THE INSECT HUNTER
2002
0814
   
茨城
THE INSECT HUNTER 2002




   

8月も中盤に入り、一般的な採集シーズンも盛りを過ぎようとしている。


これから秋にかけては、コブヤハズカミキリ類やオオトラカミキリなど一部の、しかし興味

深い種類が採れはするものの、やはり「終了感」は拭えない。

  
「今年のシーズンもこれといった成果はなかったなぁ・・・」

と物思いにふけっていた矢先のある夜、携帯の留守電に1本の連絡が入った。



声の主は るどるふさんであった。



「こりゃ、またイイものを採られたに違いない」と思い、るどさんの携帯に連絡を入れると

ちょうどナイター(野球ではない。夜間灯火採集のことをこう呼ぶ)を終えられ、帰宅途中

とのこと。なんと、地元茨城でヨコヤマヒゲナガカミキリが3発!!ということであった。

ぬぬぬ・・・・、一度に3つも!やはりタダモノではない。(この時の状況はるどさんのHP

に詳しく紹介されている→ コチラ )


実を言えば、自分はヨコヤマ未採集である。これは指を咥えて見ているわけにはいかぬ。

そこで、るどさんに無理を承知で「私をヨコヤマ採りに連れってて・・・」とさりげにお願いし

てみた。すると快くOKをいただけた。るどるふさんはホントに優しい方です♪


というわけで、今回の採集行となったのだが・・・さて、「ヨコヤマ祭り」の結果はいかに?
  

  

   
横浜から首都高〜常磐自動車道を経て、るどるふさんと待ち合わせの場所へ向かう。

今日は茨城県内の某林道に立ち寄り、スネケブカヒロコバネカミキリ(略してスネコ、るどさん風

に言うとヒロコ)を爆採り(できたらいいなぁ・・)して、その後ヨコヤマポイントに向かう予定である。

しかし、同じ関東圏と言えど、かなり遠い。マイカーが軽自動車なので、余計それを感じる。


運転しながら「もし、これでNull だったら帰り道はツライなぁ・・・」などと弱気な事を考えながらひた走る。


ただ唯一の頼りは るどさんの「ヨコヤマは大丈夫!」との力強いお言葉だけである。

この言葉を信じて、行くしかない!

そこへ、 るどさんから携帯に連絡が入った。

なんでも先週同ポイントにおいて、ヒロコさんがゲットされているという情報であった。

おおおお!これは幸先良いお知らせ!俄然やる気がおきて、思わずアクセルを踏む足に力が入る。


アクセルを踏みすぎたせいか?予定よりもかなり早く待合わせ場所に到着してしまった。

そこで、るどるふさんに連絡をとり、一足先にヒロコ林道に向かうことにした。



        
さて、抜け駆け状態で現場に到着した。

とりあえず、ヒロコさんの好きなカラスザンショウの花を見て

歩くことにしょう。

びおすけ号を停めて、探索を開始する。

話によると、先週は満開状態であったらしいのだが・・・。
      
   

うううむ・・・。咲いていることは咲いている

のだが、やはりちょっと終わりっぽい・・。

ほとんどの花が白というより黄ばんだ色

になっている。場所によっては既に実に

なっているものも・・・。
     
目に付く花をあちこち掬ってみるものの、なぜか甲虫がさっぱり入らない。

カメムシとかクモばかりである。

う〜ん、だめじゃん!これではヒロコさんどころの話ではないなぁ。


他に目につく花と言えば、ヒロコさんのホストのネムノキとかアカメガシワ、タマアジサイ?

の花であるが、これらにもさっぱり虫がいない。嫌な予感・・・。

 
     
     

初めての場所なので、ポイントとなる場所もわからない。

ひたすら目に付く花を掬うのみである。

何回目かカラスザンショウの花を掬って、ようやくキマダラ

ヤマカミキリがネットインした。


でも、触角折れてるし・・・・。
       
  
少しは期待が持てそうか?としばらく続けたが、あとはコメツキ系、カミキリモドキ系、アトキリゴミムシ系

などしか採れない・・・。

うううむ・・・。

もう花はや〜めようっと♪(←この時点でヒロコさんはあきらめている(笑))
 
手にしたネット竿を、叩き網に持ちかえる。
  
       
   
クズの枯葉を叩いてコブスジサビカミキリを採った。


擬死状態のコブスジくん→


後はクモガタケシカミキリが落ちたくらいで、ヌルデには

ヨツキボシカミキリがいた

が、撮影しようとしたら逃げられてしまった。
            
  

うううう、もう、全然だめポ・・・。

るどるふさん、早く来てくれないかぁ〜・・・。


トボトボと来た道を戻っていると、前方から見憶えのある車が・・・・!


「るどるふ号だっ!」


思わず 「ここだよ〜♪」と叩き網を掲げて振ってしまう。


るどるふさん登場である!
   
           
    
早速、全然だめポな状況を報告し、るどさんの車に乗せて

いただきポイントめぐりをすることになった。

なんでも、カラスザンショウの群落?があるそうな・・・。

るどさんのフィールドだけあって、ホントに心強い。
          
   
その前に、今まで るどるふ甲虫採遊記を彩ってきた

各ポイントを案内していただけるという。

う〜ん、るどさんの採集記を実体験できるとはめったに

ないチャンスだ!

