THE INSECT HUNTER
2002
0915
   
山梨
THE INSECT HUNTER 2002



       

「やはり雨か・・・・?」



気になる週末の天気について、るどるふさんと相談していた。

晴れないと困るのだ。 

しかし週間天気予報を見るかぎり、ど〜も雲行きが怪しい・・・。


この日、実を言うとオオトラカミキリを狙う予定であった。

さらに言うと、先週も予定していたのだが、なぜか週末は天気に恵まれず、

生態的に「前二日から晴れないと出てこない」

とまで言われているオオトラが姿を見せる確率がかな〜り低くくなってしまう。

ただでさえ珍しい種類で、例え晴れたとしても、よほど強運&猛者でないと採れないのに

このような状況で自分のごときドシロウトが

オオトラに出会える確率は、ほぼゼロであると言えよう・・・。



オオトラ行きをしぶる自分に対して、頑固な るどるふさんは


「万が一ということもある!何が何でもオオトラ採りに行くぅぅ〜!!」


と言い張る。

そこで、自分は 「オオトラだめでもコブ叩きとかできればいいんだけど・・・」

と注文をつけてみたりした。


「コブ叩き」

とは秋に枯葉などに潜んでいるコブヤハズカミキリ類をビーティングネット(叩き網)

を使って、枯葉付きの落ち枝などを叩いて採る、採集法のひとつである。

枯葉などに潜んでいるのを採るため、天気はあまり関係ないのだ。

ただ、あまり雨が強いと人間の方がまいってしまう・・・。



あくる日、るどるふさんから 「コブ叩き行きましょう」と連絡が入った。

あれ?なんでまたあっさりと・・・?聞くと 


「だって晴れないとオオトラ採れないもん」


そう、前日の天気予報では、当日は曇りor雨と伝えていたのだ・・・。


・・・というわけで、オオトラはあきらめ、コブ叩きに行くことになった。



後で聞いた話だと、意外や意外、るどるふさんはコブ叩き未体験だという。

今まで採集されたコブヤハズは全てルッキングによるものらしい。

場所はなぜか山梨!と決まっていたので、二人とも未採集の

フジコブヤハズ&タニグチコブヤハズを狙って出撃することとなった。

2種類とも生息地が限られている比較的珍しい種類である(・・・と自分は思っている)。 



さて、憧れのフジコブ&タニグチをゲットできるのであろうか??

    


     

まだ夜が明けぬ中央高速を走る。双葉SAで、るどるふ号と待ち合わせなのだ。

途中、るどるふさんから携帯に連絡が入った。

るど 「今どこ?」

びお 「もうすぐ双葉、そちらは?」 

るど 「相模湖・・・」

また急ぎすぎてしまった・・・。でも渋滞を避けるためには仕方ない。

先に行って朝飯でも食いながら待つことにしよう・・。
     

食事を終え、マッタリしていると間もなくるどるふ号が到着した。

早い!

「○○○km/h」で飛ばしてきたそうな。

2台に給油して、いざ出発。


るどるふ号の先導で走り出す。
      
  

今回行く場所は、実は るどるふさんが何度か訪れているポイントなのだ。

冬期の材割りでは、ルリクワガタ系がたくさん採れるらしい。

しかし、るどるふさんもカミキリを採りに行くのは初めてなのだそうな。

某ICで降り、しばらく走ると町営?の温泉がある。

ここにびおすけ号を置いて、一台の車で先へ進む。


るどるふさんにとって、採集と温泉は切っても切れない関係らしい(笑)

山合いの細い道路を走り、間もなく今回の採集地が近づいてきた。

まずは、フジコブのポイントと言われている林道を探索することに。
      
     
  

うむ、確かにコブが生息してそうな環境である。

なかなかいい感じ。

適度な湿り気がまたイイ。

道路端の空き地に車を置いて、早速採集開始だ!
   
       

林道のゲート。

この先でフジコブ君がぼくを待ってくれているのだね(笑)

てくてくと歩き出す。

るどるふさんは相変わらず足が速く、

とっとと先に行って見えなくなってしまう。
   
                

ははぁ〜、さては彼的に「ここぞ!」と思ってるポイントが先にあるのだろう。

自分はマイペースでまわりを見ながら叩くポイントを探してゆっくり歩く。


そして、すぐにそれっぽいブッシュがあった。
    
          

ヤマブドウやら何やらが、ゴッチャに

寄せ集まった茂み・・・・。



とりあえず、叩いてみよ〜♪

ビシバシッ!ビシバシッ!
  
