THE INSECT HUNTER
2002
0502+0503
   
群馬
THE INSECT HUNTER 2002
   
     
               
皆さん、ご存知のように今年は植物の芽吹きが異常に早い。

GW時期の採集も例年ならば「どこそこに行けばこんな感じだろう」というのがわかるのだが、今年は一筋縄では

いかないようだ。

今回は結果から言うと、絵に描いたようなドツボにはまってしまった。

それでは、その顛末をご覧いただこう。
     

    
まず、例年の玉原であれば、この時期はまだ雪が降る日も

あるくらい寒いはずで、ブナ林の林床は残雪で覆われ、真

っ白である。木々も芽吹くどころか全く冬枯れの状態であり

林内の見通しはすこぶる良好である。

当然、今年はそんな状況にないことはわかっているので、

うまくいけば新芽採集ができる!という想いで出発した。

沼田ICを降り、玉原へ向かう途中にある市民公園に立ち寄

ってみることにした。天気は良好!眺めも良し!

ふと脇を見るとカエデの木がある。
        
おっ、花が咲いている!

というわけで、早速ネットですくってみた。

         
何回か試すが、ハバチやカゲロウ類ばかりで、甲虫の姿が

さっぱり見えない。かろうじてヒメクロトラカミキリをネットイン

したが、これはリリース。その後やはり常連さんのヒナルリ

ハナカミキリもネットインしたが、これまたリリース。


パッとしないので公園を後にし玉原目指して一直線!
      
    
玉原へ向かう道路、17番カーブからの眺め。

山肌には新緑が見える。例年ではこんな景色は拝めない

はず!

期待できそうな予感・・・。


   

    
さて、現地へ到着してペンションのウッドデッキからブナ林

を眺める。雪が全然ないじゃないか!

チシマザサがすっかり林床を覆ってしまっている!

残雪は少ないだろうと思っていたが、ここまでとは!

いつもだと残雪の中、木の根元まわりだけがクレーター状

に土が見えており、その中にコルリ材が落ちていることが

多いため、非常に見つけやすいのだ。

しかし、今回のような状態ではヤブこぎをしないといけない

し、また、時間も少ないので非常に困難である。

こうなると新芽にかけるしか道はない・・・・。
      
        

天気はいいし、気温も上がってきている。

いざ!ブナ林へ突撃開始!

森の中には残雪は全く見当たらない。GWシーズンの景色

とはとても思えない!

それで肝心のブナの新芽はどうなのだ?

と、その前に他の木の状態はどうなのかというと・・・・
   
         
これはカエデだが、まだこんな感じ。

一応、芽は出ているのだが・・・・

まだ固いつぼみ状態である。

イヤな予感が漂いはじめる・・・・。
            
   
さあ、ブナの新芽はどうなんだ?

あたりはブナだらけなので、次々と木を見て歩く。

しかし、芽吹いている木は非常に少なく、芽吹いていても

地上20m以上のはるか上空、つまり樹冠あたりだけという

状態。

「おいおい、ヤバイぞ・・・・」

さらに探索すると南〜南東の斜面のブナが、わりと下枝ま

で芽吹き始めている事に気づく。

しかし、良くてもまだ写真のような状態である。

もう気持ち、葉が展開してくれればいいのだが・・・。
   

   

    
他の新芽も見てまわるが、いい状態の新芽が見つからない。

こりゃ、最悪の事態だ!

つまり、残雪がないのでチシマザサが繁茂し、コルリ材は見つけにくく、かといって新芽にもまだ早いという、

完全に「ハザマ」の時期に来てしまったことになるのだ。

「やってしまった・・・・・」

でも、とりあえず、新芽をネットですくうだけすくってみるか・・・。

竿を伸ばして、ヨイショ、ガサゴソ・・・・・、ンン?なんか変だな・・・・?

         

  

うわわぁ〜!ネットリングが壊れてる!

