THE INSECT HUNTER
2002
0720
   
群馬
THE INSECT HUNTER 2002



     
020720


昨晩はぐっすりと寝てしまった。

部屋に差し込む陽光のまぶしさに目が覚める。



おおおおおっ!すげぇ〜晴れてるじゃん!やった〜!
 
    
       

通り側の窓を開ける。


なんと清清しい朝だろう。

絵に描いたような高原の朝だ。


そよ風も涼しくおだやかである。
       
   

とは言うものの、今日は最終日である。

あああ、惜しむらくは昨日が今日のような天気であったなら。


時間が無いので、朝食の後、少々急いでお弁当を作って

いただいた。


早速、ブナ林に突撃するのだ。
  

         

それにしても、ゲレンデの方がやけににぎやかだ。



うむ、今日は土曜で祝日かぁ。

朝も早くから人出が多いようだ。何やらイベントのようなものも開かれているらしい。

以前は冬場スキーでにぎわうゲレンデも、夏場は利用する人もなく閑散としていた。


そこで、管理者が人寄せのためにラベンダーパークなるものを企画したのだが、これが何故か大当たり!


かつてガラガラだった大駐車場も車が入りきれず、臨時駐車場まで作る始末。

数年前までは静かだったゲレンデも、今やテーマパーク状態である。



本当に自然にふれあう目的で玉原を訪れる常連客は、みな口を揃えて残念がっている。



昔の玉原はよかった・・・と。



これも時代の流れと言ってしまえば、それで終わりだが、なんとも寂しい気持ちである。


現に、それほどのキャパシティーのないブナの森は、日帰り客であふれ返り林床は荒らされ、

ブナ平などの一部には再起不能な状態の場所まである。

かろうじて、自分がメインフィールドとしている鹿俣山側は、それほど荒らされていないが、

人の出入りは明らかに増えており、ここも時間の問題なのではないかと危惧している。


ブナの森の入口に立って、ゲレンデのスピーカーから流れてくる「お嫁サンバ」を聞きながら、

玉原の昆虫記録の集成を急がないといけないな・・・・と、ふと思った。
   
    

           
晴れた日のブナ林は、森の中でも明るい。

ブナの柔らかな緑の葉は陽光を通過させ、

林床の植物にも太陽の恵みを分け与えている。

そして、歳月を経て枯れて倒木となり、

他の植物の苗床となる。

森の共生というより、もはや愛情すら感じるではないか。
   
        

とりあえず、登れる所まで登ってみよう。

突然、ブナの森を目に焼き付けておこうという気になり、所々にある立枯れに注意しながら、

尾根道を歩いた。

時々、頭上をカミキリムシが飛んでいくのだが、年のせいか?反射神経がにぶく、

うまくネットインできない。

急な登りにさしかかり、途中で立ち止まり息を整えていると、目の前のブナに黒い塊がついている。
            
  
おおおおお、ヒメオオクワガタだ。

♂を見るのは久しぶりである。
      
 
生木で、樹液が出ているわけでもないのに

ここで一体何をしているのであろう?


        
  
50mmはある、そこそこ大きな個体だ。

今まで玉原で見た個体の中では、一番大きいサイズだ。
  
            

歩きながら、カツラやシナノキなどの枯枝を拾いながら、

カミキリムシが入っていそうなのを選んでリュックに入れる。

コース上、一度ゲレンデに出る場所があり、そこで一服。

下の方は、相変わらずにぎやかだ。

なんだかエアロビクスみたいな音楽まで聞こえてくる。


はぁ〜〜・・・・。

     
         
遠く、谷川岳連峰を臨む。


あそこには、どういう虫がいるのであろうか。
        
  
ここで一服している間に、ハイカーが何組か通り過ぎた。


やはり、今日は人が多いようだ。



戻って、御神木に挨拶でもしに行くか。
            
  

下り始めて、すぐにブナの大木の根元を

ブンブンいいながら飛び回る虫がいた。

スズメバチかなぁ、いやだなぁ、

と思いつつ見るとハナムグリのようである。


むむむ、もしや?!

手前に飛んできたところを、すかさずネットイン!!
      
      
やった〜!!ムラサキツヤハナムグリだ!

これ欲しかったんだよなぁ・・・。

平地に多いド普通種のシロテンハナムグリ

とまるで違って、ピカピカツルツルのボディーである。

色も上品でなかなかよろしい。

ただ気になるのが、通常の個体と斑紋が

少し異なることである・・・・。
 
         
林内にはエゾアジサイの花が咲いている。


造園でよく使うセイヨウアジサイなどと違い、

派手さはなく、清楚な雰囲気である。
    
          
非常に見にくいが、

被写体がミクロなやつなのでご容赦を・・・・。

チャボハナカミキリである。

普通種だが、玉原で見かけたのは2度目である。


同時にチャイロヒメハナカミキリも見られた。
           
 

そういえば、ピドニアを全然見かけないな。

ウリハダカエデは花がないし、ツルアジサイにもいない。

ショウマ類は見かけないし、これでは見つけようがない・・・・。
   
   
  
 
                     
御神木に到着した。

見るとネジロモンハナノミがまた来ている。

しかし、今は日差しがカンカンに照ってるし、

ソリダは来ないであろう。

          
 
ふと幹を見上げると上からツツと降りてくるカミキリがいる。


ゲッ!まさかポエキラ??


叩き網の上に落としてみると・・・・

ヒゲナガゴマフカミキリでした。がっくし・・・。
      
 

こうして虫を見つけている間にも、ハイカーが横を通り、

お約束の「何採ってるんですか?」攻撃をされてしまう。

はじめはちゃんと説明してあげるのだが、5組も同じ説明をするとイヤになってくる。
 
もう、ホント、ほっておいてよ!
      
          
  

というわけで、帰りに渋滞に巻き込まれてもイヤなので、このへんで去ることにしよう。

玉原の峠道も以前は往復している間、車とすれ違うのも稀であったのに、今日は一般の車

はもちろんのこと、二階建て観光バスまで相当数走っているので、

ここからすでに渋滞が始まっているのだ。



一度ペンションに戻り、少し遅い昼食を食べて、一路家路についた。


あっという間の3日間であった。


結局、当初立てた目的はひとつしかクリアーできなかったがまた来る楽しみがあるというものだ。

しかし、ギガンティアにはまいった。あれほど探していないとは・・・・。

自分はもう、あきらめモードに入っている。


玉原は玉原で都会化?の波が押し寄せているし、昆虫リストの集成を急ぐとともに

また別の採集地を開拓しないといけないかもしれない。


最後はなにやら感傷的になってしまったが、また、凝りもせず玉原を訪れたいと思う。

      
 
     
最終日の成果・・・。



何も言わないでおこう・・・。
 

   

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