない!」という事らしいのだ。 ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!

いつもはもっと標高の高い場所まで行っているらしいのだが、このあたりは初めてとの

事で、3人とも全く手探りの状態なのであった。

  

採集意欲と闘志をみなぎらせ

て、オーラを発しながら歩く

るどマツコンビ。

ルリ系に関しては日本でも

有数の豪腕強力コンビだ。


 
しばらくして、るどさんが林道脇の崖に目を付け、早速掘り始めた。

オイオイ!ホソツヤルリぢゃないのかYO! オサ掘りかYO?!

でもしっかりとコクロナガオサを掘り出した模様・・・・。


で、次に同じく林道脇に引っかかってるヤマブドウの枯れ蔓をもぎ取ってペキペキ・・・・。

オ・・・・オイオイ!ホソツヤルリぢゃないのかYO! ハセガワトラかYO?!

r.matsudaさんも蔓をペキペキ・・・・。

matsu 「出た!」

るど・びお 「ええええ!!!」


一瞬、心臓が止まるかと思ったけど、出たのはアカネトラだった。

うむ・・・。こんなにしょぼくてボロボロの材に入っているんですね〜・・・・。

るど・びお 「おおお〜アカネだ!アカネだ!やったね!」

matsu 「・・・・・うれしくない・・・」

やはり、ルリクワ屋のr.matsudaさんにとっては「その他の虫」の範疇らしい・・・・。

その後、同じ蔓から るどさんが3頭採集した。

 
アカネトラカミキリ Brachyclytus singularis Kraaz, 1879
るどるふさん採集

 
るどさんがアカネトラの追加を採ってるうちに、r.matsudaさんはいよいよルリ系の材に

手をつけようとしていた。モノはどうやらサクラ系の枯木である。

matsu 「これはいい感じです」

  

r.matsudaさん、材を削るの図


産卵マークもびっしり付いて

いる模様です。一緒に削らせ

ていただくが、出てくるのは

アブの幼虫ばかりなり・・・。

matsu 「いたっ!」

   
おおお!早速出ました! さすがr.matsuda先生!

材の状態・幼虫の形態からしてホソツヤルリに間違いなさそうです。ちゃんといるんじゃ  
ないですかっ!ホソツヤ。 これは他にもいるな!と気合を入れて削りますが・・・・。

出てくるのは幼虫ばかりなり・・・。この時すでにr.matsudaさんは何か違和感を

感じていたようです。

      

一方・・・・

自称カミキリ屋の びおすけ

としては、ヤマブドウも少し

見ておかないといけません。


ヤマブドウ自体の数はかなり

多いのですが・・・・。

   
鈴生りの(?)ヤマブドウと対峙する るどるふさん。

枯れ蔓もあることはあるのですが・・・なかなかカミキリは出てくれません。

でも一応カミキリの幼虫が出てきたのでテイクアウトする。

     




すごく小さなキクイゾウムシ?

と思われる虫がたくさん

出てきます。
こんな虫ですが・・・キクイムシではないと思うのですが・・・。

種類は・・・・よくわかりません   _| ̄|○

    

見渡すといかにもホソツヤが

いそうな立ち枯れが多いので

今度はそっちに。

う〜ん、忙しいなぁ〜・・・。

産卵マークもあるので早速

削ってみると・・・幼虫ばかり。


   
びおすけばかりでなく、るどさんも r.matsudaさんも やはり幼虫ばっかり出るとの事。

いることはいるんです。でも幼虫ばかり・・・・。なんで成虫おらんの!?


同じルリクワ系でも、コルリやルリは何となく採りやすいのですが、ホソツヤルリはもと

もと採りにくい種類で、つまりイメージ通りの材を削ってみても実際には見つからない

場合も多く、つかみ所の無い虫ではあるんです。

それにしても、この状況は一体・・・・。

とは言え、今まで るどマツコンビでさえ1頭しか見つけられなかったタイプロカリティーの

ホソツヤルリが、ここら周辺には多産していることがわかったわけで、その事自体は

大きな成果と言えるでしょう。

これも車を途中で止める事になったおかげです・・・・。


・・・・それにしても、成虫が1頭も出てこない・・・・。 不思議だ・・・・・。

 



気分転換にオサ掘り開始。

誰からという事なく、ふらふら

と崖に吸い寄せられる・・・。



   
あっ!という間にコクロナガオサがゴロゴロと出てくる出てくる!

でも・・・・コクロナガばっかり・・・。

コクロナガオサムシ Leptocarabus arboreus ssp.

このあたりまで来たならば、やはりホソヒメクロオサか、せめてマイマイカブリでも欲しい

ところなのだけれど、良いフレーク(柔らかい朽木)が見当たらない。

コクロナガばかりなので、すぐに飽きてしまい、またホソツヤルリを求めて歩きはじめる。
   
      


      



お〜い!

ホソツヤルリの成虫〜!

どこにいるんだぁ〜い!


       
いきなり、サルナシ天国登場〜!

ちょっと枯蔓を折ってみるとカミキリの幼虫が出てきたので一応テイクアウトする。


  
お〜い!

ホソツヤルリの成虫〜!

どこにい (以下略

さっぱりだめ。雨は降ってくる

し、もうだめポ・・・・。るどさん

は滑ってズボンの尻を破って

しまうし・・・。
   
  



あきらめて3人でトボトボと

歩く帰り道。



心癒される可愛い奴に出会

いました。


今回はホソツヤルリの多産は確認できたものの、結局成虫の姿を見ることはできません

でした・・・。あれだけの産卵痕、幼虫が見つかりながらとても不思議ですが、今年は

たまたまそういう年だったのかもしれません。あるいは、林の位置・方角などの関係、

または単に成虫の入ってる朽木を見逃しただけだったのかもしれません。


とにかく、リベンジです、リベンジ!

ロイヤルブルーの「真の」ホソツヤルリを求めて、また来ますよ〜!



次回に続く・・・・(のか!?)


  
特別付録  初公開!るどるふさんのセクシーショット!
破れた部分からパンツがチラッ!  るどさん最初で最後の悩殺ショット!
    

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