早速ニイジマトラカミキリを記念ゲット! 
  
  
         

色々と興味深い話をうかがいながら、ムネマダラトラ@リョウブや、茨城県内初記録の

某ハナノミをゲットされた場所などを案内していただいた(甲虫ニュースで報告予定)。


一見、何気ない林?なのだが、その懐は相当深いものがあるらしい。また、地理的に

非常に複雑な生態系を持つ環境であるとのこと。実に興味深い場所である。


一巡りしてから車に戻って、同乗させていただき、走りながらベーツヤサ@コゴメウツギ

など貴重なポイントを教えていただいた。


あとで聞いた話だと、びおすけ号を停めてある場所で、

トラフホソバネ@白シャツをゲットされたそうだ。


う〜ん・・・、恐ろしい場所だ・・・。
   
 
            
るどさん一押しのポイントに到着。

他のカラスザンショウと違い、まだまだいけそうな感じである。

ただ、ちょっと遠くて、自分の6段竿でもほとんど届かない

花が多い。

そして、そういう花に限って怪しい虫の影がチラホラと見受け

られる。
        
   
しばらく採集を試みたが、どうもうまくない。

あと1mでも手前にあればだいぶ違うのだが。


しかし、るどるふさんは「ここが一番怪しい」とにらんでいるようだ。

たぶんるどるふさんのカンに間違いはないであろう。

車で少しづつ移動して、他のカラスザンショウや先週ヒロコさんが採集されたという辺りを

ルッキング&スイーピングしてみたが、求めているものは見つからない・・・。

  
         
  
午後になって非常に天気が良い状態。

っていうか、ギラギラカラカラという感じ。

炎天下を歩きつづけ、徐々にへたばってきた。

るどさんはどうかというと、いたって元気である。

なんで・・・?
       
    

奥の方に道があるとか言って、変な場所にどんどん入って

いっちゃうし・・・。

自分はここで待つのが精一杯でしゅ・・。


男はタフでなくてはならないのだが・・・。


     探索から戻ってきた るどさん→
           
  
自分は一度水補給を兼ねて、びおすけ号の場所まで戻る。

すぐそばにヒロコさんのホストのネムノキの立枯れがあった。

しかもすぐ向かいにはカラスザンショウの花が咲いているぞ。

むむむ、怪しい。
         
   
しばらく立枯れとにらめっこしていたが・・・・どうもそれらしい姿は現れない。


そのうち るどさんもやって来て、ヒメヒゲナガカミキリくらいしかいなかったという。

そろそろヨコヤマポイントに移動しなくてはならず、残念ながら今回はヒロコさんとは出会えなかった。

しかし、ここはヒロコさん以外でも「珍」が採れる場所であるし、またいつか訪れたいと思う。

  


          
ヒロコ林道を突き抜けて、ひたすらヨコヤマポイントへ向かう。

で、その前に温泉に入り汗を流そうということで、某温泉街に突撃することに。


ここまでは渋滞らしきものはなかったが、さすがにお盆でしかも花火大会もあるらしく、人と車が多い。

裏通りを抜けて るどるふさん@毎度 の温泉施設に到着。


ここも普段なら るどるふ@貸切状態 らしいのだが、さすがにお盆ということで混んでいる。

洗い場も順番待ちの状態である(汗)。

だけど、温泉に浸かれば本当に気持ちいい。

るどさんは毎週これやってるんだ(笑)
   

さて、いよいよ今日のメインイベント、ヨコヤマ祭りに出撃する時間だ。

コンビニで弁当を買い求め、車のガソリンを満タンにし、いざ出陣!
   
      
  
  

目的地までは温泉街から約40分ほど走らなくてはならない。


山の麓に大きな鳥居があり、ここから林道が始まる。

急勾配のS字連続でびおすけ号にとってはつらい道だ。

先を走る るどるふ号は度々スピードを落として待っていてくれる。


まだ5時くらいなのだが、天気が急に曇りはじめたため、木々で暗い林道がより暗さを増している。

こんな時間に登りはじめる車は他になく、下ってくる車と1回すれ違っただけ。


走りつづけて、一旦頂上付近まで上り詰め、少し下った場所でいきなり視界が広がる。


そう、ここがヨコヤマ祭りの会場である。
  
 
              

祭り会場から眼下を見下ろす。


おおおおお、すごい眺めだ〜!

場所的にはまさに吹き上げポイントである。


祭り会場としては申し分ない。


周囲はブナ林に囲まれている。
             
  

ただ、嫌なことに上空では雷が鳴っている。

そそくさと祭り準備を整えた直後、ついに大粒の

雨が降り始めた。


夕立だろうからそのうち止むはず、と

しばらく車内で食事をして待機する。
       

  

7時半頃、相変わらず雷は鳴り続けているものの、

ようやく雨があがった。

ついに祭り開始である。

いざ、点灯!!

るどさん持参の発電機の音が山間にこだまする。

ううううう、緊張してきたぞ〜!
      