      
       

バラバラと落ちる大量のハサミムシに混ざって、ポトリと黒っぽい固まりが転がった。

んんんんんんんん???なんだ、なんだ??

   
 
            

・・・・・あれま。

採れちゃった・・・。


フジコブヤハズの♀であった・・・。


なんという、あっけなさ・・・。
   
            

「出会い」って、こういう時もあるのね。

しかし、あまりにも開始早々なので、自分でもとまどい、どう反応していいのかわからない。


とりあえず、るどるふさんに報告しに行こうっと・・・。

先へ進むと、るどるふさんが脇道からのっそりと現れた。


びお 「採れたよ・・・・」

るど 「えええええっ?!」


毒ビンを取り出して るどるふさんに見せると、驚かれているようだった。

やはり現物を目にすると、今やっていることに現実味が増し、いっそう気合が入る。

るどさんも例外ではないらしく、メラメラと燃える闘志を感じとれた。


自分もここで、やっとフジコブが採れたという実感が湧いてきた。


うううううううう!!やったぜぇ〜!!フジコブ、ゲットォォォォ〜!!

生涯初採集である。


見ると、るどるふさんは、さらに足早に先へ進んで行ってしまった。

後で思うと自分はここでいきなり採れてしまったことで、つい気が緩みマタ〜リモードになってしまったらしい。


そう!これがマチガイの元であったのだ!!
    
  
      
     

その後もマタ〜リと採集を続けたが、当然、フジコブの追加

はなく、叩いて落ちてくるのはハサミムシばかり・・・。


たま〜〜に雑甲虫がポツポツ採れる。


これはキオビナガカッコウムシ(だと思う)
 
   
            

時に・・・

基本的な叩く目標のイメージとしてはこんな感じの場所→


これはチョイ高めの位置の枯葉だが、もっと地面擦れ擦れ

の低い位置でも可。

とにかく丸まった枯葉が目印なのだ。
    
        

しかし、ここは叩きたくなるポイントが少ない気がする・・・。

時期がチョイ早いのか?

ところどころにヤナギがあるので、探せばアカアシクワガタ

くらいはいるんだろうなぁ、

と思いつつ、るどるふさんの後を追いつつ歩いていたが・・・・・。
   
        

ありゃりゃ、舗装路になってしまった。

霧にかすむ前方にはカラマツの植林しか見えない。

こりゃぁ、先へ行ってもムダだな・・・・。


ここで、自分は一度引き返すことに。
         
      

それっぽい雰囲気の横道に入ったりして、叩き続けたがフジコブの追加はなく、落ちてくるのは、

ほぼ95%がハサミムシである。

たまにモリヒラタゴミムシ類やオサシデムシモドキが落ちる程度。

仕方ないので元の道に引き返す。

戻ると、どこから来たのか山梨ナンバーの車が停めてあった。

釣り客らしい。

るどるふさんの行方がわからないので、その釣り客に自分と同じようなカッコした人を見なかったか聞いて

みると、かなり上の方にいたとの事。


あああ、るどさん、あの舗装路の先に行ったんだ・・・。

あんな先に行ってもフジコブいるわけないよ・・・。

仕方なく再び舗装路に向かって歩き出した。
 

 
舗装路にさしかかって間もなく、前方から るどるふさんが戻ってきた。

びお 「どう?」

るど 「・・・・採れた」

びお 「ええええええっ?!」

今度はこっちが驚く番である。

まさかと思ったが、聞いてみるとこの先はカラマツ植林が少し続くが、また似たような環境に戻るらしい。

まったく、自分の勝手な思い込みであった・・・・。

るどさん、クールな表情を崩さないが、その内心は喜びで一杯のようだ。
          
  
      

るどるふさんがゲットしたフジコブ♂。


ああああ、やはり♂は触角が長くてカッコイイなぁ・・・。

普通なら叩く気にもなれない場所にいたらしい・・・。
            

とりあえずは1頭ずつでも採れて良かったね、などと話しながら一度、車の場所へ戻ることにした。


この時点でまだ10時くらいである。まだまだ時間はある。

車に戻ると、チョイ早めの食事をサクリと済ませ、次のポイントへ移動することした。


この先のポイントは、るどさんも未知の領域なので車で走りながら入れそうな横道を探しつつ先へ進んだ。

一度それっぽい林道へ入り、チョイ叩いてすぐに戻りタニグチコブヤハズの某有名ポイントである峠へ向かう。


さすがに有名ポイントらしく、先客が何組か叩き網片手に採集していたので、自分たちはもと来た道を戻り、

さきほどちょろっと入った林道を攻め直してみることにした。
   
    
           

