THE INSECT HUNTER
2005
1009

長野

   
 THE INSECT HUNTER 2005 

                 

   
秋の陣  摩耶さん合戦 の巻






その夜、仕事から戻るなり風呂に入り身支度を整え、びおすけ号で自宅を出発したのは22時であった。


目的地までは片道5時間かかるとみている。


・・・・遠いのである。

それに高速料金もそれなりにかかるのである。


しかし、今回の目的地はそれだけ時間とお金を費やしても行く価値のある場所だという。


いつもショボイ思いをしている びおすけとしては、おそらく今シーズン最後になるであろう

カミキリ採集であるから、締めとして良い思いをさせていただかなくてはならない。


ハッキリ言って今回は気合が入っている。


事前情報もバッチリで、るどるふさんから「宝の地図」も授かってるし、

現場の状況もなんとなくイメージできている。

ここまで準備できてれば、採れないわけがない。


逆に、そのような好採集地で万が一、NULLだったらどうしよう・・・・・

などという負の予感も抱きつつ、夜の高速をひた走る びおすけなのであった。

 

   
それにしても、ソロで遠距離ほどつらいものはない。

黙々と走るのにも限度がある。今回はメールでの情報交換等でお世話になっている

うるちまさんと現場で待ち合わせしているのだが、うるちまさんとお会いするまでは、

強制的に寡黙にならざるを得ない。ずっと黙ってると眠くなったり肩が凝ったり気が狂い

そうになったりするので、歌を歌ったり(もちろん車の中で)、一人しりとりをしたり、ナビ

の音声案内に反応して気をまぎらわす。


音声案内 「コノ先 オヨソ300mメートル デ左斜メ前方ヲ左折デス」

びお 「はーい。了解です〜」

音声案内 「マモナク 左斜メ前方左折デス」

びお 「あいよっ!おいらにまかせときなっ!」

音声案内 「群馬県 ニ 入リマシタ」

びお 「えっ!ほんとうすかっ!?ワーイワーイ!!」


などと人が見ていたら通報されそうなやりとりを、音声案内の美女(妄想)と交わしつつ

徐々にではあるが、一刻一刻と目的地に近づいて行くのであった。


  
  

途中、何度かトイレや喫煙や

(びおすけ号は車内禁煙)

ガソリン補給等で高速SA

に立ち寄る。

ソロだとSAの有難さが妙に

身に沁みるのである・・・。
           

SAのみやげ売場で気分転換がてら、ぶらぶらしていると、びおすけの目に飛び込んできた物体があった。

 「こ・・・・・これはっ!!」


な・・・なんと、あのカトちゃんが「カトちゃん、ペッ!」しながら昆虫採集ファッションで

キメテいるアクセサリー! これはまさに幸運のマスコットではないのかっ?!


これはカミキリ大漁を祈願して身につけておかねばなるまい。
    
  

・・というわけで買ってしまった

虫採りカトちゃん。


ちなみにカブトやクワガタの

気ぐるみを着たバージョンもあった。

    

      

元来の好採集地で事前情報バッチリで気合も入り、さらに虫採りカトちゃんまで揃った今

びおすけにとって怖いものは何もなかった。

「よしっ!待っとれよっ!摩耶さん!」

摩耶さんとは、女性歌手でも飲み屋のママの名前でもなく、言わずとしれた

マヤサンコブヤハズの事である。神戸にある摩耶山が基準産地という事で、この名が

あるらしいが、今回狙っているのは、チュウブマヤサンコブヤハズカミキリという、亜種

にあたるものである。亜種といっても原亜種との差異は微妙らしい・・・。

いずれにせよ、びおすけにとっては採れれば初モノである。
   
 
            
深夜の闇を駆け抜け、現地に到着したのが午前3時。ちょうど5時間かかった計算だ。

駐車場に車を入れ、ヘッドライトを消すと、真に暗闇であった。

曇っていて月明かりもなく、物音ひとつ聞こえない山中の暗闇・・・・。

最近は全く経験していなかったので、少々怖かったが、ゆっくりと仮眠ができそうだ。

でわ・・・おやすみなさい・・・。
 
   









    
チュンチュン・・・






   
おはようございます・・・・。


いい朝ですね・・・。


時計の針は5時をさしてます。



だけど・・・・霧で何も見えません・・・。
  



しかも、小雨が降ってございます・・・。

「雨男びおすけ」


面目躍如でございます。

   
うるちまさんが到着されるまでは、まだだいぶ時間があるので、視界10mの霧の中、

まだ、薄暗い山の道を歩いてみることにした。

はたして、摩耶さんはちゃんといてくれるのであろうか?
  