   

開始早々にお客さんが訪れ始める。


雷はまだ鳴り続けており、時折稲光が眼前を照らす。

風が少し強い。

気温は低めながら、先ほどの雨のおかげで湿度は

高まっているので、けして悪い条件ではない。
     
          





やはり蛾が多いが、

まず甲虫ではじめに来たのはハムシ系・・・。
           
    
そしてコガネムシ系・・・。
   
   



・・・・・来てしまったか・・・。




シデムシ系・・・。
    
  

るどるふさん発見のミヤマクワガタ。


う〜〜ん、だんだんそれっぽくなってきたような気配・・・・。



上空を蛾が乱舞している。
     
  

8時をまわり、次第にお客さんの数が増えてくる。

自分たちの採集対象外である多数の蛾は、

雰囲気を盛り上げるためには重要な要素である。


肝心の主役、ヨコヤマヒゲナガが来る時

間にはまだ早い

・・・・・・・はずだった。
        

    

るどるふさんが白布の裏側を調べている。自分は明かりの正面から少し離れて

ガードレールによりかかり、ぼけ〜っと白布を見つめていた。


ふと見ると足元の舗装上を、光に向かって甲虫が歩いている。

「シデムシかな?」

違う触角が長い。


「ビロウドカミキリかな?」 

暗くてよくわからない。


ひょいとつまんでみる。


そして懐中電灯で虫を照らして見る。


グレイの地に白斑の模様がある・・・・。


瞬時に、今まで何度も見てきた図鑑のカラー図版と、脳がリンクする。


「これって・・・・・??」 次の瞬間、



「キターーー!!、キタァーーーーー!!」

と叫んでいた。


「るどさん!!きたーーーー!」



るどるふさんが急いで戻ってくる。



手を震わせながら、そのカミキリを るどるふさんに見せる。


「うん、ヨコヤマですね!」

        

    

生涯初採集・・・・。


自分で言うのもなんだが、びおすけおめでとう!(涙)



ヨコヤマヒゲナガカミキリ、初ゲットの瞬間である!

      

  

この時、頭が真っ白で、実物を見たことが無いためもあり、♂か♀が判断できなかった。

♀なら生かして持ち帰り、産卵を試みようと来る前から考えていたので、とりあえず、

生かしたまま持ち帰ろうと、ヨコヤマを るどるふさんに預けて、離れた所に停めてある車に

プラケースを取りにいくため、「ヤッター」と叫びながら、出口に向かって走った。


出口には低い位置に車侵入防止のチェーンが張ってある。

それを忘れて思いっきり突っこんでしまった。

当然、それに足を引っ掛けた。


「ガッシャーーーーン!!」


夜空に向けて豪快な音を響かせ、前のめりにすっ転んだ。

「痛ってぇぇぇ・・・・」


普通ならしばらく立ち上がれない痛さなのだが、この時ばかりは「すっく」と立ち上がり

プラケースを持つと、一目散にるどるふさんの元に戻った。


(注: ヨコヤマを るどるふさんに盗られると思ったわけではありません(笑))


後で見ると足には青タンが出来て、手の皮が砂利でずりむけていた。

首からぶらさげていたデジカメのレンズカバーは傷だらけだった。


この傷を見るたびに、今日という日を思い出すことだろう・・・・・。


いい記念になった(爆)

          
  

プラケースにヨコヤマ入れるの図 →


その後もことあるごとに、プラケースを

眺めては「ニタ〜ッ」とする、

びおすけであった。

(注:その後正気に戻ってよく見ると♂
であったため、毒ビン行きとなりました)
       
  

しかし、思えばヨコヤマヒゲナガが飛来する時間としてはかなり早いのではないか?


全く予期せぬ出来事であった。時間にして8時半頃である。

通常ヨコヤマ飛来タイムは11:00〜2:00くらいが多いと言われている。



雨上がり直後で、湿度や温度がたまたま飛来する条件に合ったためであろうか?
    


           
その後、霧が発生したり、気温が上がったり

下がったりしたが、虫の数はますます増えてきた。



写真で見るとそうでもないが、実際は虫爆発状態であった。
     

  
るどさん発見のオニクワガタ♀。


このあたりはオニクワが多産するらしいが、

この日飛来したのはこの個体だけであった。
    
  
他にカミキリはいないのかと、探すとやはりいました。

常連系ビロウドカミキリ。

ヨコヤマを見つけた時、はじめコレかと思ったのだ。

茨城初なので記念ゲット。
       
  

時間は11時になろうとしている。

本来なら、これからが面白い時間であるが、翌日の予定もあるため、

今日はこれで終了ということになった。

結局、ヨコヤマは1頭飛来しただけで、「祭り」とまではいかなかった・・・(←贅沢!)。

そして後片付けを済ませ、帰宅することに。


今日は生涯の思い出のひとつとなる日であった。

これもすべてはご自身の大切なポイントを惜しげもなく案内していただき、

灯火採集の準備までしていただいた るどるふさんのおかげである。


本当にありがとうございました。


  
     

おまけ


市街の るどるふ@灯火ポイントにいたミヤマカミキリ。


   

THE INSECT HUNTER 2002

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