悪いことって重なるのネ・・・・(泣)

完全に意気消沈してしまった。こうなったら無理にでも材

採集に切り替えるか・・・

しかも、この後デジカメを落としたのを知らずに歩いていた

ことに気づき、慌てて来た道を戻るハメに・・・・。

ホント、悪いことって重なるのネ・・・(大泣)
   
    
      
林床はササで覆われているので、材を見つけにくい。

やむを得ず、登山道沿いの落ち枝を見て歩く。

コルリ材があることはあるが、ちと古いのばかりである。
    
      
古いけど、産卵痕は確認できる。

割ってみるが、何も入ってない・・・・。

こんな状況が続き、もう完全にヤル気をなくしてしまった。

ペンションに戻ろう・・・・。

途中、フレーク状の倒木からオサムシやゴミムシなどを

つまんだが、成果はそれだけ・・・・。
     
      
        
しかし、まあ、見事に雪がないね。

ここらへんはササも低くて少ないけど、こういう場所に

コルリ材は落ちてない・・・。
            
  
いったい何しに来たんだろ・・・・。

これじゃ単なるブナ林の散策じゃないか・・・・。
   
           
途中、ちょっと心を和ませる花がポツンと咲いていた。

早春の花、キクザキイチリンソウ(キクザキイチゲ)である。

どちらかというと、湿っぽい場所を好むらしいが、よく一輪

だけこんな尾根道に咲いていたもんだ。
 
        
  
帰り道、一部だけこんな場所もあった。

滑って歩きにくく、実に中途半端である。


   

   
ペンションに戻ったが、日没まではまだ時間がある。

せっかくだから湿原を見に行くことにした。

ちょうど、ミズバショウが見頃のはずである。
       
   
        
湿原への入口である。

もう、夕方なので観光客もほとんど見当たらない・・・・。
   
           
ここが「小尾瀬」と呼ばれている玉原湿原。

尾瀬と共通の湿性植物が多いらしい。

一周しても30分くらいの小さな湿原だ。

木道沿いにミズバショウが群生している。
    
         
何の説明もいらないでしょう・・・・

ミズバショウです。

  
                
木道から、玉原湖の一部が見える。

そういえば、水生甲虫は全然やってないなぁ・・・。

そもそもいるんだろうか?
    
           
・・・・・・というわけで、初日は終わってしまった。

夏場だと、夜間採集もできるのだが、この時期ではちょっと無理。

ペンションの明かりにも何にも飛んできていない。気温は5℃。

さっき壊れたネットリングを修理したら、何もすることがなくなってしまった。
  
もう、この際だから、何もせずノンビリさせてもらおう。

食事して、ペンションのオーナーと映画やなんかのお話して・・・んで、寝てしまった。

ちなみにこちらのお料理は当然全て奥さんの手料理。

見た目の美しさもさることながら、味もボリュームも抜群です。

・・・・正直に言います。自分が何度も玉原へ足を運ぶのは、この料理が目当てなのです(笑)
         


   


   
翌朝、目が覚めると、もうすっかり晴れ渡っている。

ペンションのシンボルツリー、ミズナラも青空に大きく腕を

伸ばすように枝を張っている。

とりあえず、午前中ブナ新芽の探索をすることにして、朝

食のあと早速、森の中へ。
                 
  
ブナを1本1本見て歩くと、昨日より新芽がついている枝が

多いことがわかる。

「たった一日でこの変化!」

昨日とほぼ同じ場所の芽だがいきなり葉が展開している。

見るとハバチが新芽のまわりを飛び交っており、カバノキ

ハムシなどの甲虫類も見られるではないか!
 
              

・・・しかし、結局コルリクワガタは発見できずに終わった。

ただ、取り逃がしたのだが、コルリくらいの大きさの青っぽい甲虫が飛んでるのを目撃した。

「3日早かった・・・」

全くの見当違いではなかったものの、これが今回の感想である。

自然の営みを計算で推し量ることは難しいが、非常に残念な結果となった。

玉原に限って言えば、例年より20日季節の流れが早まっている。

今回は採集記というより、「玉原案内」みたいになってしまったが、これはこれでいいだろうと自己完結

してしまう びおすけなのであった。
     
    
THE INSECT HUNTER 2002


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