    
昨夜も山を登って来る途中

ヘッドライトに浮かび上がる

ヤマブドウの多さに気づいて

いたのだが、本当に数が多い

みたいだ。

歩き始めてすぐのあたりを

試しに叩いてみる。
    
  


煤i゜д゜υ)えええっ!

いきなりっすか! いきなり摩耶さん♀ゲット!

あまりのあっけなさに寝ぼけ頭は呆然としていた。

  
さすがは多産地!

これも虫採りカトちゃんの

ご利益か?!

何にせよ 祝!びおすけ!

でも、霧と雨でネットはすでに

ビショビショ。先が思いやられ

るなぁ〜・・。
  
  
それでは続いて 別の場所を・・・・・

ほれっ!ほれっ!

うぉ〜!また キターーー!!!!



今度は♂だ!

    
叩けば落ちる摩耶さん!

これぞ、るどるふさんが言ってた「パラダイス」なのか!

どこもかしこもヤマブドウやらオオカメノキやら何やかや、叩く場所を探すまでもなく

どこでも叩き放題という環境である。逆な意味で叩く場所を選ばないと体力の消耗が

危ぶまれる気がしたくらいだ。

しかし、注意してみると、さすがは有名採集地だけあって 人の踏跡もけっこう多い。

気を許すのはまだ早いかもしれない。
    
   




では、こんなしょぼい枯葉

はいかがでしょうか・・・。

    
採れた・・・・。

   
では、こんな場所は・・・?

   
採れた・・・。
 
  
さすがに目に付きやすい場所は叩かれた形跡があり、叩いてもスカな場合が多いが、

ちょっと目につきにくい場所を叩けば必ずコブが落ちるという具合だ。

スカ半分、当たり半分という感じ。
 
 
若干、霧が晴れてきた。
   
  
舗装路からはずれてブナ林

を散策できる小道があり、

そこも叩けるポイントが多い。
  

    
もちろん、ヤマブドウも多く・・

     
叩けば キッチリ採れます。
  
まるでヤマブドウの海原・・。
  
  
キイチゴ系のこんな感じの

場所もなかなか

Good!である。
  
 
完璧です・・・。



    
たまにはこんなのも・・・

うわっ!やたら小さいな!

っと思ったらニセビロ君

であった。

 

さらにこんなのも・・・・

チュウブマヤサン”カビ”ヤハズ

   

   
そろそろ、うるちまさんが到着

する時間なので、一度駐車場

に戻ることにした。

最後にひと叩き。




ちゃんと採れます・・・・。


  

   
15頭ほど採集でき、ホクホクしながら駐車場に戻る。

早朝は少なかった車が、やたらに多くなり混雑しはじめている。このあたりは有名な

景勝地でもあるらしく、カメラと三脚を携えて歩いている人が多い。

写真を撮ると絵になる池があり、そこに詣でる人が多いようだ。

ちなみにそのあたりではオオハンミョウモドキという珍な虫が採れるという話なので

あとで行ってみようかな・・・などと考えている時、ちょうど うるちまさんが到着した。


うるちまさんは今日は親子で採集にみえた。親子で採集なんてうらやましい事である。

うるちまさんは、大学で物理の研究をされているそうで、そう聞くとなんだかカタブツ的な

イメージを抱いてしまうが、実際にはそんなところは微塵もなく(!?)インテリでありなが

ら、気さくな、礼儀正しい方である。ご自身では初心者と謙遜されているが、石垣島遠征

なども経験された熱い行動派でもいらっしゃる。

ひと通り挨拶を交わすと、早速採集開始である。うるちまさんとうるちまJr.君、お揃いの

ビーティングネットを抱えて摩耶さんをゲットすべく、行動を始めた。

それにしても、うるちまJr.君は小3とのことだが、その歳で摩耶さんを経験できるなんて

うらやましい限りだ。これもうるちまさんの熱い情操教育の一環の賜物である。
   
   
果敢にブッシュに挑む

うるちまさん親子
 
   
ブッシュに消えていく うるちま

さんたちを見送り、

自分はルッキングでコブを

探す事にした。生態写真を

撮りたいのだ。で、目の前の

オオカメノキの枯葉を探して

いると・・・・。んん??
    