ここは、基本的にカラマツの植林だが、林床にはササがあり、

またミズナラの大木なども見られ、けして悪い雰囲気ではない

が小一時間探してみたもののコブの影も形も見られなかった。


ハサミムシだけはあいかわらず数が多い。
   
  

ここは、いるとすればタニグチの生息域なのかなぁ・・・?。


ここらの地域全体が、まだ秋になりきっていないようだ。

いかんせん、枯れて丸まったいかにもコブ好みのする葉っぱが少なすぎる。

ちょっと、時期が早いのかもしれないね、などとるどるふさんと話していたが、まあ、ビギナーズラックという

やつだろうか?結局フジコブが1頭ずつ採れたし、早めに戻って温泉にでも入ろうということになった。


自分はこの時点でマタ〜リを過ぎ「終了」モードになっていたのだが、実はるどさんはそうではなかった・・・。
   
    
  

車で走りながら、戻りがけに るどさんが


「ルリクワ系ポイント見てみる?」

と言うので、そちらへ寄り道することになった。

そのポイントを横目で見ながらさらに先へ車は進む。

るどさんは、ここは怪しいと言う。
     
  

「ちょっと入口まわりを見るだけだから」

と言いつつ、るどさんはどんどん先へ行ってしまう。

仕方ないなぁ〜と思いつつ、終了モードの自分も叩き網片手に歩き出した。

林内は天気の悪さも手伝い、かなり暗い。
  
       
     

道の脇に良さげな枯れ木があったので、ちょっとコブイメージ

ではないのだが、試しに叩いてみた。



ビシバシ、ビシバシ!!

ポトッ!とカミキリが落ちた。コブか!?
  
     

アウチッ!


一瞬コブかと思ったが、案の定、違った。



いつものビロウドカミキリであった・・・。

ガックシ・・・。
  
       

先へ進んでも、るどるふさんの姿はなく、どうやらずいぶん先まで行ってしまったようだ。

というか、彼にとっての入口まわりと自分にとっての入口まわりとでは距離感が違うのかもしれない。

しばらく行くと、向こうから るどるふさんが戻ってきた。


えええ?親指を立ててグッドサインを出してるぞ?まさか・・・・・!

るど 「採れた」

びお 「ゲッ!!」

なんとまあ、彼はフジコブの♀をゲットしていた。じょ・・・冗談じゃないぞ!


すっかり終了モードだった自分はあせって、まわりの枯葉を叩きまくったが、時すでに遅し。

まわりの枯葉はすでに るどさんに叩かれた跡であった・・・。
    
      
     

るどるふさんが採集したフジコブペア。


ううううう〜ん!!またしてもやられた!!



るどさんの仕掛けた心理作戦に、まんまと引っかかった

気がする びおすけであった・・・。
  
     

しかし、ここの場所が怪しいとにらんだ るどるふさんのカンはさすがであった。

びおすけは、素直に負けを認めます。

ていうか、ビギナーズラックだったのは自分だけであったようだ・・・。
   
さすがに るどさんも満足されたようで、やっと彼も終了モードになったらしい。

温泉へ戻り、いい湯につかったあと、食事をしてお互い家路についたのであった。

今回は、とりあえず Null でなかったのがよかった。

タニグチは採れなかったけど、フジコブが採れたのはラッキーであった。

欲を言えば♂を追加したかったのだが・・・。




PS: 帰りの大渋滞には、まいりましたね〜>るどさん!
  
     

   

お ま け

某神社の御神木、樹齢1000年のケヤキ。

アカジマトラのポイントらしいが、異様な迫力であった。

ただ、ここで黙って虫を採ったりするとバチがあたりそうな

気がするのはワタシだけ?

お賽銭くらいはあげたほうがいいかも・・・。

    
   
本日の成果  フジコブヤハズカミキリ 1ex. (♀)
         ナカジロサビカミキリ 1ex.
         ビロウドカミキリ 1ex.
     
         オサシデムシモドキ 4exs.
         ヨツボシセマルケシキスイ 1ex.
         キオビナガカッコウムシ 1ex.
         マルガタナガゴミムシ 3exs.
         モリヒラタゴミムシsp.1 1ex.
         モリヒラタゴミムシsp.2 1ex.
         ウスヒョウタンゾウムシ? 1ex.
         キイロクビナガハムシ 1ex.
         サルハムシsp. 1ex.
         

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