  


ヒメオオクワガタ!?


そりゃ〜、いてもおかしくない環境だけど、なんだってまたオオカメノキ

にくっついてるんだろ?しかも、幹を咬み咬みしている。樹液を出すのかな?

でもこの行動は普通、♀がやるんじゃないのかしら・・・?
 
  
で、このヒメオオは

うるちまJr.君がゲット!



ヒメオオ、ちょっと怒ってる

ご様子・・・。


   
さて、先ほど思いたった珍な

オオハンミョウモドキを探しに

一般観光客になりすまし、

池まで行く。

アマチュアカメラマンが山ほど

いらっしゃいます。

確かに紅葉は綺麗・・・。

    
オオハンミョウモドキは

泥炭地にいるらしいのだが、

入り込むとズブズブともぐってしまう。

底無し沼状態で危険なので、

あっさりと採集中止した・・・。

    
オオハンミョウモドキは採れる

気が全くしないので、やめ。

コブのルッキングを再開する。

叩き網持ってると叩いてしまうので、

叩き棒だけ持って探しはじめる。
 
   
でも、実際目で探すとなると

なかなか見つからないんだな、

これが・・・。

少し晴れ間も出て気温が上

がりはじめてるので木の上に

いるかもしれないな・・。

んん?あれは・・・?!

   
見つけた!




ほらほら!いるでしょう!

でも遠くて望遠じゃないと撮れないぞ!
   


これでどう?わかるかな?

でも、これ撮ったけど採るのはどうしよう・・・。

    
網のかわりに帽子でゲット!
    
  


    
さあ、再びコブ探し開始!

     
ちゃんと探せば・・・

    
いや・・・適当に探しても・・・
 
  
ちゃんと採れる・・・・
 
 
この喜びは一体・・・・・
 
   


ふと、思ったけど・・・

摩耶さんってタダコブよりもだいぶ赤い感じがする。

それと各脚や触角の2色ダンダラがよく目立つ。
 
   


生態写真も一応、撮れたし・・・
    
  

 
そろそろ、おなかがいっぱいです・・・・。


   
もはや、少しでも触角やフ節などに欠けがある個体や小さな個体は、リリースしはじめる始末・・・。


もう、ご馳走様です・・・。

たらふくいただきました・・・。

採れすぎて飽きる、という感覚をはじめて覚えた今日この頃・・・・。


でも、採集名人の方々から見たら、まだまだ数少ないんでしょうけど・・・。
           
    
   
お土産用と飼育用の

生き虫も確保!

 
一度でいいから、毒ビンの中を

こういう「黒い」

状況にしてみたかった・・・。



そして今・・・夢、達成・・・・。
   
一方、うるちまさんたちも少なくとも15〜20頭は採集できた模様。

お互いにパラダイスを満喫できてよかったです・・・。

うるちまさんたちは、この後も別の場所に採集に行くとおっしゃってましたが・・・・。

そのパワーに感服しました。

びおすけは長旅の疲れも出て、今日はもう終了です・・・。

うるちまさん、またよろしくお願いいたします。

     
信州の秋の味覚をたっぷり堪能できた、今シーズンのカミキリ採集のラストを飾る

にふさわしい、充実した一日でした。これを糧に来シーズンもがんばれそうです。
    
採集できたムシのコーナー
   
 チュウブマヤサンコブヤハズカミキリ  31頭 (見つけた総数50頭以上)

 ニセビロウドカミキリ 1♂
      
チュウブマヤサン
コブヤハズカミキリ 

チュウブマヤサン
コブヤハズカミキリ

ニセビロウドカミキリ

副産物
        
  
   
    


THE INSECT HUNTER 2005

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